FC東京が9試合連続無失点でJ1最長タイ 鹿島に2-0で首位守る、847分間はJ1新記録

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
明治安田J1リーグ第14節が11月7日にあり、首位のFC東京は味の素スタジアムで鹿島アントラーズを2-0で下した。後半15分に長倉幹樹が先制し、終了間際にダニ・ゴメスが追加点。リーグ戦の無失点は9試合に伸び、2021年の名古屋グランパスに並ぶJ1最長タイとなった。連続無失点時間は847分に達し、名古屋の823分を抜くJ1新記録。3連勝で勝ち点33とし、首位を守っている。
後半15分に長倉が先制、終了間際にダニ・ゴメスがダメ押し
快晴の味の素スタジアムには3万8076人が入った。FC東京は前節のファジアーノ岡山戦から先発を2人入れ替え、右サイドバックには大森理生が入った。FC東京に戻ってからJ1リーグ戦で初めての先発だった。最前線は長倉と、2試合続けて2得点を挙げていた仲川輝人の2トップ。ゴールマウスはキム・スンギュが守った。
立ち上がりはFC東京が先に好機を作る。前半7分、バングーナガンデ佳史扶の折り返しに走り込んだ長倉が左足で狙ったが、鹿島のGK早川友基に防がれた。直後の8分にも、長倉のスルーパスに斜めに走り込んだ安斎颯馬が右足で直接狙ったが、ボールはゴールの右へ外れた。その後は鹿島がサイドからボールを運んで押し込む時間が長くなり、19分にはセットプレーからゴール前で合わせられる場面もあった。これはキムが正面でキャッチしている。
FC東京は前半のうちに佳史扶が足を痛め、橋本健人と交代するアクシデントにも見舞われた。押し込まれる時間が続いたが、スコアレスで折り返した。
後半はFC東京が出足から仕掛けた。2分には俵積田晃太が左からカットインして右足を振り抜き、シュートは相手DFに当たってゴール右へそれている。
均衡が破れたのは後半15分だった。右サイドの深い位置へ入り込んだ安斎がクロスを送り、ファーサイドの俵積田が頭で中央へ折り返す。待っていた長倉が左足で合わせ、ゴールに流し込んだ。長倉は今季リーグ戦8点目となった。
鹿島は前半で樋口雄太を下げ、後半開始から柴崎岳を入れた。さらにチャヴリッチも送り込み、攻勢を強めていく。最大の好機は後半31分。ペナルティーエリア内の至近距離からチャヴリッチが放ったシュートを、キムが止めている。34分にはボールを失ってカウンターを受けたが、安斎が右サイドを全力で戻り、ファウルなしでボールを奪い返した。鹿島はレオ・セアラや鈴木優磨ら攻撃陣を並べたものの、最後まで1点が遠かった。
FC東京は後半25分に仲川と俵積田を下げてダニ・ゴメスと本間至恩を投入し、44分には長倉に代えてマルセロ・ヒアンを入れた。アディショナルタイムに入った90分+5分、鹿島のロングスローをはね返したところからダニ・ゴメスが独走し、GKの位置を見て流し込んだ。ゴール後にユニフォームを脱いで2枚目の警告を受け、退場となったが、再開とほぼ同時に試合は終わった。
| 時間 | 得点者 | チーム |
|---|---|---|
| 60分(後半15分) | 長倉幹樹 | FC東京 |
| 90分+5分 | ダニ・ゴメス | FC東京 |
9試合で失点ゼロ、9月2日の清水戦から847分
FC東京が最後にリーグ戦で失点したのは、9月2日の第5節、敵地での清水エスパルス戦だ。後半8分に木下康介に決められ、1-1で引き分けた。その後の約37分間と、第6節の京都サンガF.C.戦から第13節の岡山戦までの8試合、そして鹿島戦の90分を合わせると847分になる。
2021年に名古屋がマークした823分を上回ったのは、長倉の先制点から7分後の後半22分だった。9試合連続の無失点は名古屋と並ぶJ1の最長記録で、時間では単独の1位に立ったことになる。
| 節 | 日付 | 相手 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 第6節 | 9月6日 | 京都サンガF.C. | 2-0で勝利 |
| 第7節 | 9月12日 | ガンバ大阪 | 2-0で勝利 |
| 第8節 | 9月19日 | 名古屋グランパス | 1-0で勝利 |
| 第9節 | 10月10日 | 浦和レッズ | 3-0で勝利 |
| 第10節 | 10月17日 | 東京ヴェルディ | 4-0で勝利 |
