佐田の海、九州場所は西十両11枚目 4場所連続負け越しから巻き返しへ、熊本県出身39歳

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熊本県出身で境川部屋の佐田の海(39)が、大相撲九州場所(11月8日初日、福岡国際センター)を西十両11枚目で迎える。今年は5場所すべてを十両で取り、3月場所から4場所連続の負け越し。「エリートでも有望でもない自分は泥臭くやるしかない」と話し、師匠の境川親方(元小結両国)にとって最後となる九州場所へ稽古を重ねる。
西十両11枚目、ご当所の九州場所へ
日本相撲協会が10月26日に発表した九州場所の番付で、佐田の海は西十両11枚目に名を連ねた。協会公式の出身地は熊本県熊本市東区。九州で開かれる唯一の本場所は、本人にとってご当所となる。
かつては西前頭筆頭まで上がり、三役を目前にした相撲巧者だ。それでも今年は1月場所から9月場所まで5場所すべてを十両で取り、11月場所で6場所目を迎える。番付を下げ続け、幕下との境目が近づいてきた。
本人は番付への意識を隠さない。「番付を意識をしないと言ったら噓ですよ。でも、意識しすぎて相撲が消極的にならないようにしないといけない」。場所前は関取の座を目指す幕下力士らとの申し合い稽古に加わり、投げられる場面もありながら番数を重ねてきたという。
本人は「エリートでも有望でもない自分は泥臭くやるしかない」とも話している。
年齢とともに体の硬さも変わってきた。本人は「下半身のブリキ化」を避けるための試行錯誤を続け、「余計なことを考えている暇がない」と打ち明ける。
入門時は体重80キロ台、後輩に先を越された下積み
「エリートでも有望でもない」という自己評価には、入門からの歩みが重なる。
佐田の海は1980年代に活躍した元小結・佐田の海(出羽海部屋)の長男だ。父の影響で力士を目指し、中学を卒業してすぐの15歳で、父の弟弟子にあたる境川親方の部屋に入門した。初土俵は2003年3月場所。日本相撲協会の力士アンケートでも、相撲を始めた年齢は「15歳」と答えている。
入門時の身長は180センチあったものの、体重は80キロそこそこだった。後から入門した豪栄道、妙義龍、豊響ら高校相撲などで実績を残してきた力士に、番付で先を越される。三段目優勝、幕下優勝と少しずつ地位を上げ、2010年7月場所で新十両に昇進した。
だが、その先も平坦ではなかった。
2011年9月場所の千秋楽で右足首を脱臼骨折し、翌11月場所は全休。十両から落ち、幕下で豪栄道の付け人やちゃんこ番を務める日々が約2年続いた。このころ、父から電話で「ちゃんとやっていれば部屋の強い力士に追いつける。心配するな」と励まされたという。中学生のときにビデオで見た父の取り口も思い出しながら、出足を重視した相撲へ切り替えていった。
2014年1月場所で約2年ぶりに十両へ戻ると、2場所で新入幕を決める。2014年5月場所の新入幕は、史上8組目の親子幕内となった。父も1980年の九州場所で新入幕を果たし、初日から9連勝して敢闘賞を受けている。
境川親方は新入幕の記者会見で「お父さんから15歳の彼を預かった時から、男の約束だった。けがしても地道に稽古していた」と語っていた。
幕内60場所、敢闘賞3回の通算成績
日本相撲協会の公式記録では、11月場所時点の通算成績は794勝829敗22休(141場所)。幕内在位は60場所で、415勝480敗5休を残している。
| 項目 | 記録(日本相撲協会公式、11月場所時点) |
|---|---|
| 初土俵 | 2003年3月場所 |
| 新十両 | 2010年7月場所 |
| 新入幕 | 2014年5月場所 |
| 最高位 | 前頭筆頭 |
| 幕内在位 | 60場所 |
| 各段優勝 | 十両1回、 |
| 三賞・金星 | 敢闘賞3回、 |
敢闘賞は新入幕の2014年5月場所、優勝争いに加わり準優勝となった2022年5月場所(11勝4敗)、そして38歳で迎えた2025年5月場所(10勝5敗)で受けた。30代後半になってからも幕内で2桁白星を挙げている。
