鹿志村仁之介と太田忍、RIZIN.55計量で一触即発 フェイスオフで太田が突き飛ばす

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
11月8日に千葉・LaLa arena TOKYO-BAYで開かれる「abc presents RIZIN.55」の公開計量が11月7日、都内であった。第10試合で戦う鹿志村仁之介と太田忍はともに61.00kgちょうどでパスしたが、フェイスオフで額を押し付け合った末に太田が鹿志村を突き飛ばし、スタッフが間に入って引き離した。両者とも7月の広島大会で敗れており、負けた側はバンタム級のタイトル戦線から大きく後退する。
計量は両者61.00kg、フェイスオフで太田が突き飛ばす
計量は契約体重61.0kgに対し、鹿志村、太田ともに61.00kgジャスト。2人とも、リミットをわずかも下回らない数字でクリアした。
問題の場面は、司会に促されて向き合ったフェイスオフで起きた。2人は互いに一歩も引かず、額を突き合わせたままにじり寄る。そこで太田が鹿志村を突き飛ばし、複数のスタッフが割って入って両者を左右に引き離した。会場にも緊張が走ったという。
引き離された後も、鹿志村が何かをつぶやき、太田がそれに応じる。2人は視線を外さずににらみ合った。
RIZIN公式サイトが計量結果とあわせて掲載したデータでは、身長は鹿志村172cm、太田165cm。リーチは鹿志村182cm、太田168.5cmで、13.5cmの差がある。打撃の距離では鹿志村が有利な数字だ。
舌戦は9月の会見から続いていた
対立は計量で突然始まったわけではない。9月25日の大会カード発表会見から、2人は言葉の応酬を重ねてきた。
会見で太田に倒し方を問われた鹿志村が「右手でひっぱたいてやろうかな」と答えると、太田が「ひっぱたくって何?」と食い下がり、やりとりは「ひっぱたき論争」と呼ばれるほど長引いた。太田は大会にバンタム級の試合が多いことに触れ「自分たちが一番いいパフォーマンスを出して、いい試合をして魅せたいと思います」と話す一方、11月は季節の変わり目だとして、鹿志村がインフルエンザで欠場しないよう注意してほしいと軽口を飛ばしている。
5月には鹿志村が自身のXで、MMAの戦績は自分のほうが上のような気もするとしたうえで、太田との対戦を頭を下げて求める投稿をしている。
10月27日の合同公開練習でも火花は散った。太田は、王者ダニー・サバテロが鹿志村を倒すのに3ラウンドかかったのに対し、自分は1ラウンドで仕留めると予告。鹿志村は今回が自身にとって初めての打撃の試合になると語り、サバテロ戦の敗戦を引きずっていることも認めた。
11月6日の試合前インタビューで、鹿志村は「ようやく戦えるなとワクワクしてます」と切り出した。戦略は固まり対策も十分だとして、この試合に勝たないと上には行けないと話し、右手で「ひっぱたく」狙いも頭に残していると明かした。
柔術の鹿志村、五輪銀メダルの太田
鹿志村仁之介(25)=Battle-Box=は、ブラジリアン柔術をベースに戦うグラップラーだ。JJFJ全日本ブラジリアン柔術選手権(紫帯ライト級)と全日本ノーギ柔術トーナメント(エキスパート・フェザー級)で優勝した実績を持ち、柔術の黒帯を巻く。MMAの戦績は12勝6敗で、勝ち星の大半を一本で奪ってきた。
2026年は勢いに乗っていた。3月のRIZIN.52で所英男をわずか66秒、アナコンダチョークで仕留めると、5月にはDEEPバンタム級暫定王者決定戦で平松翔を破り暫定王座を手にする。DEEPとRIZINをまたいだ連勝は4に伸び、7月18日のRIZIN LANDMARK 15 in HIROSHIMA(広島グリーンアリーナ)でサバテロの持つバンタム級王座に挑んだ。だが3ラウンド40秒、右フックを浴びてKO負けを喫した。
太田忍(32)=THE BLACKBELT JAPAN=は、青森県出身の元レスリング日本代表。2016年リオデジャネイロ五輪の男子グレコローマン59kg級で銀メダルを手にし、2019年の世界選手権では63kg級で優勝している。2020年の大みそかにMMAデビューし、戦績は8勝6敗だ。
