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末吉良丞に日本ハムが3位の指名あいさつ 2025年夏の甲子園初優勝を支えた沖縄尚学高等学校のエース

末吉良丞に日本ハムが3位の指名あいさつ 2025年夏の甲子園初優勝を支えた沖縄尚学高等学校のエース

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プロ野球ドラフト会議で北海道日本ハムファイターズから3位指名を受けた沖縄尚学高等学校の左腕・末吉良丞(17)が11月2日、那覇市の同校で球団の指名あいさつを受けた。訪れたのは大渕隆スカウト部長と石本努スカウトら。左肘の不調に苦しんだ今年の姿まで見たうえでの指名だと伝えられた末吉は、「誰よりも早く1軍」に上がり、勝てる投手を目指すと語った。

大渕スカウト部長、けがに苦しんだ1年も見て指名

指名あいさつは11月2日午後、沖縄尚学の校内であった。末吉は比嘉公也監督とともに球団関係者を出迎え、話し合いは非公開で行われた。

球団側が末吉に伝えたのは、評価の中身だった。大渕スカウト部長は2025年夏の甲子園優勝について「去年の(甲子園優勝の)活躍は誰もが評価する」と話し、続けて「今年うまくいかないところもしっかり見て」「日本ハムが預かったらどうやっていこうかと考えて」指名したと説明している。結果が出た年だけでなく、けがで思うように投げられなかった年まで追いかけたうえでの3位指名だった。

左肘の不調については、報道によると「長い選手生活の中で、少し寄り道しているだけと判断した」と話した。「パフォーマンスが高いことは証明済み」とも語り、左のパワーピッチャーで変化球もしっかり投げられる点を挙げて、眠っている力を最大化できるよう支援する考えを示した。世代屈指の潜在能力を評価されての指名だった。

面談の後には、栗山英樹CBO(チーフ・ベースボール・オフィサー)のメッセージが入ったドラフト会議の入場パスが末吉に贈られた。

石本スカウト「ローテーションに入ってほしい」

石本努スカウトは、技術面を具体的に挙げた。「制球の質も良いが曲がり球の回転数も」「すごく良い」。直球の力に目が行きがちな左腕について、制球と変化球の回転数まで評価の対象にしていたことが分かる。

求める役割もはっきりしている。石本スカウトは先発ローテーションに入ってほしいと期待を口にし、日本ハムの左投手は年齢が高く、チャンスは大きいとも話したと報じられた。将来のエース、そして先発の一角へ。高卒1年目の投手に向けて、球団は早い段階から先発としての役割を描いている。

日本ハムは10月22日のドラフト会議で、支配下5人のうち投手4人を指名した。1位の菰田陽生(山梨学院高)、3位の末吉、4位の加藤宇(明星大)、5位の岡本翔斗(香里丘高)が同期の投手となる。

関連記事:日本ハム、ドラフト支配下5人中4人が高校生 1位菰田陽生に新庄監督「僕は(1軍に)上げます」

末吉が語った「勝てる投手」と「憧れていた舞台」

あいさつを終えた末吉は、球団関係者と話したことで、ドラフト会議で指名されたという実感が湧いたと明かした。面談で最も印象に残ったのは、プロの舞台に挑戦すると決めたきっかけを聞かれた場面だったという。目標に掲げたのは1軍のマウンドだ。

「誰よりも早く1軍」。末吉はそう意気込み、まずはできるだけ早く1軍の舞台に上がることを目標に置いた。そのうえで「勝てる投手を目指して」やっていきたいと話している。同じ年に支配下で指名された投手が4人いることにも触れ、どの選手にも負けていないという自負があると報じられた。

プロの世界を、末吉は「憧れていた舞台」と表現した。そこへ入っていく立場として、多くの人に夢を与えられる立場になることを自覚しながら野球をやっていきたいとも語っている。

ドラフトの後は、新人合同自主トレーニングに向けて沖縄尚学の野球部の練習に参加しているという。状態は上がっていると説明し、日本ハムについては「一番明るいチーム」という印象を口にしたと報じられた。

