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女子4×1500mリレー日本記録、岩谷産業が17分20秒12 塩見綾乃・小山愛結・児玉彩花・長谷川麻央

女子4×1500mリレー日本記録、岩谷産業が17分20秒12 塩見綾乃・小山愛結・児玉彩花・長谷川麻央

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン

女子4×1500mリレーで、岩谷産業が17分20秒12をマークし、主催者の日本実業団陸上競技連合が日本新記録と発表した。11月1日に神奈川県平塚市のレモンガススタジアム平塚で行われた記録挑戦競技会で、塩見綾乃、小山愛結、児玉彩花、長谷川麻央の4人がバトンをつないだ。1996年の記録を1分以上更新し、出場した3チームがそろって従来の記録を上回った。

岩谷産業が17分20秒12、旧記録を1分11秒短縮

大会の正式名は「女子4×1500mリレー記録挑戦競技会」。日本実業団陸上競技連合と日本学生陸上競技連合が主催し、平塚市が共催した。大会要項では11月1日14時30分の開始と定めており、出場は岩谷産業、実業団選抜、学生選抜の3チームだった。

岩谷産業は1走に塩見を置き、小山、児玉とつないで、アンカーの長谷川がトップでフィニッシュした。記録は17分20秒12。これまでの記録は、1996年5月26日の茨城県リレー選手権で日立がマークした18分31秒18で、差は1分11秒06に上る。

記録を単純に4で割ると、1人あたりの1500mは平均約4分20秒になる。区間ごとのタイムは、主催者が11月1日に公表した結果には載っていない。

主催者の日本実業団陸上競技連合は、3チームの記録をいずれも「アジア新記録相当、日本新記録」と発表した。アジア記録は、競技場が世界陸連のクラス認定(クラス2)を受ける手続きと、アジア陸連の承認を経て正式な記録になる。そのため主催者は「相当」という表現にとどめている。大会要項は表彰式を行わない一方、アジア記録に相当する記録を出したチームには副賞を贈ると定めていた。

実業団選抜と学生選抜も旧記録を上回る

2位以下の結果も含めた3チームの記録と走順は次のとおりだ。

順位チーム記録走順(1走→4走)
1位岩谷産業17分20秒12塩見綾乃→小山愛結→児玉彩花→長谷川麻央
2位実業団選抜17分40秒44穂岐山芽衣(ATHTRACK AC)→真也加ジェルーシャ有里(大塚製薬)→坂尻有花(ワコール)→朝日春瑠(クラフティア)
3位学生選抜17分47秒39相場茉奈(大東文化大)→太田垣楓華(園田学園大)→遠藤瑞季(大阪学院大)→篠田心晴(筑波大)

実業団選抜は岩谷産業から20秒32遅れ、学生選抜はそこからさらに6秒95差で続いた。3位の学生選抜でも旧記録より43秒79速い。実業団選抜は日本実業団陸上競技連合が日本ランキング上位の選手から、学生選抜は日本学生陸上競技連合が別に定めた方法で選手を選んで編成した。

単独の企業チームが、実業団の各チームから選手を集めた選抜チームに20秒以上の差をつけた。一つのチームで1500mを走れる選手を4人そろえた岩谷産業の層の厚さが、この数字に表れる。

4人が1500mずつ、合計6000mをつなぐ種目

4×1500mリレーは、4人が1500mずつ走り、合計6000mをバトンでつなぐ。トラックで行う中距離のリレーで、短距離の4×100mや4×400mと違い、国内で走る機会は少ない。男子の日本記録は2002年6月23日に神奈川県小田原市の実業団・学生対抗で学生チームが出した15分19秒33で、日本陸上競技連盟の日本記録一覧に載っている。

競技注意事項によると、レースは1走からレーンの区別をしないオープンレーンで行い、バトンの受け渡しは基準線をはさむ20mの区間(テイク・オーバー・ゾーン)でする。最終走者が残り1周になった時点で鐘が鳴る。正式記録はチームの合計タイムだけで、400mごとの通過や1500mごとの区間記録は参考として計測する場合がある、と定めていた。

