山口翔輝、全日本大学駅伝8区で青学大を逆転 創価大は過去最高の3位で初の表彰台

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
2026年11月1日の第58回全日本大学駅伝で、創価大学が5時間9分28秒の3位に入った。アンカー8区の山口翔輝(3年)は5位でたすきを受け、7.3km付近で駒澤大学、10.1km付近で青山学院大学を抜いて2つ順位を上げた。全日本大学駅伝での創価大の過去最高は2024年の4位で、初めて表彰台に立った。
35秒差を逆転したアンカー山口翔輝の19.7km
レースは愛知県名古屋市の熱田神宮西門前から三重県伊勢市の伊勢神宮内宮宇治橋前までの8区間106.8kmで争われた。創価大は7区のスティーブン・ムチーニ(4年)が区間2位の走りで3人を抜き、5位で最終8区の山口へつないだ。第7中継所の時点で、4位の駒澤大とは27秒、3位の青山学院大とは35秒の差があった。
8区は全区間で最も長い19.7km。山口は5.8km付近で4位を走る駒澤大の新谷倖生(4年)に迫り、その前の青山学院大の鳥井健太(4年)との差も詰めていった。7.3km付近で駒澤大をとらえて4位に上がると、10.1km付近で鳥井もかわして3位へ浮上した。11.8km付近では4位の青山学院大との差はまだ7秒だったが、そこから差を広げ、フィニッシュでは48秒の差をつけていた。鳥井の8区は区間10位の58分43秒、新谷は区間13位の59分48秒。山口は鳥井より1分23秒速く走り、中継時の35秒差を逆に48秒のリードへ変えた。
山口の8区の記録は57分20秒で、國學院大學の髙石樹と並ぶ区間3位。区間賞は早稲田大学の工藤慎作で、56分20秒は8区の日本人最高記録だった。山口は1年前の全日本大学駅伝でも8区を走り、57分53秒の区間6位。同じ区間で33秒縮めたことになる。
榎木和貴監督はアンカーの走りについて、報道によると、山口の力なら3位にぎりぎり届くと見ていたが、想定より早く抜いてくれたと説明した。1年前の大会ではシード権争いの中で守りに入ってしまったとも触れ、今年は最初から「攻めの走り」をしてくれたとたたえた。
3区終了時の11位から5位まで戻した中盤
序盤の創価大は苦しかった。1区の田村幸太(1年)が区間11位、2区の織橋巧(4年)が区間9位、3区の菅野元太(1年)が区間12位で、3区を終えた時点のチーム順位は11位。8位までに与えられる翌年のシード権も危うい位置にいた。
流れを変えたのは4区の小池莉希(4年)だった。主将でエースの小池は区間2位の33分18秒で走り、チームを9位まで押し上げた。小池は10月12日の出雲駅伝でアンカー6区を任されたが、区間10位で順位を3つ落としていた。出雲から約3週間で立て直した。
5区の村上遵世(1年)は区間8位で8位に上げ、6区の榎木凜太朗(3年)は区間6位で8位を守った。7区のムチーニは17.6kmを50分48秒で走り、区間賞の日本大学のシャドラック・キップケメイに次ぐ区間2位。ここで3チームを抜いて5位となり、山口にたすきを渡した。
創価大の区間ごとの記録は次のとおりだ。
| 区間(距離) | 走者 | 区間タイム・区間順位 | 中継時のチーム順位 |
|---|---|---|---|
| 1区(9.5km) | 田村幸太 | 27分54秒・ | 11位 |
| 2区(11.1km) | 織橋巧 | 31分57秒・ | 10位 |
| 3区(11.9km) | 菅野元太 | 34分37秒・ | 11位 |
| 4区(11.8km) | 小池莉希 | 33分18秒・ | 9位 |
| 5区(12.4km) | 村上遵世 | 36分16秒・ | 8位 |
| 6区(12.8km) | 榎木凜太朗 | 37分18秒・ | 8位 |
| 7区(17.6km) | スティーブン・ | 50分48秒・ | 5位 |
| 8区(19.7km) | 山口翔輝 | 57分20秒・ | 3位 |
初出場から5大会目でつかんだ3位
創価大が全日本大学駅伝に初めて出場したのは2022年。この年は5位に入り、その後は2023年が6位、2024年が4位、2025年が7位と、毎年8位以内でシード権を手にしてきた。2026年の3位でシード権は5大会連続となり、それまでの最高だった4位を1つ上回った。創価大は2025年10月の出雲駅伝でも過去最高の3位に入っていたが、全日本大学駅伝で表彰台に上がったのは初めてだ。
