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パナソニック野球部、今季限りで休部も日本選手権8強 王子に4-0完封、柿本晟弥が5回無失点

パナソニック野球部、今季限りで休部も日本選手権8強 王子に4-0完封、柿本晟弥が5回無失点

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今季限りで休部するパナソニックが11月6日、第51回社会人野球日本選手権大会の2回戦で王子を4-0で破り、8大会ぶりの準々決勝進出を決めた。西武からドラフト2位指名を受けた柿本晟弥(24)が先発し、5回1安打無失点。準々決勝は11月8日、今夏の都市対抗で準優勝したNTT西日本と戦う。

京セラドーム大阪で王子に完封勝ち、8大会ぶりのベスト8

試合は11月6日、京セラドーム大阪で行われた。相手の王子は2025年の都市対抗を制した愛知の強豪で、先発は楽天からドラフト3位指名を受けた樋口新。王子は11月3日の1回戦でJR西日本に5-4で競り勝ち、樋口は8回から救援して2回を無安打無失点に抑えていた。打線には中日からドラフト2位指名を受けた3番・柴﨑聖人も並ぶ。プロ入りが決まった投手同士の投げ合いは、5回まで0-0のまま進んだ。

均衡が破れたのは6回表だった。2死走者なしから1番・山路将太郎が四球で出塁し、すかさず二盗を決める。続く2番・坂下翔馬が樋口の低めの球を右前へ運び、山路が生還して先制した。坂下は「勝負強さは自分の持ち味。走者をかえすという気持ちだけで打った」と話している。

7回表には打線がつながった。1死三塁から6番・久保田拓真が中前適時打を放ち、2-0。7番・小山翔暉の中前打で一、二塁とした場面で、6回1/3を投げた樋口が降板する。2死二、三塁となってから、9番・上田隼也が2人目の浅井佑介からカウント1-1の3球目を左前へはじき返し、2点を加えた。7回は4安打で3点を挙げ、試合の流れを決めた。

入社8年目、30歳の上田は「真っすぐで押してくるピッチャーだったので、振り負けないよう、それだけを意識していました」と打席を振り返った。

守っては4投手の継投で王子打線を零封した。パナソニックが日本選手権で準々決勝へ進むのは8大会ぶりとなる。

投手(パナソニック)登板内容
柿本晟弥1〜5回78球、被安打1、5奪三振、2四球、無失点
福島孔聖6回無死一、二塁で降板
與座健人6回1死二、三塁から3番・柴﨑聖人を遊飛に抑え無失点
定本拓真7〜9回無失点で締めくくる

柿本晟弥は152キロも制球に苦しみ、それでも5回0封

柿本は初回から自己最速に並ぶ152キロを記録した。ただ、この日はボールが荒れた。1回は王子の3番・柴﨑聖人(中日ドラフト2位)に粘られて四球を与え、2回は四球とボークで1死二塁のピンチを背負う。それでも三ゴロと投飛で後続を断ち、本塁を踏ませなかった。

4回に柴﨑に右前打を許したものの、捕手の小山が盗塁を阻止して得点を与えない。5回78球、被安打はこの1本だけだった。

制球が定まらない場面では、普段はしない「困ったら真っすぐゴリ押し」の攻めで押し切ったという。柿本は「初戦に比べると悪かったですけど、悪いなりにどうやって試合をつくっていくかっていうのを、この1年間やってきた」と語った。

10月31日の1回戦では、同じ大阪の日本生命を相手に7回無失点と好投していた。この試合は打線が14安打を放ち、1回に三宅浩史郎の右翼への三塁打と浦和博の中前打で2点を先制。三宅は3安打3打点と活躍し、チームは4-0で日本生命を退けた。2試合続けて先発で試合をつくり、12イニング無失点。王子の樋口とは普段から親交があり、投げ合うなら先に降板しないようにしたいと樋口が話していたことも知っていた。結果は柿本が先にマウンドを降りたが、本人は「僕が先に降りたんですけど」と振り返り、試合に勝ったのでオッケーだと話した。