2025年夏、日大三との決勝で最後のマウンドに

末吉の名前が全国に広がったのは、2年生だった2025年夏の第107回全国高校野球選手権大会だ。沖縄尚学は同じ2年生の右腕・新垣有絃との継投で勝ち上がり、2人で全6試合を投げ抜いた。8月21日の準決勝では山梨学院と対戦し、末吉と、同じ2年生で山梨学院の背番号1・菰田陽生がともに先発した。試合は沖縄尚学が5-4で逆転勝ちし、8月23日の決勝で日大三(西東京)を3-1で破った。学校として初めての夏の甲子園優勝。沖縄県勢の夏の優勝は、2010年の興南以来15年ぶりとなった。

決勝では先発の新垣が8回途中まで1失点で投げ、末吉が2番手でマウンドに上がる。1回1/3を無失点に抑え、優勝が決まった瞬間をマウンドで迎えた。最速150キロの直球とスライダーを武器にした左腕は、この夏のエースとして沖縄尚学に初めての深紅の大優勝旗をもたらす中心にいた。

準決勝で先発同士だった菰田は、今回の日本ハムの1位指名選手だ。甲子園の準決勝で先発同士として向き合った2人が、そろって同じ球団に入る。

同年9月には、沖縄県で開かれたU-18ワールドカップの日本代表に、2年生でただ1人選ばれた。日本は決勝まで勝ち進み、準優勝している。

だが、3年生の2026年は苦しい1年になる。3月のセンバツは初戦で帝京に3-4で敗れ、4月には左肘を痛めて投球から離れた。夏の沖縄大会は指名打者での出場を経て、マウンドに戻ったのは準決勝だった。沖縄尚学は2年連続で夏の甲子園に出場したものの、8月10日の1回戦で横浜(神奈川)に2-7で敗れ、連覇はならなかった。この試合で末吉は先発している。その後は2年連続でU-18日本代表に名を連ね、高校最後の年も国際大会を経験した。

大渕スカウト部長の「寄り道」という言葉は、この1年を指していた。

関連記事:末吉良丞、日本ハム3位指名 浦添市出身、仲西中の軟式野球部から沖縄尚学へ歩んだ経歴

沖縄尚学から初の高卒投手、北海道へ

沖縄尚学から高校卒業と同時にドラフト指名を受けたのは、2017年の砂川リチャード、2023年の仲田侑仁に続いて末吉が3人目。投手では初めての高卒指名となった。甲子園優勝投手を送り出す学校にとっても、新しい一歩だ。

末吉とともに球団関係者を出迎えた比嘉公也監督は、1999年春のセンバツで左腕エースとして沖縄県勢初の全国制覇を果たし、監督としても2008年春のセンバツで頂点に立った。その指導者のもとで夏の初優勝を経験した左腕が、今度はプロの世界へ進む。

末吉は沖縄県浦添市の出身。年明けの新人合同自主トレーニングから、日本ハムでのプロ生活が始まる。

指名あいさつで伝えられたのは、好調な時期だけでなく、けがに苦しんだ時期まで見たうえでの評価だった。早く1軍で投げたいという本人の思いと、ローテーションに入ってほしいという球団の期待は、同じ方向を向いている。

関連記事:末吉良丞の父・良次さんと母・伊織さんが語る素顔「強気なのは野球の時だけですよ」 野球未経験の両親が育てた甲子園V左腕

[文/構成 by スポーツ担当ライター 高瀬翔吾]

寄稿者

高瀬翔吾
Webメディアでスポーツ、エンタメ、時事ニュースなど、累計数千本の記事制作に携わってきたスポーツ系ライター。野球分野では、プロ野球の試合結果や選手の記録をはじめ、MLB、高校野球、ドラフト、移籍、契約更改などの記事を継続的に担当。数字や公式記録を基に情報を整理する記事を得意としており、結果を伝えるだけでなく、その記録が持つ意味や、選手・球団を取り巻く背景までわかりやすく解説することを心がけている。主な執筆分野は、プロ野球、MLB、高校野球、侍ジャパン、ドラフト、移籍情報。

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