日本ハム、ドラフト支配下5人中4人が高校生 1位菰田陽生に新庄監督「僕は(1軍に)上げます」

※この記事には、商品・サービスの広告リンクが含まれています。
時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
日本ハムは10月22日のプロ野球ドラフト会議で、支配下で指名した5人のうち4人を高校生で固めた。1位は山梨学院高の二刀流・菰田陽生を単独で指名し、交渉権を手にした。新庄剛志監督は球団の育成方針に触れつつ「僕は(1軍に)上げます」と宣言。育成選手も5人を指名している。
1位から3位まで高校生、支配下5人の顔ぶれ
東京都内のホテルで開かれたドラフト会議で、日本ハムが支配下で名前を読み上げたのは投手4人、外野手1人の計5人だった。1位から3位までが続けて高校生となり、5位も高校生右腕。大学生は4位の1人だけにとどまった。
| 順位 | 選手 | 守備 | 所属 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 菰田陽生 | 投手 | 山梨学院高 |
| 2位 | 牟禮翔 | 外野手 | 九州国際大付高 |
| 3位 | 末吉良丞 | 投手 | 沖縄尚学高 |
| 4位 | 加藤宇 | 投手 | 明星大 |
| 5位 | 岡本翔斗 | 投手 | 香里丘高 |
2位の牟禮は岡山県出身の外野手で、昨秋の明治神宮大会では九州国際大付の優勝に加わった。
3位の末吉は最速150キロの左腕。2年生だった昨夏の甲子園では、同じ2年生の新垣有絃と2人で全6試合を投げ抜き、沖縄尚学を夏の初優勝に導いた。末吉自身は全試合に登板して防御率1.06。日大三との決勝では8回途中から救援し、1回1/3を無失点で締めて優勝の瞬間をマウンドで迎えている。
4位の加藤は首都大学リーグ2部の明星大で投げる右腕で、今秋のリーグ戦で最速157キロを計測した。5位の岡本は甲子園の出場経験がない大阪府立香里丘高の右腕だ。今夏の大阪大会3回戦では12球団のスカウトがネット裏に集まる中で先発し、関大北陽に1―3で敗れて最後の夏を終えた。
育成選手選択会議では、1位岡田光平(大阪工業大・外野手)、2位藤井悠貴(新宮高・投手)、3位半杭奏太(東京農業大第二高・内野手)、4位小島慎也(東北福祉大・内野手)、5位今津慶介(慶応大・内野手)の5人を指名した。育成の内訳は高校生2人、大学生3人で、支配下と合わせて10人の交渉権を得た。
菰田は単独指名、新庄監督「僕は(1軍に)上げます」
1位の菰田陽生(17)=山梨学院高=は、最速152キロの速球と高校通算39本塁打の打撃を兼ねる投打の二刀流だ。プロでも投打の両方を続けたい意向を示している。事前には巨人などとの競合も予想されたが、1位で入札したのは日本ハムだけ。抽選なしで交渉権が決まった。
3位の末吉とは浅からぬ縁がある。昨夏の甲子園準決勝で、山梨学院の先発は菰田、沖縄尚学の先発は末吉と、2年生同士が先発マウンドに立った。試合は沖縄尚学が5―4で逆転勝ちしている。甲子園で投げ合った2人が、同じ球団から指名を受けた。
「持ってるわ、菰田くんを指名してあと5球団残ってた。ドキドキですよもう、うれしかったね」。新庄監督は1位指名を終えた後、会場で報道陣の取材に応じ、喜びをそう表した。競合していれば木田優夫GM代行がくじを引く段取りだったことにも、笑いを交えて触れている。
本題は1年目の起用法だった。新庄監督は「本人と話しながらなんですけど、球団はもちろん1年目は体作り、育成として(1軍)はダメですよって。でも僕は(1軍に)上げます(笑)」と語り、高卒新人はまず体をつくるという球団の考え方を承知のうえで、1軍で使う考えを示した。「今しかないんです」とも口にしている。