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チームとしては、2024年の4位を超えることを目標に掲げていた。榎木監督は大会後、3位は目標を達成したという点では喜べる結果だと評価した。一方で、前半の3区までがうまく流れに乗れなかったことを挙げ、区間ごとに見れば調整の失敗や戦略面で課題が残ったと話している。
チームづくりについては、スピードを生かして攻める選手と、我慢強く走る選手に分けて鍛えてきたという。単独で走る場面でも力を出し切る走りにつながったとし、「地道な足づくり」を一歩ずつ続けてきた成果が少し出てきたと手応えを口にした。小池も、3位はチームの総合力が上がってきた表れだと話した。
大牟田高校から創価大へ、山口翔輝の歩み
山口は福岡県の大牟田高等学校の出身。高校時代は福岡県高校駅伝の3区で区間賞を取り、3年生だった2023年12月の全国高校駅伝(都大路)でも3区を走り、23分32秒の区間4位だった。中学生の頃から都大路と箱根駅伝を走ることを目標にしていたという。
創価大では2年生だった2025年度に三大駅伝のすべてを走った。10月の出雲駅伝は5区で区間4位となり、チームは3位。11月の全日本大学駅伝ではアンカーを任され、8区区間6位でチームは7位だった。その翌週には世田谷246ハーフマラソンで61分46秒をマークして優勝している。
だが、期待を受けて4区に起用された2026年1月の箱根駅伝は区間15位に終わった。チームは8位でシード権を確保したものの、山口にとっては悔しい結果となる。2026年2月には延岡西日本マラソンで初めてのマラソンに挑んだ。
3年生となった今季は、10月の出雲駅伝で5区を走って区間6位。大会後には、距離が伸びる全日本大学駅伝で得意の区間を走り、順位の押し上げに貢献したいとコメントしていた。その言葉どおり、19.7kmの8区で2つ順位を上げた。
優勝は早稲田大、2位は國學院大
総合優勝は早稲田大学で、5時間3分31秒の大会新記録だった。16年ぶり6度目の優勝で、2位は5時間7分5秒の國學院大學。創価大は早稲田大から5分57秒遅れの3位で、4位の青山学院大学は5時間10分16秒だった。5位の中央大学と6位の駒澤大学は同じ5時間11分29秒でフィニッシュしている。
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上位の顔ぶれは次のとおり。
| 順位 | 大学 | 総合タイム | 8区の走者 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 早稲田大学 | 5時間3分31秒 | 工藤慎作 |
| 2位 | 國學院大學 | 5時間7分5秒 | 髙石樹 |
| 3位 | 創価大学 | 5時間9分28秒 | 山口翔輝 |
| 4位 | 青山学院大学 | 5時間10分16秒 | 鳥井健太 |
| 5位 | 中央大学 | 5時間11分29秒 | 藤田大智 |
| 6位 | 駒澤大学 | 5時間11分29秒 | 新谷倖生 |
榎木監督は、早稲田大には実力の差を見せつけられたと認めている。そのうえで、10区間でハーフマラソン以上の距離を走る箱根駅伝は別物だとし、創価大の強さを見せたいと話した。
箱根駅伝へ、目標は区間ごとのチーム最高記録の合計
次の舞台は2027年1月2、3日の箱根駅伝。創価大は各区間のチーム最高記録を合計した10時間41分58秒を更新することを目標に掲げている。榎木監督は、それぞれの選手が過去の先輩たちの記録を超えられれば優勝争いに加われると見通しを語った。
小池は箱根駅伝で区間賞と区間新記録を取ると宣言した。全日本大学駅伝の8区で2人を抜いた山口が、箱根でどの区間を任されるのか。1月の4区で喫した区間15位の雪辱を果たせるかどうかも、創価大の順位を左右する。
[文/構成 by スポーツ担当ライター 南條楓]








































































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