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南野拓実、約1年ぶりに日本代表復帰 北中米W杯ではメンターとして同行、左膝のけがからの歩み

南野拓実、約1年ぶりに日本代表復帰 北中米W杯ではメンターとして同行、左膝のけがからの歩み

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日本サッカー協会(JFA)は11月4日、シンガポールで行われるブラジル戦、パラグアイ戦に臨む日本代表28人を発表し、モナコのMF南野拓実(31)が約1年ぶりに選ばれた。2025年12月に左膝前十字靱帯を断裂し、北中米W杯は選手ではなく「メンター」としてチームに同行した。10月15日に298日ぶりの公式戦復帰を果たしてから、わずか3週間ほどでの代表復帰となった。

11月4日のメンバー発表で名前が戻った

日本代表が出場するのは、11月13日から17日までシンガポールナショナルスタジアムで開かれる「MIZUHO BLUE CHALLENGE THE KALLANG FOOTBALL SERIES SINGAPORE」。日本は14日にブラジル、17日にパラグアイと対戦する。地元シンガポールを加えた4か国の大会で、各試合は90分で終わり、延長戦やPK戦は行わない。

メンバーはGK3人、DF8人、MF・FW17人の計28人。中でも注目を集めたのは、長いけがから戻った2人だった。南野と同じく前十字靱帯を断裂していたDF町田浩樹(ホッフェンハイム)も選ばれ、FW福田師王(カールスルーエ)は初招集。一方、FW上田綺世は負傷の影響で外れている。

関連記事:上田綺世、ブラジル戦の招集見送りへ 森保監督「基本的には招集しない方向」左足負傷でベンチ外続く

南野が最後に代表のユニホームを着たのは、2025年11月のキリンチャレンジカップだった。14日のガーナ戦(豊田スタジアム)では前半16分に佐野海舟のパスから先制点を決め、代表通算26得点目で木村和司と並ぶ歴代8位タイとなる。18日のボリビア戦(国立競技場)も先発し、後半22分までプレーした。

ボリビア戦から今回のメンバー発表までは351日。「約1年ぶり」の数字はここから来る。

オセール戦の負傷から298日で公式戦へ

暗転したのは、ボリビア戦からわずか1か月後だった。2025年12月21日、フランス国内のカップ戦、クープ・ドゥ・フランスのオセール戦で、南野は前半途中の接触プレーで左膝を痛める。モナコは翌22日、左膝前十字靱帯の断裂を発表した。全治は明らかにされていない。

前十字靱帯は膝の関節を安定させる太い靱帯で、断裂するとサッカー選手は長い離脱を強いられる。W杯本大会まで半年しかなく、出場は厳しい状況になった。

その2か月前、南野は代表の大きな一戦で結果を残していた。2025年10月14日、東京スタジアムでのブラジル戦。0-2で迎えた後半7分、前線からの守備で相手のボールロストを誘い、こぼれ球を右足でゴール左へ決めて反撃の口火を切る。日本は後半の3得点で3-2と逆転し、ブラジルとの14度目の対戦で初めて勝った。

けがはその流れを断ち切った。2026年5月15日に発表されたW杯メンバーに、南野の名前はなかった。日本はF組に入り、初戦は現地時間6月14日(日本時間15日)のオランダ戦。リハビリの途中で迎える本大会に、選手として間に合わせるのは難しかった。

それでもリハビリは続く。9月にはモナコの公式戦でベンチ入りし、10月15日のUEFAカンファレンスリーグ、CSKAソフィア戦で先発。負傷から298日ぶりの公式戦復帰となった。

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メンバー発表の時点で、復帰後の公式戦出場は3試合。いずれも60分に届かず、最も長い出場は10月15日の復帰戦だった。

メンターとして北中米W杯に同行した夏

W杯メンバーから外れた南野だが、チームを離れたわけではなかった。5月18日、JFAの山本昌邦技術委員長は技術委員会後の取材で、南野がW杯を戦う日本代表に同行すると明らかにした。森保一監督の強い要望を受けて協会がモナコと交渉し、了承を得たという。

立場は「メンター」。選手の相談に乗り、助言する役割で、チームのトレーニングには参加しない。リハビリは代表の練習とは別の時間に行い、代表のメディカルスタッフとは別に南野専属のスタッフを付ける方針も示された。

南野は6月8日、ベースキャンプ地の米テネシー州ナッシュビルでチームに合流する。初練習ではランニングの先頭を走り、自分がここにいるのは100%チームのためで、日本が良い結果を出すために力になりたいという趣旨の言葉を残した。鎌田大地は合流した南野について、年齢も代表歴も上の「みんなの兄貴的な存在」で、いるだけで明るくなると話した。

日本はグループリーグを突破し、現地時間6月29日、ヒューストンでのラウンド32でブラジルと対戦した。前半29分に佐野海舟が先制したものの、後半11分にカゼミーロに追いつかれ、後半アディショナルタイムにガブリエル・マルティネッリの決勝点を許して1-2。史上初のベスト8には届かなかった。

ピッチの外からその戦いを見届けた南野が、今度は選手としてブラジルと向き合う可能性がある。

森保監督が語った招集の理由

11月4日の会見で、森保監督は南野と町田の選出について、前十字靱帯断裂でシーズンを棒に振り、選手生命も危ぶまれるようなけがを負った2人がピッチに戻り、プレーする姿を見て「本当に嬉しく思っております」と語った。リハビリの経過と復帰後の状態を見たうえで招集を決めたという。

気になるのは試合に出られる時間だ。森保監督は、南野のこれまでの1試合の出場は最長で60分程度だとしながらも、常にメンバーに入っており、60分以上のプレーも計算できると説明した。ブラジル、パラグアイに勝つために限定的でもプレーできることがチームのためになり、可能ならフル出場もできるとの見方も示している。

起用しない場合の役割にも触れた。これまで代表が積み上げてきた戦い方をピッチの内外で示し、未来へつなげてもらえるという。プレー以外の面も、招集の理由に含まれている。

大阪府泉佐野市出身、モナコで再起をかける

南野は1995年1月16日生まれ、大阪府泉佐野市出身。中学入学と同時にセレッソ大阪の下部組織に入り、2013年にトップチームへ昇格した。その後はオーストリアのザルツブルク、イングランドのリバプールを経て、2022年からモナコでプレーする。2022年のカタールW杯にも出場した。

代表での得点は、2025年11月のガーナ戦で26に伸びている。ブラジル戦、パラグアイ戦で出場し、ゴールを重ねられるか。

初勝利を挙げた2025年10月、W杯で敗れた2026年6月に続き、11月14日はこの約1年で3度目のブラジル戦になる。南野にとっては、ピッチの外から見た相手と、再び同じピッチで向き合う試合になる。

[文/構成 by スポーツ担当ライター TAKU]

寄稿者

TAKU
ボールを使う競技なら何でも観ます、TAKUです。学生時代はずっとバスケ部、いまは週末にフットサル。スポーツを中心に書くWebライターになって5年です。Bリーグ、バレーボール、ラグビー、テニスを中心に、野球やサッカーも書きます。試合の流れが変わった瞬間を、スコアと一緒に伝えるのが得意です。

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