丹羽涼介、ソフトバンク育成1位で指名あいさつ 美容師と迷った市立和歌山高の右腕、支配下登録目指す

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
ソフトバンクから育成ドラフト1位で指名された和歌山市立和歌山高等学校の丹羽涼介投手(17)が10月30日、和歌山市内の同校で球団の指名あいさつを受けた。報道によると、最速150キロ台の右腕は「球団を代表する投手になりたいと思っています」と話した。一時は美容師の道に傾きながら、プロ志望届を出して育成1位で指名された3年生だ。
10月30日、担当スカウトが学校を訪問
指名あいさつは10月30日、和歌山市の和歌山市立和歌山高等学校で行われた。報道によると、球団からは担当の稲嶺誉アマスカウトが訪れている。稲嶺スカウトは夏の和歌山大会での投球を視察しており、本人から「この夏は(調子を)上げてきた」と聞いていたと明かし、「持っているものはやはり、すごいと思いました」と素材を評価した。
丹羽は球団から評価を伝えられたことについて、ホッとしていると話し、素直にうれしいと続けた。日本シリーズはテレビで見ていたという。ソフトバンクの戦いぶりには、チャンスに強い打者がいて、投手は抑えなければいけない場面で抑えると感じたそうで、「すごいな、勝負強いなと思いました」と印象を語った。
自分の課題も口にしている。高校では「良い時と悪い時の波が激しい」傾向があったと振り返り、「それを乗り越えて成長していきたいと思います」と話した。
ソフトバンクはドラフト会議の育成選手選択会議で、最初に丹羽の名前を呼んだ。球団は寸評で、ストレートの強さと曲がりの遅いスライダーを魅力に挙げ、「伸び代に期待の素材型投手」と紹介している。183センチ、77キロ。右投げ右打ちで、読みは「にわ・りょうすけ」。
美容師とプロ野球で揺れた進路
ここまでの道は一直線ではなかった。
丹羽は2009年2月10日生まれ、和歌山市出身。名草小学校1年のときに名草少年野球団で野球を始め、小学4年から投手を務めた。明和中学校時代は硬式の紀州ボーイズでプレーし、3年春に全国大会準優勝を経験している。市立和歌山高では1年春からベンチに入った。
名前が全国に知られたのは2年春、2025年3月の第97回選抜高校野球大会だ。背番号11で臨んだ3月19日の1回戦で、のちに大会を制する横浜と対戦。横浜の織田翔希と投げ合い、6回2/3を1失点にまとめた。試合は2―4で敗れたが、2年秋からはエースナンバーの背番号1を背負う。
ところが、心は揺れていた。報道によると、1年生の冬、ボールを触らない時期にしんどい練習が続き、野球への気持ちが冷めかけたころ、友人から「美容師に来いよ」と誘われたのが美容師に興味を持ったきっかけだった。進路のアンケートには「まだ野球を続けるかわからない」と書き、専門学校の欄に丸を付けていたという。
3年生の春になっても答えは出なかった。2026年4月3日に奈良県内で始まった侍ジャパンU-18日本代表候補の強化合宿に参加し、初日のシート打撃では打者9人を無安打、3奪三振に抑えた。それでも進路については、まだしっかり悩みたいと話していた。
最後の夏は、第108回全国高校野球選手権和歌山大会の準々決勝で智弁和歌山に0―2で敗れた。丹羽は9回126球を投げ切り、6安打2失点、3奪三振の完投だった。智弁和歌山はこの夏、甲子園で全国制覇を果たしている。報道によると、試合後には、プロ野球は誰でも行ける場所ではないが、美容師にも興味があると胸の内を明かしていた。
それから約1カ月悩んだ末に、丹羽は8月29日付で和歌山県高校野球連盟にプロ志望届を出した。報道によると、ドラフトまでに11球団から調査書が届いていた。
ドラフト当日は校内で待機、グラウンドで胴上げ
10月22日のドラフト会議当日、丹羽は午後4時半ごろから同校で中継を見守った。報道によると、指名が分かったのは午後7時半過ぎ。グラウンドではチームメートや保護者が待っており、花束が贈られ、胴上げで祝福を受けた。
丹羽は、選ばれてほっとしていると話し、ソフトバンクにはいい投手が多いという印象を口にした。そのうえで、まずは体をしっかり作り、直球だけでなく変化球でも打者を翻弄できる投手になりたいと抱負を語った。前主将の有本悠真は「日本を代表する投手になってほしい」とエールを送り、大学で野球を続ける自分も丹羽を励みにしたいと話した。
ソフトバンクは10月22日のドラフト会議で支配下9人、育成15人の計24人を指名した。支配下の1位は青山学院大学の鈴木泰成。育成では丹羽に続き、2位で敦賀気比高等学校の管田彪翔を指名している。
関連記事:管田彪翔と村雲脩吾、敦賀気比高等学校から育成2位と14位 そろって支配下登録を目指す
同じ10月30日には、6位で指名された柳川高等学校の小坪碧人も福岡県の同校で指名あいさつを受けた。
関連記事:小坪碧人、ソフトバンク6位で指名あいさつ 柳川高から直接の支配下指名は94年の川口憲史以来32年ぶり
監督が比べた先輩・小園健太との違い
和歌山市立和歌山高等学校は、和歌山市六十谷にある市立の高校で、プロ野球選手を送り出してきた。2021年のドラフト会議では、投手の小園健太がDeNAから、捕手の松川虎生がロッテから、ともに1位で指名された。同じ高校のバッテリーがそろって1位指名を受けた例として、当時大きく報じられている。
その小園と丹羽を、半田真一監督はどう見ているのか。
報道によると、半田監督は「タイプは違うが、投球術を含めて完成していたのは小園。素材は丹羽のほうがある。球速も、もっと出ると思います」と話した。半田監督によると、丹羽は体力づくりにあまり興味がないのに、あれだけの球を投げられるという。専門的な知識と時間をかけた体づくりがかみ合ったときの丹羽を「見てみたい」とも話した。
丹羽は半田監督から「プロに行ける素質がある」と見込まれて、市立和歌山高に進んだ。指名当日には「素材は素晴らしいものをもっている。野球と向き合い心身ともに成長していけばプロの世界で活躍できると思っている」と送り出している。
3桁の背番号から始まる育成契約
育成選手は、支配下選手とは別の枠で契約する選手だ。背番号は3桁で、1軍の公式戦には出られない。主に2軍や3軍の試合で経験を積み、球団が支配下選手として登録すれば2桁以下の背番号に変わり、1軍のマウンドに立てるようになる。支配下選手は1球団70人までと決まっており、シーズン中に支配下へ登録できるのは毎年7月31日までだ。
ソフトバンクは2軍の下に3軍以下のチームも持ち、育成から主力に育った選手も多い。千賀滉大や甲斐拓也、牧原大成らは育成選手として入団し、支配下登録を勝ち取って1軍の戦力になった。2軍の本拠地は、福岡県筑後市のHAWKSベースボールパーク筑後にある。
報道によると、ドラフト当日の丹羽は、早く支配下登録を勝ち取りたいとも話している。半田監督も「育成指名からのスタートとなるが、支配下登録を勝ち取ってほしい」と期待を寄せた。
目標とする選手には、ドジャースの山本由伸を挙げる。美容師の道を考えた17歳は、3桁の背番号を背負って筑後で体づくりから始め、支配下登録と1軍のマウンドを目指す。
[文/構成 by スポーツ担当ライター TAKU]













































































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