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中谷潤人、12月にスパーリング再開へ 左眼窩底骨折は完治、復帰戦は来年2月めど ファンミで明かす

中谷潤人、12月にスパーリング再開へ 左眼窩底骨折は完治、復帰戦は来年2月めど ファンミで明かす

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン

ボクシングの元世界3階級制覇王者・中谷潤人(28)=M・T=が11月7日、東京都内で開いたファンミーティングに登壇した。5月の井上尚弥戦で負った左眼窩(がんか)底骨折は「完治した」と報告し、12月にスパーリングを再開する予定だ。再起戦の時期は来年2月ごろをめどにしていると明かし、10月に話していた1〜3月ごろから目標が絞られた。

ファンミに約300人、左眼窩底骨折は「完治」

イベントの名称は「中谷潤人 BIGBANG プレミアムファンミーティング2026」。2025年に続く2年連続の開催で、会場には約300人が集まった。前年の約200人から100人ほど増えた計算になる。東京の会場は満員となり、11月8日には名古屋市でも開かれる予定で、チケットは両日とも完売したという。

ファンとの質疑応答では、パンチの打ち方やダイエットの方法といったボクシングにまつわる質問のほか、7月に結婚した新婚生活についても問われた。中谷は7月22日、女子プロゴルファーの田村亜矢とマネジメント会社を通じて結婚を発表し、連名のコメントで温かい家庭を築いていきたいとつづっていた。

体の状態についても報告があった。井上戦で骨折した左眼窩底について、中谷は11月に入って医師の診察を受け、「完治した」と明かしている。今後は軽めの実戦練習から段階を踏み、12月にはスパーリングに戻る。

再起戦の時期は、イベント後の取材で語った。骨折を経ての復帰になるため急ぐつもりはなく、来年2月ごろをめどに動いていると話した。対戦相手や会場など具体的な中身は、11月7日時点で発表されていない。

井上尚弥戦の判定負けから半年

なぜ復帰にここまで時間がかかったのか。発端は5月の一戦にある。

中谷は5月2日、東京ドームで世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)に挑んだ。32戦全勝同士の対戦は5万5000人の観衆を集め、結果は0-3の12回判定負け。採点は116-112、115-113、116-112で、中谷はプロ初黒星を喫し、戦績は33戦32勝(24KO)1敗となった。勝った井上は33戦全勝(27KO)とし、4団体の王座を守っている。

この試合で左眼窩底を骨折し、手術を受けた。療養を経て、医師の許可が出た8月1日から所属ジムでの練習を再開している。翌2日には練習拠点の相模原市で再起の報告会が開かれ、抽選で選ばれた約250人のファンと本村賢太郎市長が結婚を祝った。中谷は「その幸せを持ってまたファイトに生かしていきたい」と応えている。

10月25日から28日までは、神奈川県相模原市の相模湖カントリークラブで走り込み合宿を張った。ゴルフ場での走り込みは試合前の恒例の練習で、ふだんは試合の3カ月前ごろに組む。それを今回は試合が決まる前に前倒しした。理由を問われた中谷は「いつでも行けるように」と説明している。合宿を公開した10月26日には、再起戦の時期として年明けの1月から3月ごろを目指していると口にした。だいぶ休んだので「戦いに飢えている」とも話し、1月の試合でも受ける構えを見せていた。

関連記事:中谷潤人、再起戦は来年1〜3月を視野「だいぶ休んだので、戦いに飢えている」 次戦の詳細は未定

ただ、この時点では11月の診察が前提だった。所属ジムの村野健会長も、再起戦の具体的なことはまだ決まっていないと説明していた。診察で完治が確かめられたことで、実戦練習の再開に向けた条件が整い、目標も1〜3月という幅から2月ごろへと具体的になった。

10月16日には、拠点とする相模原市の相模原市立小山中学校で3年生に向けて講演し、井上戦の敗戦について「負けほど得られるものはない」と語っていた。

関連記事:中谷潤人、相模原の小山中学校で講演「負けほど得られるものはない」 再起戦は来年の見通し

ランキングは上位、狙うはスーパーバンタム級の世界王座

中谷が見ている先は、スーパーバンタム級の世界王座だ。取れば4階級制覇となる。

三重県東員町出身の中谷は、中学卒業後に高校へ進まず単身で渡米し、2015年4月にM・Tジムからプロデビューした。2020年11月にWBOフライ級、2023年5月にWBOスーパーフライ級、2024年2月にWBCバンタム級の王座を取って3階級制覇。2025年6月にはIBFバンタム級王座も加えて2団体統一王者となり、同年9月に両王座を返上してスーパーバンタム級へ上げた。転級初戦は2025年12月27日、サウジアラビアのリヤドで迎えた。セバスチャン・エルナンデス(メキシコ)に3-0の判定(115-113、115-113、118-110)で勝ったものの、右目を大きく腫らし、後半は押し込まれる苦しい試合だった。連勝を32に伸ばして井上戦へ進み、そこで初めて敗れている。

井上に敗れた後も、世界ランキングでは上位にいる。WBC(世界ボクシング評議会)では1位とされる。WBO(世界ボクシング機構)が11月初めに公表した10月度のランキングは、WBO公式サイトの表(10月28日付)でカール・ジェームス・マーチン(フィリピン)が1位、中谷が2位。11月4日には、マーチンがランキングから外れて中谷が1位に繰り上がったとの報道も出ているが、11月8日時点で公式サイトに載っている表は2位のままだ。

関連記事:WBO最新ランキング 川浦龍生がSフライ級1位、松本流星が正規王者に昇格 中谷潤人は2位

スーパーバンタム級の主要4団体の王座は、いずれも井上が持っている。その井上は10月22日に次戦は来年3月ごろになるとの見通しを話し、来年中のフェザー級への転向もほのめかしている。井上が階級を上げれば王座が空き、中谷に挑戦の機会が早く巡ってくる可能性もある。ランキング1位がそのまま挑戦権を意味するわけではなく、再起戦をノンタイトル戦にするのか、世界戦に直行するのかも、11月7日時点では決まっていない。

世界王者になることが「恩返し」

井上戦の後は街で声をかけられる機会が増え、次の試合を待っているという声も届くようになったと明かした。試合を見て感動したという反応も多く寄せられたという。

ファンの受け止めについて、中谷は誇ってよいところだとしつつ、それで満足するつもりはないという。井上戦の反省点を次の試合に生かす考えを示し、世界王者になることが応援してくれる人たちへの「恩返し」だと話した。

12月にはスパーリングを再開し、相手と打ち合う練習で試合の感覚を取り戻していく。2月ごろの再起戦に向け、対戦相手や会場がいつ発表されるかが次の焦点になる。

[文/構成 by スポーツ担当ライター 久遠(KUON)]

寄稿者

久遠(KUON)
WEBライター(主にスポーツ記事)経験7年。スポーツ、格闘技が好きで、ボクシング世界チャンピオンが主宰するジムに4年間在籍。自分でも練習を重ね、”3分”の過酷さと濃さを体で知る。観戦もライフワークで、会場には年4回ほど足を運ぶ。選手目線の実感とファン目線の熱量、その両方を武器に、試合の見どころやリングのリアルをライター経験を活かしてわかりやすく伝えます。

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