大会要項は、この種目を世界陸連の世界ランキングのポイント対象(カテゴリーF)と位置づけた。アジア記録に相当する記録が出た場合は、当日中にドーピング検査の対象になる可能性があることも、注意事項に記されていた。

旧記録の18分31秒18は、世界陸連が公開する日本の国別記録の一覧にも載っており、日付は1996年5月26日となっている。

塩見綾乃はアジア大会800mで5位、長谷川麻央と同じ高校の出身

1走の塩見綾乃は、800mを専門とする中距離の選手だ。京都文教高等学校3年だった2017年のインターハイ800mを2分02秒57の高校新記録で制し、立命館大学を経て岩谷産業へ進んだ。2022年の日本選手権女子800mで優勝し、2026年6月の日本選手権でも2位に入った。9月29日に行われた名古屋アジア大会の女子800m決勝では、2分05秒76で5位に入っている。2018年のジャカルタ大会、2022年の杭州大会(2023年開催)に続き、アジア大会の800mは3大会続けて5位。同じ決勝を走った久保凛(積水化学)は2分05秒46の4位で、メダルまで0秒12だった。

アジア大会から約1か月。800mのスピードを持つ塩見が1走を務め、2走の小山へバトンを渡した。

アンカーの長谷川麻央も京都文教高等学校の出身。京都教育大学を卒業し、2026年4月に岩谷産業へ加わった。高校3年だった2021年のインターハイ800mで6位に入り、大学では1年だった2022年の日本選手権で7位に入り、日本インカレでも4年続けて入賞した。日本学生個人選手権800mは2023年に優勝し、2024年は2位だった。自己ベストは800mが2分05秒53、1500mが4分19秒44だ。

3走の児玉彩花は愛知県出身で、光ヶ丘女子高等学校を卒業して2026年4月に入社した。高校3年の2025年はインターハイ800mで8位に入り、1500mにも出場した。1500mの自己ベストは4分18秒26。高校を出て1年目のシーズンに、日本記録の3走を務めた。

2走の小山愛結は、駅伝でもチームを支える。2024年11月24日のクイーンズ駅伝では4区を走り、9位の順位を守って5区へつないだ。チームはこの大会で2時間16分55秒の6位に入り、岩谷産業として過去最高の順位を記録した。

クイーンズ駅伝は11月22日、岩谷産業は予選会4位で出場

岩谷産業の陸上競技部は2017年の創部。廣瀬永和監督が率いる。クイーンズ駅伝では2023年に初めて8位に入り、2024年は6位と過去最高の順位を残した。2026年は予選会から本大会を目指した。

10月18日に福岡県宗像市と福津市で行われたクイーンズ駅伝の予選会(プリンセス駅伝)では、2時間19分26秒の4位で本大会の出場権を得た。この予選会では長谷川が2区(3.6km)を11分27秒の区間2位で走り、小山が4区を担当した。5区(10.4km)では川村楓が34分15秒で区間賞を取っている。トラックで日本記録を出した4人のうち、塩見と児玉はこの予選会を走っていない。

関連記事:クイーンズ駅伝2026の出場チーム、予選会から16チーム プリンセス駅伝はルートインホテルズが1位通過

本大会は11月22日に行われ、シード8チームと予選会を通った16チームの計24チームが出場する。平塚で日本記録を出してから3週間後、岩谷産業はクイーンズ駅伝の本大会に臨む。

[文/構成 by スポーツ担当ライター 南條楓]

寄稿者

南條楓
学生時代に陸上の中距離を続けていたこともあり、記録で勝負が決まる競技に惹かれてスポーツを書くWebライターに。執筆歴は8年。陸上や水泳、体操、フィギュアスケートなど、記録と採点が結果を左右する競技を中心に、国際大会の速報から選手の歩みをたどる記事まで担当してきた。タイムや得点の意味、予選から決勝までの流れを、初めて観る人にも伝わる言葉で書くことを大切にしている。

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