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千葉百音、中国杯で優勝 フリー148.40点・合計224.48点、GPシリーズ次戦はNHK杯

千葉百音、中国杯で優勝 フリー148.40点・合計224.48点、GPシリーズ次戦はNHK杯

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン

フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第3戦・中国杯の女子フリーが11月7日、中国・深センであり、ショートプログラム(SP)首位の千葉百音(21)=木下グループ=がフリー148.40点、合計224.48点で優勝した。2位のアレクサンドラ・イグナトワとの差は3.21点。2025年のスケートカナダ、フィンランド大会に続くGP通算3勝目で、次戦は11月27日に開幕するNHK杯だ。

SP首位から逃げ切り、GPシリーズ3連勝

会場は深セン・ユニバーシアードセンター。11月6日のSPで千葉は76.08点を出し、2位のアナスタシア・グバノワ(ジョージア)に1.03点、3位のイグナトワに3.71点の差をつけて首位に立った。冒頭の3回転フリップ―3回転トーループ、ダブルアクセル、3回転ルッツをそろえた演技だった。

7日のフリーは最終滑走。2人前に滑ったイグナトワが4回転ルッツを決め、フリー148.90点、合計221.27点で暫定首位に立った。

それでも崩れない。

ドビュッシーの「月の光」に乗せたフリーで、千葉は冒頭の3回転フリップ―3回転トーループを決め、大きなミスなく滑り切った。フリーの得点はイグナトワを0.50点下回る2位だったが、SPで築いた貯金が残り、合計で逃げ切っての優勝となった。

国際スケート連盟(ISU)の公式リザルトを見ると、勝負の分かれ目がよく分かる。技術点はイグナトワの83.01点に対し千葉は78.12点と4.89点の差があった。一方、演技構成点は千葉が70.28点で出場12人の中で最も高く、イグナトワを4.39点上回る。ジャンプの難度で迫る相手に、滑りの質で対抗した構図だ。

千葉のGPシリーズ優勝は、2025年のスケートカナダとフィンランド大会に続いて3大会連続となる。2024年の中国杯ではSP首位から2位に終わっており、同じ大会で2年越しの頂点に立った。

上位と日本勢の最終結果は次のとおり。

順位選手(国・地域)SPフリー合計
優勝千葉百音(日本)76.08(1位)148.40(2位)224.48
2位アレクサンドラ・イグナトワ(AIN)72.37(3位)148.90(1位)221.27
3位イ・ヘイン(韓国)67.49(6位)143.30(3位)210.79
4位アナスタシア・グバノワ(ジョージア)75.05(2位)133.53(4位)208.58
5位ララ・ナキ・グットマン(イタリア)71.76(4位)130.93(5位)202.69
6位山下真瑚(日本)69.17(5位)124.15(7位)193.32
11位渡辺倫果(日本)55.72(11位)99.14(11位)154.86

日本女子は、第1戦のフランス大会で中井亜美、第2戦のスケートカナダで島田麻央が優勝しており、千葉の優勝で開幕から3大会続けて日本選手が女子の頂点に立った。

「感情が爆発」涙の理由と、夏のけが

演技を終えた千葉は涙を見せた。その理由について「会心の演技ができたので感情が爆発」と明かしている。

場内インタビューでは、とても緊張したと打ち明けたうえで、スケートが好きだという気持ちを思い出したと話し、「自分を信じる心を持ち続けて集中して臨めた」と語った。

順調な調整ではなかった。千葉は7月に右足首を捻挫し、シーズン初戦に予定していた木下グループ杯を欠場している。中国杯は今季初めての国際大会で、出遅れを抱えたまま臨んだ一戦だった。演技後には、この先の自信につながる大会になったという趣旨の言葉も残した。

満足ばかりでもない。不安を抱えながら演技している様子がまだにじみ出てしまう、と課題も口にしている。

2位のイグナトワは2022年北京五輪の銀メダリストで、旧姓はトルソワ。2025年8月に長男を出産し、ロシアの個人の中立選手(AIN)として2021年以来のGPに戻ってきた。GPのシングルで母親となった選手が表彰台に上がるのは初めてだと報じられた。3位には韓国のイ・ヘインが入った。