金星は東前頭3枚目だった2015年5月場所に挙げ、この場所を8勝7敗で勝ち越して、翌7月場所に自己最高位の西前頭筆頭へ上がった。三役の座には、あと一歩届かなかった。
ところが2025年は7月場所から3場所続けて負け越し、西前頭16枚目の11月場所は4勝11敗に終わった。2026年は十両で再出発することになる。
1月の勝ち越しのあと、4場所続けて負け越し
2026年の成績は次のとおりだ(日本相撲協会公式の星取表、11月6日時点)。
| 場所 | 番付 | 成績 |
|---|---|---|
| 1月場所 | 東十両4枚目 | 9勝6敗 |
| 3月場所 | 西十両筆頭 | 7勝8敗 |
| 5月場所 | 東十両2枚目 | 7勝8敗 |
| 7月場所 | 西十両2枚目 | 5勝10敗 |
| 9月場所 | 東十両5枚目 | 3勝12敗 |
| 11月場所 | 西十両11枚目 | 11月8日初日 |
1月場所は9勝6敗で勝ち越し、3月場所は西十両筆頭まで上がって幕内復帰に手が届く位置にいた。そこから7勝8敗が2場所続き、7月場所は5勝10敗、9月場所は3勝12敗と白星が減っていく。
9月場所12日目の9月24日には、関取最年長の玉鷲(41)と対戦した。2人の年齢を足すと80歳になる一番で、佐田の海は押し出されて敗れている。
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十両は東西14枚目までしかなく、西十両11枚目から幕下までの枚数は残り少ない。九州場所の15日間は、関取の座を守る戦いにもなる。
師匠・境川親方の最後の九州場所
九州場所の期間中、境川部屋は福岡県大野城市に宿舎を構える。長崎県出身の境川親方を応援しようと、宿舎には鮮魚をはじめ多くの差し入れが届くという。佐田の海は「ここ数年は太り過ぎる。九州場所だけは体重をコントロールして絞らないと」と話す。
その境川親方は来年7月に65歳となり、日本相撲協会の定年を迎える。師匠として臨む九州場所は今年が最後だ。
申し合い稽古では、佐田の海も境川親方から「負けたときほど元気出していかんかい」と叱咤されてきた。一方で、相撲に打ち込む佐田の海の姿勢については「自分に厳しく、トレーニングを含めてよくやっている。『少し抜け』と言っているくらい」と評価する。
境川部屋には、長崎県平戸市出身の幕内・平戸海もいる。
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入門から23年。佐田の海は「いつだって師匠に良い姿を見せたい。家で過ごした年数より、部屋で過ごした年数の方が長い。親に育ててもらった時間より、親方に育ててもらった時間の方が断然長いんだから」と語った。
熊本で過ごした1年と、福岡の声援
熊本市で暮らしたのは、中学時代の約1年に限られる。2025年の九州場所前には、その1年間が「すごく濃くて、周りの友達にも恵まれて、すごく楽しく過ごしたのが熊本市だった」として、熊本市を出身地にしている理由を明かしていた。
どの場所でも土俵に立つ気持ちは変わらないという佐田の海だが、福岡での声援はひときわ大きい。「ありがたいですよ。良い相撲を取ったときの拍手には身が震えるような感覚があるので、また頑張れる」と話し、その拍手を何回も味わいたいから簡単にはやめられない、とも続けた。
幕内60場所を重ねたベテランが、師匠の最後の九州場所を西十両11枚目で迎える。初日は11月8日、千秋楽は11月22日だ。
[文/構成 by スポーツ担当ライター 疾風(HAYATE)]














































































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