MMAでの道のりは平たんではなかった。2025年5月のRIZIN男祭りでサバテロにTKOで敗れた後、けがで長く戦列を離れる。約1年ぶりの復帰戦となった2026年5月のRIZIN.53では金太郎から2ラウンドに肩固めで一本勝ちし、再起を果たした。しかし同じ広島大会でイリスベク・ティレノフと対戦し、2ラウンド3分4秒、パンチと膝蹴りを浴びて敗れている。
広島の同じリングで、2人はそろって黒星を喫した。
「柔」と「剛」のグラップラー対決、試合は第10試合
試合はRIZIN MMAルールの5分3ラウンド、61.0kg契約。RIZIN公式の見所解説は、柔術の鹿志村を「柔」、レスリングの太田を「剛」と表現し、日本人グラップラー同士のぶつかり合いと位置づけている。
レスリングで相手を抑え込むのが太田の勝ちパターンだが、鹿志村の素早い仕掛けはその太田を苦しめうるスタイルでもある。寝技になればどちらが上を取るかが焦点になり、打撃の展開に戻る可能性もある。鹿志村が「初めての打撃の試合」と話し、太田が1ラウンドでの決着を口にしていることを踏まえると、立ち技の攻防も勝負を分ける要素になる。
2人の後に組まれた試合にも、因縁の相手が出てくる。セミファイナルの第12試合では、太田に勝ったティレノフが井上直樹と対戦する。メインイベントの第13試合はフライ級タイトルマッチで、王者の神龍誠が挑戦者トニー・ララミーを迎える。神龍は57.00kg、ララミーは56.80kgで計量をパスした。
第9試合のアバイジャ・カレオ・メヘウラは66.0kg契約を450グラム超過した。相本宗輝が試合を受け入れたため、メヘウラに減点1(イエローカード)を科したうえで、相本が勝った場合だけ公式記録になる条件で行われる。出場32選手のうち規定体重を超えたのはメヘウラだけだった。
第2試合では、PANCRASEの王座を剥奪された後にRIZIN初参戦となる濱田巧が、関原翔とフライ級で戦う。
関連記事:濱田巧、RIZIN.55で関原翔とフライ級対戦決定 11月8日LaLa arena TOKYO-BAY大会、PANCRASE王座剥奪を経て初参戦
開始時刻と視聴方法
大会は11月8日(日)、LaLa arena TOKYO-BAY(千葉県船橋市)で開かれる。RIZIN公式の来場案内では、開場が12時30分、オープニングファイトが12時45分、本戦が14時開始の予定。第8試合の後に休憩をはさみ、終了は21時ごろを見込む。どれも進行によって前後する場合がある。
全試合はABEMA PPV、RIZIN LIVE、RIZIN 100 CLUB、スカパー!で生配信される。前売りの販売は11月7日23時59分で締め切られ、大会当日の11月8日は当日チケット(ABEMAのWeb購入で6,000円、税込み)になる。ABEMAはアプリから買うと前売り・当日券に600円の手数料がかかる。11月9日0時から13日21時まではアーカイブチケット(Web購入で4,400円、税込み。アプリは500円の手数料)が販売され、13日23時59分まで見逃し視聴ができる。配信の開始時刻はサービスごとに案内が異なるため、購入前に各サービスのページで確かめておきたい。
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7月にそろって敗れた2人にとって、ここで連敗すればバンタム級の上位争いから一歩遠のく。計量の突き飛ばしで高まった因縁に、11月8日のリングで決着がつく。
[文/構成 by スポーツ担当ライター 久遠(KUON)]











































































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