旭富士、西幕下筆頭で勝ち越し 所要6場所の新十両へ前進、史上最速記録に並ぶ可能性

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大相撲秋場所9日目の9月21日、東京・両国国技館で西幕下筆頭の旭富士(24)=伊勢ヶ濱=が碇潟を突き落としで破り、4勝1敗で勝ち越しを決めた。序ノ口デビューから5場所連続の勝ち越しで、関取の座となる十両に大きく近づく。九州場所で新十両となれば、初土俵から所要6場所。年6場所制となった1958年以降では、付け出しを除く最速記録に並ぶ。
西幕下4枚目の碇潟を突き落とし、2番を残して4勝目
相手は西幕下4枚目の碇潟(19)=伊勢ノ海=だった。立ち合いは碇潟に突っかけられて成立せず、仕切り直しとなる。低い体勢で攻めてくる相手に中へ入られ、もろ差しを許す場面もあったが、旭富士は慌てずに圧力をかけ続けた。相手の足が流れた瞬間を逃さず、土俵際で突き落としたのだった。
碇潟はこれで3勝2敗。旭富士は7番相撲のうち5番を終えた時点で勝ち越しを決め、残り2番を待たずに4つ目の白星を手にした。取組後は部屋の方針もあって取材に応じなかったが、表情は柔らかかった。
秋場所の星取りは以下のとおり。黒星は2日目の栃大海戦の1つだけだ。
| 日 | 対戦相手 | 勝者 | 旭富士の星 |
|---|---|---|---|
| 初日 | 日向丸 | 旭富士 | 1勝0敗 |
| 2日目 | 栃大海 | 栃大海 | 1勝1敗 |
| 5日目 | 西ノ龍 | 旭富士 | 2勝1敗 |
| 7日目 | 大喜翔 | 旭富士(押し出し) | 3勝1敗 |
| 9日目 | 碇潟 | 旭富士(突き落とし) | 4勝1敗 |
2日目に1勝1敗となってからも崩れず、5日目から3連勝。7日目は東幕下3枚目の大喜翔の突きを受け止め、いったん頭をつけられて止まりながらも再び前へ出て押し出した。関取に最も近い幕下筆頭の地位で、黒星の後に立て直した相撲が続く。
初土俵から5場所、番付と成績の推移
旭富士が初土俵を踏んだのは2025年九州場所の前相撲だ。翌2026年初場所に東序ノ口19枚目で番付に名前が載ると、そこから一気に番付を駆け上がった。
| 場所 | 番付 | 成績 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 2025年九州場所 | 前相撲 | ― | 初土俵 |
| 2026年初場所 | 東序ノ口19枚目 | 7勝0敗 | 序ノ口優勝 |
| 2026年春場所 | 西序二段8枚目 | 7勝0敗 | 序二段優勝 |
| 2026年夏場所 | 東三段目6枚目 | 7勝0敗 | 三段目優勝 |
| 2026年名古屋場所 | 東幕下11枚目 | 6勝1敗 | 幕下優勝(優勝決定戦を制す) |
| 2026年秋場所 | 西幕下筆頭 | 4勝1敗(9日目終了時点) | 勝ち越し決定 |
序ノ口から三段目までの3場所はいずれも7戦全勝で、各段の優勝をさらった。序ノ口デビューからの連勝は25まで伸び、名古屋場所の5番相撲で生田目に敗れて止まる。記録は歴代3位で、佐久間山(のちの小結常幸龍)が持つ最多の27連勝にはあと2勝届かなかった。
それでも名古屋場所は6勝1敗で終え、優勝決定戦を制して幕下優勝。序ノ口から4場所連続で各段優勝を果たし、秋場所は幕下筆頭まで番付を上げた。幕下の最上位は東の筆頭で、旭富士はそれに次ぐ西の筆頭だ。通算成績は31勝2敗となった。
研修生として4年半、元横綱のしこ名を継いだ新弟子
本名はバトツェツェゲ・オチルサイハン。2002年5月17日生まれで、モンゴル・ウランバートルの出身だ。15歳だった2018年春に来日し、留学した神奈川・旭丘高で相撲を始めた。身長187センチ、体重152.3キロ。得意は両四つと上手投げになる。
高校卒業後の2021年春から伊勢ヶ濱部屋で稽古を積んだが、すぐには土俵に上がれなかった。なぜか。
外国出身力士は1部屋1人までという決まりがあり、同じモンゴル出身で現在の師匠、伊勢ヶ濱親方(元横綱照ノ富士)が現役だったからだ。師匠が2025年初場所中に引退したことで道が開け、4年半の研修生生活を経て同年九州場所で初土俵を踏んだ。
しこ名の「旭富士」は、2021年に部屋で生活を始めた当時の師匠で、第63代横綱の宮城野親方(元横綱旭富士)から受け継いだものだ。新弟子が元横綱のしこ名を名乗るのは極めて異例で、デビュー前から関取衆と渡り合う稽古内容が伝えられ、「史上最強の新弟子」とも呼ばれてきた。
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所要6場所なら板井、土佐豊、常幸龍、炎鵬に並ぶ
場所後に十両昇進が決まれば、初土俵から所要6場所での新十両となる。年6場所制となった1958年以降、幕下付け出しでデビューした力士を除けば、板井、土佐豊、常幸龍、炎鵬の4人が持つ最速記録と並ぶ。連勝記録で名前が挙がった常幸龍が、ここでも比較対象に顔を出す。
4人のうち最も新しい例は、横綱白鵬がいた宮城野部屋に入門した炎鵬だ。現在は旭富士と同じ伊勢ヶ濱部屋に所属している。2017年春場所で初土俵を踏み、1年後の2018年春場所で新十両に昇進した。それから8年余り、この記録に並ぶ力士は現れていない。旭富士が昇進すれば、炎鵬以来の所要6場所となる。
同じ最速タイを狙う力士がもう1人いる。旭富士と同期の東幕下8枚目、天昇山(22)=玉ノ井=だ。9日目は竜翔を寄り切り、初日から無傷の5連勝とした。全勝優勝を果たせば新十両が濃厚となり、2人がそろって所要6場所で関取になる可能性も出てきた。
天昇山は序ノ口の初場所1番相撲と、序二段の春場所7番相撲で旭富士と対戦し、いずれも敗れている。通算3敗のうち2敗をつけた相手と、同じ記録を追う。
残り2番、昇進は番付編成会議で決まる
旭富士には秋場所で残り2番の取組がある。千秋楽は9月27日で、十両昇進は場所後に開かれる番付編成会議で正式に決まる。幕下上位の成績に加えて十両から落ちる力士の数も関わるため、勝ち越しの時点ではまだ「前進」の段階にとどまる。
昇進が決まれば、九州場所は11月8日に福岡国際センターで初日を迎える。番付発表は10月26日だ。関取となれば化粧まわしを締め、十両土俵入りに加わる。
2025年11月、同じ福岡国際センターの前相撲から始まった歩みが、関取の座まであと一歩のところに来た。残り2番の結果が、昇進の判断材料に加わる。
[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]









































































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