イ・ヘインはSP6位と出遅れたが、フリーで143.30点の3位と巻き返し、3人を抜いて表彰台に食い込んでいる。反対にSP2位のグバノワはフリー4位にとどまり、合計208.58点で4位に後退した。米国のソフィー・ジョリーン・フォンフェルテンはシニアのGPデビュー戦で、フリーにトリプルアクセルを成功させて7位に入った。

山下真瑚は6位、渡辺倫果は11位

中京大の山下真瑚はSPで自己ベストの69.17点を出して5位につけ、フリーは「ボレロ」で124.15点。合計193.32点で6位に入った。山下にとっては2020年のNHK杯以来、6季ぶりのGPだった。

関連記事:山下真瑚、中国杯SPで自己ベスト69.17点の5位発進 2020年NHK杯以来のGP、中京大の現在

渡辺倫果(三和建装・法政大)はフリーでトリプルアクセルを2度失敗し、合計154.86点の11位に終わった。SPでも1.00点の減点があり、立て直しは次戦以降に持ち越される。

日本勢はほかの種目でも結果を残した。ペアでは長岡柚奈・森口澄士組が合計181.50点で3位に入り、GPで初めて表彰台に上がった。男子は11月6日のSPで三浦佳生が102.90点で首位、佐藤駿が101.97点で2位につけ、フリーは11月8日(日本時間14時開始)に行われる。

関連記事:三浦佳生、中国杯SP102.90点で首位 自己ベストに迫る演技、佐藤駿も初の100点超え

仙台出身、五輪4位から世界選手権銀へ

千葉は2005年5月1日、宮城県仙台市生まれ。2023年に仙台から京都へ拠点を移し、木下アカデミーで練習を積む。早稲田大学人間科学部通信教育課程で学び、同大スケート部フィギュア部門にも所属する。

主要大会で初めて頂点に立ったのは2024年2月の四大陸選手権だった。同じ年の12月にはシニアで初めて出場したGPファイナルで2位に入っている。2025年3月の世界選手権で銅メダル、2026年2月のミラノ・コルティナ冬季五輪は4位で、表彰台まであと1.28点に迫った。翌3月の世界選手権では自己ベストの合計228.47点で銀メダルを手にしている。

中国杯の224.48点は、その自己ベストに4点ほど届かない。足首のけがで出遅れて臨んだ今季初の国際大会で、この得点を出した。

NHK杯の結果でファイナル進出が決まる

GPシリーズは全6戦で、各選手は原則2大会に出場する。大会ごとの順位がポイントに換算され、その合計の上位6人が12月に中国・重慶で開かれるGPファイナルに進む。優勝で得られるのは15ポイントだ。中国杯でシリーズは半分を終え、翌週のスケートアメリカを含めて残りは3大会となる。

日本女子は第1戦の中井、第2戦の島田がすでに優勝の15ポイントを手にしており、ファイナルの6枠を日本勢が何人で占めるかも焦点になる。

千葉の2戦目は、第6戦のNHK杯。日本スケート連盟の発表によると、大会は11月27日から29日まで東京都調布市の京王アリーナTOKYOで開かれる。女子シングルには千葉のほか、四大陸選手権を制した青木祐奈、全米選手権3連覇のアンバー・グレン(米国)らが出場を予定している。

シリーズ最終戦となるNHK杯の順位次第で、千葉のファイナル行きが決まる。昨季のファイナルはSP首位から5位に沈んだ。中国杯で手にした15ポイントを足場に、まずは地元日本のリンクで2戦目に臨む。

[文/構成 by スポーツ担当ライター 南條楓]

寄稿者

南條楓
学生時代に陸上の中距離を続けていたこともあり、記録で勝負が決まる競技に惹かれてスポーツを書くWebライターに。執筆歴は8年。陸上や水泳、体操、フィギュアスケートなど、記録と採点が結果を左右する競技を中心に、国際大会の速報から選手の歩みをたどる記事まで担当してきた。タイムや得点の意味、予選から決勝までの流れを、初めて観る人にも伝わる言葉で書くことを大切にしている。

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