平戸海、秋巡業で幕内最多の17番 九州場所へ「九州では10番勝ちたい」

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大相撲の秋巡業2日目が10月7日、神奈川県海老名市の海老名運動公園総合体育館で行われ、長崎県平戸市出身の平幕・平戸海(26=境川)が関取衆の申し合い稽古で幕内最多の17番を取った。翔猿を寄り切るなど12勝5敗。ご当所の九州場所(11月8日初日・福岡国際センター)では2年続けて4勝11敗に終わっており、「九州では10番勝ちたい」と巻き返しを誓った。
海老名巡業で17番、翔猿を寄り切るなど12勝
秋巡業は10月6日の茨城県つくば市で始まり、海老名は2カ所目の会場だった。巡業が始まったばかりで、四股やすり足など体づくりから入る力士が多いなか、平戸海は相撲を取る稽古を再開した。豪ノ山や翔猿らを相手に土俵に上がり続け、17番は幕内で最も多い番数。低く鋭い立ち合いから前へ出る持ち味を見せ、12勝5敗の内容となった。
もっとも、全勝だったわけではない。地元・神奈川県大磯町出身の湘南乃海は、自身の最初の一番で平戸海を寄り切っている。193センチ、180キロの圧力に押し切られた一番もはさみながら、番数を重ねた17番だった。
稽古後、平戸海は「久しぶりに相撲を取った。やるときは番数をとっていきたい」とうなずいた。「思ったより(申し合い稽古に加わる)人が少なくて連続だったので、スタミナを持っていかれた。20番くらいいったと思った」とも話し、苦笑いも見せている。けがをしないよう気をつけながらの再開で、体にはしっかり負荷がかかったようだ。
同じ申し合いでは、東前頭14枚目の翔猿も12番取った。秋場所は4勝11敗で、九州場所では2020年名古屋場所以来の十両転落が濃厚。それでも巡業2日目から積極的に土俵に上がり、「1場所で幕内に戻りたい」と話している。
九州場所は2年連続4勝11敗、今年の勝ち越しは2場所だけ
平戸海が10勝にこだわる理由は、数字を見るとわかる。
日本相撲協会の公式記録によると、平戸海の九州場所は2024年が西前頭筆頭で4勝11敗、2025年も東前頭3枚目で4勝11敗だった。長崎県出身の平戸海にとって、福岡で開かれる九州場所はご当所の場所にあたる。その舞台で2年続けて大きく負け越した。
2026年の成績も波があった。1月の初場所は東前頭6枚目で9勝6敗。3月の春場所と5月の夏場所はいずれも東前頭3枚目で7勝8敗と、わずかに負け越す。7月の名古屋場所は東前頭3枚目で4勝11敗に沈み、9月の秋場所は西前頭8枚目まで番付を下げて9勝6敗と立て直した。
「今年は勝ち越しも初場所と秋場所だけであまりよくない。九州では10番勝ちたい」。平戸海は自分の1年をそう振り返り、11月への思いを口にした。「そろそろ勝ち越したい。稽古して自信を付けるしかない」とも語っている。
秋場所の9勝6敗で勝ち越しを決めたため、九州場所の番付は西前頭8枚目から上がる見通しだ。番付は10月26日に発表される。
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平戸市出身の26歳、最高位は小結
平戸海は2000年4月20日生まれ、長崎県平戸市の出身。本名は坂口雄貴で、6歳で相撲を始めた。平戸市立中部中学校を卒業して、猛稽古で知られる境川部屋(師匠は元小結・両国の境川親方)に入門し、2016年3月の春場所で初土俵を踏む。
2021年11月の九州場所で新十両に昇進し、2022年9月の秋場所で新入幕を果たした。上位へ駆け上がったのは2024年だった。初場所は西前頭8枚目で8勝7敗、春場所は西前頭4枚目で9勝6敗、夏場所は東前頭2枚目で9勝6敗と3場所続けて勝ち越し、7月の名古屋場所で西小結に昇進する。この新小結の場所で10勝5敗を挙げ、技能賞を受けた。最高位はこの小結だ。
ただ、三役の座は長く続かなかった。翌9月の秋場所は西小結で7勝8敗と負け越し、11月の九州場所は西前頭筆頭で4勝11敗。九州場所では2022年に西前頭16枚目で10勝5敗、2023年に西前頭11枚目で9勝6敗と勝ち越しており、ご当所で苦しむようになったのは番付が上位に上がってからだった。178センチ、142キロと幕内では大きくない体で、突き・押し、右四つからの寄りを得意とする。協会の集計では、直近6場所の白星の決まり手の半分が寄り切りだった。
幕内では25場所で186勝189敗(2026年秋場所千秋楽時点)。2025年12月1日に長崎県佐世保市であった冬巡業では、母や小中学校時代の恩師が見守るなか、横綱・豊昇龍に2連勝するなど計10番を取った。「歓声が大きくて楽しくできた。横綱と地元で取れて良かった」と喜び、来年に向けて「三役に戻りたい」と話していた。師匠で当時巡業部長だった境川親方も「地元への恩返しになる」と目を細めた。九州で勝ちたいという言葉には、こうした地元の応援も重なる。
大の里は結びで霧島に勝利、豊昇龍は10日の松本から合流の可能性
海老名での巡業は、海老名市の市制55周年を記念して開かれた。103人の力士が参加し、会場には約3700人が詰めかけて満員御礼となる。初切(しょっきり)や土俵入りのあと、結びの一番では秋場所で優勝した横綱・大の里が大関・霧島を下手投げで破り、会場がわいた。
大の里は秋場所の千秋楽で、大関・安青錦との相星決戦を制して1年ぶりの優勝を手にした。巡業初日のつくば市では横綱土俵入りを披露しており、10月12日の金沢市、13日のかほく市では地元・石川県での巡業が控える。
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その安青錦は左足のけがを抱え、海老名では四股などの基礎運動で汗を流した。「稽古して強くなるしかない」と、九州場所での雪辱を口にしている。東前頭2枚目の高安は申し合いに加わらず、全体の稽古が終わってから1人で20分以上四股を踏んだ。
もう1人の横綱、豊昇龍は秋巡業を初日から休場している。右ひざの靱帯を修復する手術を受けて秋場所を全休しており、10月5日には「8日の病院の結果次第で、問題なかったら10日の松本から参加すると思う」と話していた。
秋巡業は10月8日の埼玉県狭山市、9日の秩父市と関東を回ったあと、10日の長野県松本市を経て、11日の富山県射水市から北陸へ向かう。16日の京都市、17日の大阪市から西へ進み、24日の広島市を経て、25日の山口県宇部市まで全19カ所を回る。九州場所が終わると、12月3日には平戸海の地元・長崎県の長崎市でも冬巡業が開かれる予定だ。平戸海は相撲を取る稽古を始めたばかり。このあと番数をどこまで積み、どんな状態で福岡に乗り込むのか。2年続けて4勝11敗だった場所で、10勝という目標が試される。
[文/構成 by スポーツライター 疾風(HAYATE)]










































































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