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力石政法、LA合宿の収穫を語る 次戦は11月26日メルチョル・ロダ戦、兄・矢吹正道と同じ興行

力石政法、LA合宿の収穫を語る 次戦は11月26日メルチョル・ロダ戦、兄・矢吹正道と同じ興行

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン

ボクシングの元東洋太平洋スーパーフェザー級王者、力石政法(32)=大橋=が、9月に単身で行った米ロサンゼルス合宿の収穫を語った。11月5日に公開されたインタビューで、現地のスパーリングを経て「日本人の方が強い」と感じ、外国人選手への引け目が消えたと明かしている。次戦は11月26日、東京・EBARA WAVEアリーナおおた(大田区総合体育館)でのメルチョル・ロダ(フィリピン)との8回戦。同じ興行のメインでは、兄でIBF世界フライ級王者の矢吹正道(34)=緑=が3度目の防衛戦に臨む。

9月上旬から約3週間、単身でロサンゼルスへ

力石が日本を離れたのは9月上旬だった。期間は約3週間で、向かった先は米ロサンゼルス。現地ではトップアマチュアや無敗のプロ、将来を期待される若手とスパーリングを重ね、実戦形式の練習を積んだ。

渡米のきっかけは、以前から連絡を取り合っていた人の存在だった。いつか行きたいと考えながらも機会がなかったところ、スポンサーが交通費を負担してくれることになり、実現したという。誰も自分のことを知らない環境だったが、現地の人たちは意外と親しみやすかったと話している。

現地で得たものを問われると、答えははっきりしていた。

力石は2025年5月の世界戦で外国人選手に敗れ、向こうの選手のほうが体の強さで上だという思いを抱えていた。ところが実際に拳を交えると「日本人の方が強い」と実感し、そのコンプレックスがなくなったという。9月29日の会見でも、メンタルや技術は日本人選手のほうが優れていると感じたと語り、何よりも人として成長し、強くなれたことを収穫に挙げた。

合宿中には、こんな話もある。現地で知り合った東洋太平洋スーパーライト級王者の堀池空希(24)=横浜光=と、ユニバーサル・スタジオ・ハリウッドのジェットコースターに乗った。絶叫マシンが苦手な力石にとっては大きな挑戦で、会見では試合前よりも緊張したが楽しかったと語り、この合宿で一番頑張ったのは絶叫マシンに乗ったことだと話した。

世界戦の敗戦から左肩手術、そして再起のKO

なぜ合宿の収穫が「外国人へのコンプレックス」の話になるのか。

答えは、この1年半の歩みにある。力石は2025年5月28日、横浜BUNTAIでエドゥアルド・ヌニェス(メキシコ)とIBF世界スーパーフェザー級王座決定戦を戦い、判定で敗れた。プロ初の世界挑戦だった。その後は左肩の手術を受け、リングから離れる時間が続く。

復帰のリングは2026年4月13日の後楽園ホールだった。フィリピンのリト・バデナスを8回KOで下し、戦績は17勝(12KO)2敗となった。11月5日のインタビューでは、本当ならヌニェスともう一度戦いたかった、ヌニェスには王者のままでいてほしかったとも口にしている。

一方で、外国人選手に勝てなかったわけではない。2024年3月にはイタリアに乗り込み、地元のマイケル・マグネッシとのWBC世界スーパーフェザー級挑戦者決定戦で12回TKO勝ちを収めた。敵地で勝った経験がありながら、世界戦での1敗は外国人選手への引け目として残っていた。ロサンゼルスでの3週間は、その思いを消す時間になった。

力石は三重県鈴鹿市出身のサウスポー。2017年7月にプロデビューし、2022年5月に東洋太平洋スーパーフェザー級王座を獲得、その後WBOアジアパシフィック同級王座も手にした。2024年7月に緑ジムから大橋ジムへ移籍している。9月29日の会見時点で、WBA世界スーパーフェザー級5位にランクされていた。

