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FA有資格者104人をNPBが公示 2026年の新規国内FA権は森下暢仁・周東佑京ら21人

FA有資格者104人をNPBが公示 2026年の新規国内FA権は森下暢仁・周東佑京ら21人

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日本野球機構(NPB)は10月19日、2026年度のフリーエージェント(FA)有資格選手名簿を公示した。有資格者は計104人。今季新たに国内FA資格を得たのは広島の森下暢仁、ソフトバンクの周東佑京ら21人で、海外FA資格の新規取得は17人だった。名簿に載ったことは権利を使う意思表示ではなく、宣言するかどうかは日本シリーズ終了後に決まる。

104人の内訳と、新たに国内FA権を得た21人

NPBの発表によると、今季新たに国内FA資格を取得したのが21人、海外FA資格を取得したのが17人。すでに国内FA資格を持っていた14人、海外FA資格を持っていた52人と合わせ、計104人が有資格者となった。区分ごとに見ると、国内FA権の保有者は35人、海外FA権の保有者は69人になる。

数字だけを見れば、前年と同じだ。2025年度は10月22日に公示され、こちらも計104人だった。ただし中身は違い、新規取得は国内18人、海外12人。今季は国内で3人、海外で5人、新たに権利を手にした選手が増えている。

タイトルの「21人」は、NPBが「今季取得者」として示した国内FA権の新規取得者の数だ。球団別の顔ぶれは次のとおり(NPB公示の表記による)。

球団今季、国内FA権を取得した選手
読売増田大輝
東京ヤクルト星知弥、宮本丈
中日山本泰寛、藤嶋健人、加藤匠馬、上林誠知
阪神木浪聖也、熊谷敬宥
広島東洋床田寛樹、坂倉将吾、森下暢仁
東北楽天前田健太、太田光、加治屋蓮、小深田大翔
千葉ロッテ小島和哉
オリックス宗佑磨、中川圭太、田嶋大樹
福岡ソフトバンク周東佑京

最多は中日と楽天の4人で、広島とオリックスが3人ずつ続く。横浜DeNA、北海道日本ハム、埼玉西武の3球団からは、国内FA権の新規取得者が出なかった。

海外FA権を新たに得た17人も、名前のある選手が並ぶ。ソフトバンクの近藤健介と上沢直之、日本ハムの有原航平、西武の髙橋光成と外崎修汰、DeNAの佐野恵太と京田陽太、広島の秋山翔吾らだ。阪神からは坂本誠志郎、糸原健斗、植田海、岩崎優、伏見寅威の5人が名を連ね、球団別で最も多い。

FA権はどう数えるのか、宣言の期限はいつか

FA権の物差しは、一軍の出場選手登録日数にある。公式戦の期間中に145日以上登録されたシーズンを1シーズンと数え、合計8シーズンで国内FA権、9シーズンで海外FA権の条件を満たす。2007年以降のドラフトで入団した大学・社会人出身の選手は、国内FA権が7シーズンに短くなる。国内FA権では国内の球団としか交渉できず、メジャー球団と契約するには海外FA権が要る。

権利を使うかどうかを決める期間は短い。日本シリーズが終わった翌日から、土曜・日曜・祝日を除く7日以内に、在籍球団へ意思を伝える仕組みだ。その後「FA宣言選手」として公示され、公示の翌日から元の球団を含む全球団と交渉できるようになる。

2026年の日本シリーズは10月24日に開幕する。NPBの日程では、第4戦が10月28日、もつれた場合の第7戦は11月1日。最短の4戦で決着すれば手続きは10月29日から始まり、第7戦までいけば11月にずれ込む。期限の日付は、シリーズの決着を待って初めて決まる。

前年の2025年は、日本シリーズ終了の翌日にあたる10月31日に手続きが始まり、11月11日まで続いた。文化の日を含む土日祝を除いて数えると、カレンダー上は12日間に広がった。

補償のA・B・Cランクと、揺れる人的補償

FA移籍には、選手を失った球団への補償がつく。基準は移籍前の球団での年俸の順位で、外国人選手を除いた日本人選手の中で上位3位までがAランク、4位から10位までがBランク、11位以下がCランクとなる。

初めてFA権を使う選手の場合、Aランクの選手を獲得した球団は、プロテクトした28人以外から1人を差し出す人的補償に旧年俸の50%の金銭を加えるか、旧年俸の80%の金銭だけを払う。どちらにするかは、選手を失った球団が選ぶ。Bランクは人的補償と旧年俸の40%、または金銭のみの60%。Cランクは補償がいらない。2度目以降のFA移籍では、金銭の割合がそれぞれ半分に下がる。補償の重さが獲得の判断を左右するため、年俸の順位は移籍市場の価格表に近い役割を持つ。