| 第11節 | 10月21日 | 柏レイソル | 0-0で引き分け |
| 第12節 | 10月25日 | 水戸ホーリーホック | 6-0で勝利 |
| 第13節 | 10月31日 | ファジアーノ岡山 | 4-0で勝利 |
| 第14節 | 11月7日 | 鹿島アントラーズ | 2-0で勝利 |
9試合の得点は24。引き分けは柏戦の1試合だけで、失点しないうえに点も取れている。
関連記事:FC東京、岡山に4-0で暫定首位 8試合連続無失点はJ1歴代2位の記録、仲川輝人2得点
8月の開幕はまったく違う姿だった。8月8日の第1節でFC町田ゼルビアに1-5で大敗し、続くヴィッセル神戸戦も2-2。今季14試合の失点8のうち、7点は最初の2試合で喫している。神戸戦から数えて13試合負けなしが続いている。最終ラインを支えるのは、アレクサンダー・ショルツと稲村隼翔のセンターバックの組み合わせだ。
松橋監督「偶然ではありません」、ハーフタイムに「一生勝てない」
試合後の取材で、松橋力蔵監督は前半について「もうどうなることやら…という感じではありました」と明かした。鹿島に勝たなければ優勝は見えてこない、という言葉は選手からも出ていたという。だからこそハーフタイムには「このゲームでこんなことをやっていたら、鹿島アントラーズには一生勝てない」と伝えた。
そのうえで、前半を無失点で終えたことだけは前向きに捉えた。「この前半はもう忘れよう」と呼びかけ、何も失うものはなく守るものも今は一つもないとして「リスクをかけて、全員で攻めていこう」と送り出している。
記録については「記録としてそういうものを達成できたことは偶然ではありません」と語った。失点の可能性が高まる場面を自分たちでどう封じるか、その課題を積み上げてきた結果だという。途中出場で決めたダニ・ゴメスには「出場すれば必ず得点をとってくれますし」と信頼を寄せ、ゴールへの嗅覚と決定力をたたえた。
守護神のキムは、失点せずに戦い続ければ「必ずチャンスはくると考えて待っていました」と話した。今年前半に行われた特別大会のころより、チームは明らかに良くなっていると感じているという。
センターバックの稲村は、連続無失点は本当に意識していなかったとしつつ、クラブとしては素晴らしい記録だと受け止めた。それでも「本当に優勝しないと何試合無失点だろうが意味がない」と言い切る。決勝点の長倉は、拮抗した試合を勝ち切れたことを大きいとし、特別大会で首位だった鹿島を相手に勝ち切れたことについても、過信せず自信を持って続けたいと話した。
首位は第14節終了まで確定、次は11月21日にC大阪戦
鹿島は7勝2分け5敗の勝ち点23のまま6位にとどまり、FC東京との差は10に広がった。この日は柏レイソルも川崎フロンターレに2-1で勝って3連勝とし、勝ち点31で暫定2位に浮上した。
11月7日時点の上位は次のとおりだ。
| 順位 | クラブ | 試合数 | 勝ち点 | 失点 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | FC東京 | 14 | 33 | 8 |
| 2 | 柏レイソル | 14 | 31 | 20 |
| 3 | サンフレッチェ広島 | 13 | 29 | 10 |
| 4 | FC町田ゼルビア | 13 | 28 | 10 |
| 5 | ヴィッセル神戸 | 13 | 26 | 12 |
| 6 | 鹿島アントラーズ | 14 | 23 | 24 |
広島と町田は11月8日に町田GIONスタジアムで直接対決し、神戸は同じ日に浦和レッズと戦う。どこが勝っても勝ち点33には届かず、FC東京は第14節を首位で終えることが決まった。14試合で失点8は、J1の20クラブの中で最も少ない。
次節は11月21日、敵地でセレッソ大阪と戦う。無失点で終えれば10試合連続となり、試合数でもJ1の記録を塗り替える。鹿島は11月20日にホームで清水エスパルスを迎える。
[文/構成 by スポーツ担当ライター TAKU]















































































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