甲斐拓也が楽天へ金銭トレード 「勝ちに飢えている」と心境

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巨人の甲斐拓也捕手(33)が、金銭トレードで東北楽天ゴールデンイーグルスへ移籍する。10月30日に巨人と楽天の両球団が発表した。2024年オフに国内FA権を行使して巨人入りしてから2年、報道では5年とされる契約の途中での移籍となった。甲斐はジャイアンツ球場で取材に応じ、新天地へ向けて「勝ちに飢えている」と語った。
楽天が発表した金銭トレードの中身
楽天は10月30日、球団公式サイトで「金銭トレードにて、読売ジャイアンツから甲斐 拓也選手を獲得することに合意いたしました」と発表した。交換の選手はいない、金銭だけのトレードだ。トレードの金額は公表されていない。
入団会見は11月3日(火・祝)13時から開かれる。楽天は会見の様子をRakuten TVと楽天イーグルス公式YouTubeでライブ配信すると告知しており、一般の現地観覧は受け付けない。
発表の日は、巨人にとっても節目の一日だった。松井秀喜新監督のもとで秋季キャンプが始まった初日に、トレードが決まったのだ。
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巨人の水野雄仁編成本部長は報道陣に、甲斐には「なかなか出場機会がなかった」と説明した。そのうえで、選手がこれからも活躍できる場をいい形で用意したいと考え、移籍を決めたという。
報道によると、甲斐と巨人の契約は5年総額15億円(推定)で、2029年まで残っていた。巨人がFAで迎えた捕手を契約期間中に放出するのは、2019年に西武から加入し、2021年のシーズン中に金銭トレードで楽天へ移った炭谷銀仁朗以来となる。
「勝ちに飢えている」甲斐が語った2年間
甲斐はトレードを聞いたときの気持ちを「びっくり」と表現し、巨人で出会った人たちとの別れに寂しさもあると打ち明けた。
巨人で過ごした2年間については、「財産になった」と語っている。巨人に来なければ出会えなかったスタッフや選手と同じ空間で野球ができたことへの感謝も口にした。
新天地への思いを問われると、「勝ちに飢えている」と答えた。勝ちたい、野球でたくさん喜びたいと続け、「大変な思いもしたい」とも話している。
一方で、出場機会の少なかった今季を踏まえ、いろいろなものに飢えている、恩返しができればという趣旨の発言も伝えられている。
言葉の裏には、思うように試合に出られなかった2年間がある。
FA移籍から2年、巨人での成績
甲斐は2024年オフ、ソフトバンクから国内FA権を行使して巨人へ移った。12月26日の入団会見では、阿部慎之助監督(当時)が現役時代に着けた背番号「10」を受け継ぎ、移籍の決め手に阿部監督の存在を挙げた。ソフトバンクは2025年1月16日、人的補償として巨人の伊藤優輔投手を迎えると発表している。
1年目の2025年は夏場に右手を骨折して離脱しながらも、68試合で打率.260、4本塁打、20打点を残した。
だが2年目の今季は開幕を2軍で迎えた。6月下旬に初めて1軍へ上がったものの、7月6日に出場選手登録を抹消され、夏場に再び1軍へ戻った。1軍でも先発マスクは少なく、出場は13試合、20打数2安打の打率.100にとどまった。2本の安打はどちらも本塁打で、いずれも試合を決める一打になっている。巨人での2年間の出場は、合わせて81試合だった。5年契約で迎えられた捕手にとって、出場の機会は限られたまま2年目を終えた。
楽天が公表した成績から、直近3年分をまとめた。
| 年 | 所属 | 試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2024年 | ソフトバンク | 119 | .256 | 5 | 43 |
| 2025年 | 巨人 | 68 | .260 | 4 | 20 |
| 2026年 | 巨人 | 13 | .100 | 2 | 2 |
巨人の捕手陣は層が厚い。今季は大城卓三が112試合に出場し、主将の岸田行倫もマスクをかぶった。後半戦は大城や岸田の先発が中心となり、甲斐の出番は限られた。
育成6位から「甲斐キャノン」へ
甲斐は1992年11月5日生まれ、大分県出身。大分県の楊志館高等学校から、2010年の育成ドラフト6位でソフトバンクに入団した。同じ年のドラフトでは、2位の柳田悠岐、育成4位の千賀滉大、育成5位の牧原大成もソフトバンク入りしている。
支配下登録をつかんだのは2013年11月。2014年6月7日の広島戦でプロ初出場を果たし、2017年から正捕手に定着する。身長170センチ、体重87キロ。捕手としては小柄ながら、素早く正確な送球は「甲斐キャノン」と呼ばれるようになった。
プロ通算は今季までで1104試合に出場し、647安打、68本塁打、312打点を記録している(楽天の公表成績)。
名前が全国に広まったのは2018年の日本シリーズだった。広島の走者を相手に、シリーズ新記録となる6連続の盗塁阻止を記録し、育成出身の選手として初めてシリーズMVPに選ばれた。
正捕手に定着した2017年以降のソフトバンクでは、リーグ優勝3度(2017年、2020年、2024年)を経験し、2017年から2020年には4年連続で日本一に輝いた。ゴールデン・グラブ賞は7度(2017〜2022年、2024年)、ベストナインは3度(2017年、2020年、2022年)受けた。日本代表としても2019年のプレミア12、2021年の東京五輪、2023年のWBCに出場し、いずれの大会でも日本は優勝した。
最下位の楽天、捕手陣の事情
楽天の今季は58勝84敗1分けの勝率.408で、パ・リーグ6位だった。来季へ向けた立て直しが急がれる中で、捕手陣にも動きが出ている。
球団は10月29日、捕手の石原彪と大栄利哉を含む6選手と来季の契約を結ばないと発表した。報道によると、今季チーム最多の100試合に出場した太田光は国内FA権を行使する意向を示している。10月22日のドラフト会議では、中日との競合の末に1位で青山学院大の渡部海の交渉権を引き当て、4位でも社会人・東芝の萩原義輝と、2人の捕手を指名した。報道では、捕手陣の層の薄さや、チームを引っ張る司令塔の不在が課題に挙げられていた。
楽天の石井一久GMは30日、仙台で取材に応じ、甲斐を「勝者のメンタリティーを持っている」捕手と評した。捕手はチーム全員の方を向いている立場なので、広い視野でチームを励ましてほしいとの期待も語っている。ドラフト1位の渡部については、背中を見せられる選手が加わることで成長につながるとの考えを示し、甲斐を「頼もしい存在」と表現した。
楽天は来季へ向けてコーチ陣の顔ぶれも入れ替えている。
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甲斐は11月5日に34歳を迎える。ソフトバンクで14シーズンを過ごしたパ・リーグへ、3年ぶりに戻る。最下位からの巻き返しを目指すチームで、経験の浅い捕手や投手とどう向き合うのか。楽天の一員としての言葉は、11月3日の入団会見で聞くことができる。
[文/構成 by スポーツ担当ライター TAKU]













































































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