山里宝、広島1位単独指名 出身中学は阪神1位・榊原七斗と同じ高砂市立松陽中

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10月22日のプロ野球ドラフト会議で、広島東洋カープが亜細亜大の山里宝内野手を1位で単独指名し、交渉権を獲得した。山里は兵庫県高砂市の出身。同じ日に阪神が1位で単独指名した明治大の榊原七斗外野手とは、高砂市立松陽中学校の同級生だった。ひとつの市立中学から、同じ年の1位指名が2人出たことになる。
抽選なしで交渉権、新井監督「是が非でもほしい」
亜細亜大の山里宝(21)=内野手=が10月22日、東京都内で開かれたプロ野球ドラフト会議で広島から1位指名を受けた。他球団の1位指名と重ならず、抽選なしの単独指名。広島が交渉権を手にした。入団はこれからの交渉を経て決まる。
「是が非でもほしいということで、1位で行きました。うれしいですね」。広島の新井貴浩監督は、指名が決まったあとにそう話した。「野球脳が高く、視野の広い選手だと思いますし、堅実な守備に加えてパンチ力のある打者だと思います」とも評価し、かつて広島で遊撃を守った梵英心に「似ていると思います」と重ねている。指名後の取材で、翌日が山里の誕生日だと報道陣から知らされると「1日早いですけど、誕生日おめでとうございます。カープで一緒に強いチームを作っていきましょう」と祝った。
広島はこの日、支配下で6人、育成で3人の計9人を指名した。2位以下は立命館大の西野啓也捕手、京都産業大の野原元気投手、千葉商科大の𠮷川凌平投手、明治大の光弘帆高内野手、NTT東日本の森煌誠投手と続いた。育成では茨城アストロプラネッツの車谷仁内野手、筑波大の田代旭捕手、長崎国際大の皆吉海翔内野手を指名し、9人の中に高校生の名前はなかった。
本人は驚きを隠さなかった。「絶対1位はないと思っていた。まさかっていう感覚でした。運が良かったなと思います」と語り、笑顔を見せた。
伊保の少年野球から松陽中へ、高砂で始まった野球人生
山里は2004年10月23日、高砂市に生まれた。ドラフト翌日の10月23日が22歳の誕生日にあたる。名前の「宝」には、家族の宝になれるようにとの願いが込められているという。両親と兄4人、姉1人、妹1人の大家族で育った。
野球を始めたのは、地元の伊保中部野球部だった。高砂市立伊保小学校に通い、中学は高砂市立松陽中学校へ進む。中学時代は松陽中の軟式野球部でプレーした。
その松陽中で同じ学年にいたのが、榊原七斗だった。榊原は小学4年のころから兄のいる全播磨硬式野球団ヤングで練習を重ね、松陽中の時期も同野球団に所属していた。学校の部活動と地域の硬式クラブ。中学時代の所属は分かれたが、2人は同じ学びやに通う同級生だった。
中学卒業後、山里は神戸国際大付高へ、榊原は報徳学園高へ進む。兵庫の強豪で腕を磨いた2人は、東京の大学でそれぞれ主力へと育ち、22日に同じ「1位」の札をもらった。松陽中の卒業生や地元の野球関係者にとっては、そろって名前を呼ばれた一日になった。
| 時期 | 山里宝 | 榊原七斗 |
|---|---|---|
| 小学校 | 伊保小、伊保中部野球部 | 曽根小、曽根南野球部(4年から全播磨硬式野球団ヤングで練習) |
| 中学校 | 高砂市立松陽中(軟式野球部) | 高砂市立松陽中(全播磨硬式野球団ヤング所属) |
| 高校 | 神戸国際大付高 | 報徳学園高 |
| 大学 | 亜細亜大(内野手) | 明治大(外野手) |
| 2026年ドラフト | 広島1位(単独) | 阪神1位(単独) |
甲子園8強、主将で9季ぶりの優勝
神戸国際大付高では2年生だった2021年、春夏連続で甲子園に出場した。夏はベスト8まで勝ち進んでいる。
亜細亜大では1年からベンチに入り、二塁と遊撃を守った。174センチ、78キロと体は大きくないが、東都大学リーグで通算10本塁打を放ったパンチ力がある。小柄な内野手が長打も打てる点は、プロの評価を押し上げた材料のひとつだった。
今夏はワールド・カレッジ・ベースボール・チャンピオンシップ(WCBC)で大学日本代表に選ばれ、正遊撃手を務めた。秋は主将として、チームを9季ぶり28度目のリーグ優勝へ導いている。優勝を決めた国学院大との一戦では、9回2死満塁から勝ち越しの二塁打を放った。
今秋のチームは開幕から8連勝で走り出し、山里は優勝を決めたその国学院大戦で2安打、1本塁打、4打点を記録した。3年春には二塁手としてベストナインにも選ばれている。二塁と遊撃の両方で実績を残してきたことが、内野の守りを固めたい球団の目に留まった。
神戸国際大付高から亜細亜大を経たドラフト1位は、2020年に巨人から指名された平内龍太投手と同じ道のりだ。神戸国際大付出身の1位指名は、その平内以来6年ぶりとなった。
指名から約3時間、新井監督が大学へ
指名から約3時間後、新井監督はドラフト会場を途中で離れ、東京都武蔵野市の亜細亜大武蔵野キャンパスを訪れて指名のあいさつをした。初対面の印象を問われると「初めて生で会ったんですけど男前ですね!」と笑わせ、「何より今日会ってみて感じたんですけど『負けん気』が強そうなメンタルというのもね、彼のいいところだと思います」と続けた。
大学で新井監督は、1位に選んだ理由を「今年も大学生の野手でいきたいと。大学生のショートでナンバーワンが山里宝くんですので、すぐ球団には(要望を)伝えました」と明かした。さらに「守備はもちろん、打撃の方でもパンチ力がありますし、周りを広く見れる視野がありますし」と、守備と打撃の両面を挙げている。
山里は「1年目から即戦力として戦うことを目指しているので遠慮なくいきたいと思います」と応じた。指名後には「1年目から2桁のホームランを打ちたいし、盗塁もしていきたい」と目標を口にし、「マツダスタジアムが満員になるように、何かきっかけを作れる選手になりたい」とも語った。亜細亜大で1学年上の斉藤汰直投手は、昨年のドラフト2位で広島に入団している。大学の先輩と、今度はプロで同じチームを目指す。
その先輩について山里は「あまりピリッとした成績を残してないんで、ちょっとケツをたたきに行こうかなと思ってます」と笑わせ、「野球大好きなので野球一筋で頑張ります」と言葉に力を込めた。同じ日に西武から1位指名を受けた川尻啓人は、今秋の国学院大戦でノーヒットノーランを達成した右腕で、亜細亜大は投打の柱がそろってプロから1位指名を受けたことになる。
ひとつの大学から1位が2人、高砂市の松陽中からも1位が2人。広島と阪神はセ・リーグで同じ舞台に立つ。中学の同級生がプロの公式戦で向き合う日は、交渉と契約を経た先にある。
今年のドラフト候補の顔ぶれは、週刊ベースボールの増刊「2026ドラフト候補選手名鑑」にもまとめられている。
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[文/構成 by スポーツライター TAKU]












































































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