関連記事:柿本晟弥、西武2位で指名あいさつ 目標は「新人王」と「200勝投手」 パナソニックは今季で休部

1950年創部の名門、2025年12月に休部を発表

パナソニックの休部は、2025年12月8日にパナソニック ホールディングスが発表した。近年は都市対抗・日本選手権の本大会出場を逃すなど結果を出せていないことを挙げ、2025年2月に発表したグループ経営改革の一環として、2026年の日本選手権を最後の大会にすると説明している。

野球部の歴史は1950年、松下電器産業(当時)で初めての会社公認チームとして軟式で始まった。1952年に硬式へ移り、大阪府門真市を本拠地に活動を続ける。都市対抗には57回出場して1960年に準優勝。日本選手権では2000年と2005年に優勝し、1979年と1999年にも準優勝している。日本野球連盟(JABA)の各地の大会でも21回の優勝を重ねてきた。

大会出場回数主な成績
都市対抗野球大会57回準優勝1回(1960年)
社会人野球日本選手権大会44回(2026年を含む)優勝2回(2000年、2005年)、準優勝2回(1979年、1999年)

最後の舞台となる日本選手権には、近畿地区最終予選を勝ち抜いて3大会ぶりに戻ってきた。チームは大会前、この大会で3度目の優勝を目指すと表明していた。井上貴晴監督も「最後まで諦めず、一戦必勝で優勝を目指します」とコメントを出し、社員や地域の人、ファンと喜びを分かち合いたいという思いをスローガンに込めた。チームスローガンは「ALL IN ~その一球で共に喜びを~」だ。

柿本はパナソニック野球部から9年ぶり、通算32人目のプロ野球選手になる。兵庫県赤穂市出身で、東洋大学附属姫路高等学校から東洋大学を経て入社した。指名を受けて、大学時代を埼玉で過ごしたことに触れながら、「1年目から先発として、勝利に貢献できるよう、これまで以上に頑張っていきたい」とコメントした。最後のシーズンに、チームからドラフト上位指名の投手が生まれたことになる。

準々決勝は11月8日、都市対抗準優勝のNTT西日本と

準々決勝は11月8日(日)の第2試合で、正午に始まる予定だ。相手のNTT西日本は11月6日の2回戦で北海道ガスと対戦し、2回に4点を先取すると、小刻みな継投で5-2と逃げ切った。前年の日本選手権でベスト4に入り、今夏の都市対抗でも決勝まで進んだ大阪のチームで、パナソニックにとっては同じ近畿地区のライバルにあたる。

日程ラウンド相手結果
10月31日(土)1回戦日本生命4-0で勝利
11月6日(金)2回戦王子4-0で勝利
11月8日(日) 12時準々決勝NTT西日本未定

柿本にとって、NTT西日本はなじみのある相手でもある。今夏の都市対抗では補強選手としてNTT西日本に加わり、チームは準優勝まで勝ち進んだ。つまり、相手打線の力を同じベンチから見てきた投手が、今度は敵として向き合うことになる。柿本は「やりづらいですね」と話したうえで、相手は打線がいいので、しっかりとコースを狙って投げていきたいと語った。

勝ち進めば準決勝は11月9日、決勝は11月10日に組まれている。3度目の優勝まで残りは3勝。試合は大会を主催する毎日新聞のサイトでライブ配信される。

上田は次の試合について「毎日、今日が最後かなという思いでやっているんで。もう一日練習できて、もう一試合できるということがうれしい」と語った。坂下も「この仲間と1試合でも多く野球をやるために頑張りたい」と話す。休部まで残された試合は、勝つたびに1つずつ増えていく。

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[文/構成 by スポーツ担当ライター 高瀬翔吾]

寄稿者

高瀬翔吾
Webメディアでスポーツ、エンタメ、時事ニュースなど、累計数千本の記事制作に携わってきたスポーツ系ライター。野球分野では、プロ野球の試合結果や選手の記録をはじめ、MLB、高校野球、ドラフト、移籍、契約更改などの記事を継続的に担当。数字や公式記録を基に情報を整理する記事を得意としており、結果を伝えるだけでなく、その記録が持つ意味や、選手・球団を取り巻く背景までわかりやすく解説することを心がけている。主な執筆分野は、プロ野球、MLB、高校野球、侍ジャパン、ドラフト、移籍情報。

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