打撃については「インコース打ちが凄く上手くて」と評価し、木製バットに変わっても左翼線へ落とすような打球を数多く打てれば打率も残せると見立てた。二刀流の難しさを認めつつ、「夢しかない選手です」と言い切った。
「今年は100点」木田GM代行が語った手応え
フロント側の手応えも大きかった。指名を終えた木田GM代行は、本当に来てほしいと考えていた選手を多く指名できたと話し、「今年は100点ですね。新庄剛志も僕もクジを引かなかったので」と総括した。
くじの話には伏線がある。昨年のドラフトでは1位入札した創価大の立石正広が3球団の競合となり、抽選で阪神に交渉権が渡った。日本ハムは最終的に明治大の大川慈英を1位で指名している。単独で意中の選手を取れた今年とは対照的だった。
木田GM代行は、菰田にダルビッシュ有、大谷翔平という球団OBの名前を挙げ、2人を超えてほしいと期待を込めている。日本ハムにとって、二刀流の育成は大谷で一度歩んだ道でもある。
新庄監督も、選手を選ぶ判断はスカウトに任せていると明かす。指名の決め手を問われると「うちのスカウトの方めちゃくちゃ優秀ですよ。当たりばっかりしちゃうんで」と持ち上げ、自身は報告を聞いて部屋で映像を確かめ、納得していたと語った。
昨年は大学生中心、2年前は柴田獅子 指名の変化を比べる
高校生4人という数字は、ここ数年の日本ハムの指名と並べると違いがはっきりする。NPBの選択選手一覧をもとに、支配下指名の内訳を比べた。
| 年 | 支配下の人数 | うち高校生 | うち投手 | 1位 |
|---|---|---|---|---|
| 2024年 | 6人 | 3人 | 5人 | 柴田獅子(福岡大大濠高) |
| 2025年 | 5人 | 2人 | 1人 | 大川慈英(明治大) |
| 2026年 | 5人 | 4人 | 4人 | 菰田陽生(山梨学院高) |
2025年は1位の大川以外を野手で固め、高校生も2人だけだった。今年は投手を4人に増やし、高校生の比率も一気に上がった。2年前と同じく、1位には二刀流の高校生を据えている。
その柴田獅子の歩みは、新庄監督の発言を読み解く手がかりになる。新庄監督は取材の中で「柴田獅子くんも良い感じで成長してくれてるんで」と、2年前の二刀流ドラフト1位にも触れた。柴田は高卒1年目の2025年7月26日、ロッテ戦で1軍初先発を任され、3回を無安打無失点に抑えた。2軍で投打を磨きながら、1年目のうちに1軍のマウンドに上がった前例がある。
交渉はこれから、球団方針と監督の起用が焦点
チームは今季、レギュラーシーズンを3位で終えた。クライマックスシリーズはファーストステージで西武を破ってファイナルステージへ進んだが、ソフトバンクに敗れ、日本シリーズには届かなかった。そのシーズンを終えて1週間足らずで迎えたドラフトだった。
ドラフトで手にしたのは交渉権で、10人の入団が決まったわけではない。これから入団交渉が始まり、条件を詰めていく。
高卒新人をどの時期に1軍へ呼ぶのか。球団は体づくりを優先する考えを持ち、新庄監督は菰田の早い段階での1軍起用を口にした。高卒の二刀流ドラフト1位を2年ぶりに迎えた日本ハムで、その線引きが改めて問われる。
支配下の高校生4人がプロの体をつくり、2軍で結果を残していくかどうか。今年のドラフトの評価は、そこで決まる。
関連記事:ロッテ、ドラフトくじ2連敗 外れ外れ1位の関大・米沢友翔「新人王を取りたい」
[文/構成 by スポーツライター 高瀬翔吾]












































































コメントはこちら