具志堅用高、エスピノサを来年の井上尚弥戦の第一候補と見立て 3回TKOで5度目防衛の試合を分析

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
元WBA世界ライトフライ級王者の具志堅用高(71)が11月5日、自身のYouTubeチャンネル「具志堅用高のネクストチャレンジ」を更新し、WBO世界フェザー級王者ラファエル・エスピノサ(32)=メキシコ=の5度目の防衛戦を映像で分析した。具志堅はエスピノサが力を出し切っていなかったとみたうえで、「もしかしたら来年、年明けて第一候補かな、井上チャンピオンの」と、井上尚弥の対戦相手として名前を挙げた。井上の次戦は、11月6日時点で正式に決まっていない。
動画で語った「100%出してない」と「第一候補」
動画のタイトルは「【井上尚弥】フェザー級の“ラスボス”エスピノサとの相性は!?具志堅用高が試合映像から徹底分析!」。日本時間11月5日に公開された、約18分の回だった。
具志堅がまず触れたのは、エスピノサの出来だった。10月31日の試合を見て「100%出してないような気がするなぁ」と話し、いつもよりスピードを抑えていたように見えたという。
そのうえで口にしたのが、井上との対戦だった。「もしかしたら来年、年明けて第一候補かな、井上チャンピオンの」。断定ではなく「もしかしたら」と前置きしたうえで、年明け以降の井上の対戦相手の候補として、エスピノサの名前を挙げた。
リヤドで代役に3回1分22秒TKO
分析の題材になった試合は、10月31日(日本時間11月1日)にサウジアラビア・リヤドのキングダム・アリーナで行われた。サウル・“カネロ”・アルバレスの試合がメインの興行で、エスピノサはWBO同級15位のリカルド・ブランドン(34)=ニカラグア=を迎えた。
ブランドンは当初の挑戦者ではない。もともとはWBO1位のロレンソ・パーラ=ベネズエラ=が相手だったが、医学的な理由で出場の許可が下りず、試合の約1週間前に挑戦者が入れ替わった。
決着は3回1分22秒。ブランドンが目の上を深く切り、リングドクターの診断を経てレフェリーが試合を止める。2023年12月にロベイシ・ラミレス=キューバ=を破って手にしたベルトの、5度目の防衛となった。戦績は29戦29勝(25KO)で、無敗のままだ。
エスピノサはメキシコ・ハリスコ州グアダラハラの出身で、愛称は「ディビーノ」。フェザー級では珍しい185cmの長身で、王座を取ってからの5試合はすべてKOかTKO、棄権で終わらせている。
| 防衛 | 日付(現地) | 相手 | 結果(勝者エスピノサ) |
|---|---|---|---|
| 1度目 | 2024年6月21日 | セルヒオ・ | 4回TKO |
| 2度目 | 2024年12月7日 | ロベイシ・ | 6回TKO |
| 3度目 | 2025年5月4日 | エドワード・ | 7回TKO |
| 4度目 | 2025年11月15日 | アーノルド・ | 11回TKO |
| 5度目 | 2026年10月31日 | リカルド・ | 3回TKO |
4度目の防衛から約1年の間隔があき、ブランドン戦は久しぶりのリングだった。
関連記事:エスピノサが3回TKO勝利でWBO王座5度目防衛 試合後「井上尚弥とのビッグマッチを待ち望む」と統一戦にも意欲
試合の中身には厳しい見方もある。代役との一戦で、相手は王者に対抗する体格や攻撃の組み立てを欠いていたと米専門メディアが論評したようだ。具志堅の「100%出してない」という見立ても、相手の力量を含めたこの試合の性格と重なる。
井上が3発、4発で返す展開を予想
話題は井上との相性にも及んだ。エスピノサの攻撃について「コンビネーションが打てないから1、2、3くらいまででしょ?」と指摘し、その連打に対して井上が「3発、4発は打ち返してくるような気がするね」と予想した。
全体としては「そんなにやりづらくはない」との見立てだった。ただし条件も付けている。エスピノサが距離をうまく取った場合は「井上もちょっとは苦戦すると思います」と話した。
エスピノサは185cmの長身で、井上との身長差は約20cmある。長い腕で間合いを保たれるか、それとも井上が懐に入って手数で上回るか。具志堅が挙げた「距離感」は、この体格差をどう埋めるかという問題に直結する。
分析の重みは、語り手の経歴にもある。具志堅は沖縄県石垣市の出身で、興南高等学校時代にインターハイで優勝し、1974年にプロデビューした。1976年にWBA世界ライトフライ級王座を手にすると、防衛を13度続け、世界王座の連続防衛の日本記録を作っている。プロ戦績は24戦23勝(15KO)1敗。長く王座を守った元王者が、5度の防衛を重ねた現役王者を細かく見た回だった。
8月の時点では、具志堅の見方はもっと慎重だった。8月中旬に報じられた回で、元WBA世界ライトフライ級王者の渡嘉敷勝男と並び、井上には「スーパーバンタムが一番強い階級じゃないかなと思うね」と話し、いきなりフェザー級でエスピノサと戦うことを「ちょっと危険」と表現していたのだ。それから約3か月。11月の回では、エスピノサを来年の相手候補に挙げ、打ち合いの展開まで具体的に予想した。
「5階級制覇の価値はWBO」と語った理由
具志堅は、井上がフェザー級で最初に狙うベルトについても考えを示した。「5階級制覇っていう価値観はね、WBOの方かなって感じするね」。他の団体の王者とは、5階級制覇を果たした後に統一戦で戦う、という順番を描いた。
この発言の前置きは「ファンとしては」だった。「チャンピオンにチャレンジ」して5階級制覇を果たすなら、その舞台はWBOの王座だという見方だ。動画では「来年はまずフェザーで取るっていうことじゃないかなと思いますけど」とも語り、来年中のフェザー級王座挑戦を予想していた。
エスピノサ自身も、井上との対戦を望んでいる。リヤドでの試合後には王座統一への意欲とあわせて、井上とのビッグマッチを待ち望んでいると話していた。
井上の次戦はバム戦かフェザー級か
一方で、井上陣営の第一の交渉相手は今もジェシー・“バム”・ロドリゲス(米国)だ。大橋ジムの大橋秀行会長は10月28日、来年3月の開催を軸にした交渉が一歩ずつ進んでいると明かした。ロドリゲス陣営が12月に別の王者との統一戦を挟む計画を持つことから、交渉には曲折があった。
翌29日、大橋会長は井上本人の第一の希望が王者への挑戦にあると説明した。ロドリゲス戦がなかなか決まらなければ、フェザー級に上げて5階級制覇に挑む方向も考えているという。会長はロドリゲス陣営に待たされ続けることへの不満もにじませ、近いうちに答えが出るとの見通しを示した。
関連記事:井上尚弥vsバム、大橋秀行会長「一歩ずつ進んでいます」 来年3月の東京開催へ交渉は順調
井上は世界4階級制覇を果たし、スーパーバンタム級の4団体統一王者として33戦33勝(27KO)の戦績を持つ。ロドリゲス戦が来年3月にまとまれば、エスピノサとの対戦はその先の話になる。まとまらなければ、フェザー級での初戦の相手選びが始まる。
具志堅は、来年の年明け以降の相手としてエスピノサの名前を挙げた。11月6日時点で、井上とエスピノサの対戦に向けた交渉や合意は伝えられていない。
[文/構成 by スポーツ担当ライター 久遠(KUON)]













































































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