その人的補償は、制度そのものの見直しが議論されている。NPBと12球団が撤廃を検討していることが5月22日に明らかになり、NPBの中村勝彦事務局長は「選手会とも話さないといけない。年内には対応したい」と説明した。代わりの案として、獲得球団が持つドラフトの指名権を旧所属球団へ譲る方式が挙がっている。

だが、話はまとまっていない。報道によると、8月12日の事務折衝で選手会はNPBの代替案を受け入れず、今オフは現行の補償制度が維持されることになった。10月13日にオンラインで行われた事務折衝でも結論は出ず、継続協議となっている。選手会の担当者は「(NPBからの)提案を受けて気になる点があり、改善を求めた」と話した。今オフのFA移籍には、上で説明したA・B・Cランクの補償がそのまま当てはまる。

森下・床田・坂倉の広島、残留を求める各球団

注目度が最も高いのは広島だ。床田寛樹(31)、森下暢仁(29)、坂倉将吾(28)の3人がそろって国内FA権を手にした。森下は明治大から2019年のドラフト1位で入団し、1年目の2020年にセ・リーグの新人王に選ばれた右腕。左腕の床田は先発ローテーションの柱で、坂倉は捕手登録のまま一塁や三塁も守る。

広島の鈴木清明球団本部長は10月15日、3人がFA宣言をしたうえで残留することを認める方針を示した。宣言を受けて他球団の評価を聞いたあとでも、元の球団と契約を結び直せる「宣言残留」だ。報道によると、広島ではこれまで宣言残留をした選手がいない。

関連記事:広島、FA宣言残留を認める方針 宣言残留とは何か、床田寛樹・森下暢仁・坂倉将吾の去就

他球団も同じ構えを見せる。オリックスは10月19日、国内FA権を得た中川圭太(30)、宗佑磨(30)、田嶋大樹(30)の3人に宣言残留を認め、慰留に努める方針を固めた。報道によると、球団幹部は「当然ながら(チームに)残ってほしい」と話した。宗は今季、自己最多の14本塁打を放ち、チームトップの65打点を挙げている。

阪神も残留を求める。嶌村聡球団本部長は、木浪聖也(32)、熊谷敬宥(30)の国内FA組と、海外FA権を得た岩崎優、伏見寅威の4人について「当然、タイガースを選んでいただきたいと、話を進めているところ」と述べた。熊谷は「シーズンの振り返りをして、しっかり分析して、それからFAについて考えていければ」と語り、伏見は「今、話せることは何もありません」とだけ答えている。

一方、周東佑京は権利を得る前に将来を固めていた。1月23日の契約更改で、ソフトバンクと5年総額20億円(推定、出来高払い別)の契約を結んでいる。「35歳までの契約をもらえた」。育成出身の快足外野手は当時そう喜び、FA権を手にした今季もソフトバンクのユニホームを着続ける道を選んでいた。

名簿の先にあるもの、ポスティングとの違い

名簿に名前が載っても、権利を使うかどうかは選手本人が決める。宣言しなければ、来季も在籍球団との契約交渉だけが続く。104人は、あくまで「権利を使える選手」の顔ぶれだ。

メジャー挑戦の道も、FA権の種類で分かれる。国内FA権しか持たない選手が海を渡るには、球団が認めるポスティングシステムを使うしかない。今季の新規取得者で言えば、森下や周東ら国内FA組の21人は海外の球団と自由には交渉できず、近藤や有原ら海外FA組の17人はメジャー球団とも交渉できる立場にある。

関連記事:佐藤輝明、メジャー挑戦問われ「何も言えない」 阪神はポスティング容認を検討、海外FAは最短2029年

日本シリーズの決着とともに、7日間の手続き期間が始まる。人的補償の見直しが来オフ以降の課題として残る中、21人の新たな国内FA権保有者がどんな答えを出すのか。表明の期限は、早ければ11月上旬に訪れる。

[文/構成 by スポーツライター TAKU]

寄稿者

TAKU
ボールを使う競技なら何でも観ます、TAKUです。学生時代はずっとバスケ部、いまは週末にフットサル。スポーツを中心に書くWebライターになって5年です。Bリーグ、バレーボール、ラグビー、テニスを中心に、野球やサッカーも書きます。試合の流れが変わった瞬間を、スコアと一緒に伝えるのが得意です。

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