11月26日の相手はフィリピンのメルチョル・ロダ

11月26日の興行は、大橋ジム主催の「NTTドコモ presents Lemino BOXING ダブル世界タイトルマッチ」。力石はアンダーカードで、メルチョル・ロダ(29)=フィリピン=と8回戦を戦う。タイトルの懸からない一戦だが、世界再挑戦を目指す力石にとっては内容も問われる試合となる。

ロダは2015年にプロデビューしたオーソドックス(右構え)の選手。2025年4月5日には後楽園ホールで元IBF世界スーパーフェザー級王者の尾川堅一(帝拳)と10回戦を戦った。4回から腹部をかばうようになり、5回終了後のインターバルで棄権してTKO負けを喫している。

力石は9月29日の会見で、前回は動きが硬かったと振り返り、早いラウンドで倒すと宣言した。「サクッと」倒して、きれいな顔のまま兄をサポートしたいという言葉には、同じ日に兄の試合も控えている事情がある。いつも兄の試合ではセコンドにつくといい、兄が試合をするほうが緊張すると明かした。

世界戦については、簡単に世界戦が組める階級ではないと認めたうえで、いつチャンスが来てもいいように準備していると話した。11月5日のインタビューでも、世界戦への思いと前半での決着への意欲を語っている。

兄・矢吹正道は3度目の防衛戦、兄弟の共演は9年ぶり

メインイベントは、矢吹正道のIBF世界フライ級タイトルマッチ12回戦だ。挑戦者は同級1位のミエル・ファハルド(26)=フィリピン=で、14勝のうち12KOを挙げている。

関連記事:矢吹正道の次戦は11月26日、ファハルドと3度目の防衛戦 ダブル世界戦はLeminoプレミアムで午後3時30分から独占生配信

矢吹は2025年3月にIBF世界フライ級王座を獲得して2階級制覇を果たし、2025年12月27日の初防衛戦ではフェリックス・アルバラード(ニカラグア)に12回KO勝ち。2026年6月6日の2度目の防衛戦ではレネ・カリスト(メキシコ)を3-0の判定で退けた。9月29日の会見では、素晴らしい舞台で試合ができることへの感謝を述べ、危ない試合になると思うが勝ち切って大きな試合につなげたいと語った。弟には勝って自分のサポートをしてほしいとも話している。

兄弟が同じ興行のリングに立つのは2017年11月以来で、9年ぶりとなる。力石はKOで勝って兄をサポートし、当日は全員で勝って笑いたいと意気込んだ。

セミファイナルでは、WBA世界ミニマム級王者の石井武志(26)=大橋=が初防衛戦に臨む。このほか、元WBO世界バンタム級王者の武居由樹(大橋)の8回戦や、プロ3戦目の藤木勇我(大橋)が挑むWBCユース・ライト級王座決定戦、和田まどか(DANGAN)の試合も組まれた。

関連記事:石井武志、初防衛戦の相手は11位メデシロに決定 9戦全勝5KOのフィリピン人と11月26日

関連記事:和田まどか、11月26日のWBA女子アトム級挑戦者決定戦へ会見 相手はナムポンに変更「倒して勝ちたい」

興行はLeminoプレミアムで独占生配信され、配信開始は午後3時30分の予定だ。力石とロダの試合の開始時刻は発表されていない。ロサンゼルスで手にした自信を、力石は兄と同じリングで結果に変えにいく。

[文/構成 by スポーツ担当ライター 久遠(KUON)]

寄稿者

久遠(KUON)
WEBライター(主にスポーツ記事)経験7年。スポーツ、格闘技が好きで、ボクシング世界チャンピオンが主宰するジムに4年間在籍。自分でも練習を重ね、”3分”の過酷さと濃さを体で知る。観戦もライフワークで、会場には年4回ほど足を運ぶ。選手目線の実感とファン目線の熱量、その両方を武器に、試合の見どころやリングのリアルをライター経験を活かしてわかりやすく伝えます。

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