角田楓斗、母校・東奥義塾高等学校に凱旋 オリックス1位指名、塾長の激励と後輩野球部員との交流

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プロ野球ドラフト会議でオリックスから1位指名を受けた富士大学の角田楓斗投手(22)が11月6日、青森県弘前市の母校・東奥義塾高等学校を訪れた。指名後、母校に足を運ぶのはこれが初めて。井上嘉名芽塾長に指名を報告して激励を受け、後輩の野球部員には体づくりと「土台」の大切さを伝えた。東奥義塾の卒業生がドラフト1位で指名されたのは、角田が初めてとなる。
11月6日、ドラフト後初めて東奥義塾高等学校へ
角田は弘前市出身で、現在は岩手県花巻市の富士大学に通う4年生だ。高校時代の3年間を過ごした東奥義塾高等学校には、6日の午後に訪れた。学校の所在地は弘前市大字石川字長者森だ。
学校側にとっても、特別な報告になった。東奥義塾は1872年(明治5年)に菊池九郎らが私立学校として開いた。前身は1796年(寛政8年)に弘前藩が設けた藩校・稽古館にさかのぼる。その卒業生から、初めてドラフト1位の選手が出た。
母校に戻った角田は、高校時代の日々を思い返した。ここで積み重ねてきたことや「本当にきつい練習」に耐えてきたことを挙げ、いろいろな日々が思い出されると話している。
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井上嘉名芽塾長は「学校をあげて応援」と激励
東奥義塾では、校長にあたる役職を「塾長」と呼ぶ。1922年(大正11年)に学校が再興された際には笹森順造が塾長に就いており、現在の塾長は井上嘉名芽だ。
角田は井上塾長らに、笑顔でドラフトでの指名を報告した。1年目からの活躍を誓った卒業生に対し、井上塾長は心から誇りに思うと伝え、学校をあげてこれからも挑戦を応援すると激励したという。
塾長は、角田が日々の積み重ねで夢が現実になることを生徒たちに示してくれたとも話し、1位指名を祝った。高校時代は甲子園に届かなかった卒業生が、大学で力を伸ばして1位指名をつかんだ。在校生にとっては、同じ校舎と同じグラウンドから始まった先輩の実例になる。
後輩部員の質問に答えた「土台」の話
報告のあと、角田は野球部の後輩たちの前に立った。甲子園出場を目標にする部員たちにとって、ドラフト1位の先輩は憧れの投手だ。後輩からは次々に質問が飛び、投手として一番大切なことは何かと尋ねる声も上がった。
角田の答えは、体づくりだった。「上のレベルでやりたいとなったら」と前置きし、まずは体づくりを頑張り、自分で「土台をきっちり作る」ことが上を目指すうえで生きてくると説いた。
高校時代に基礎練習へ多く取り組んだことが、大学で伸びる土台になったという。富士大学に進んでからの角田は、直球の最速を153キロまで伸ばし、今年は大学日本代表にも選ばれている。後輩に伝えた言葉は、自分の歩みそのものだった。
角田は目標を持って努力を続け、自分と向き合う大切さも後輩に伝えた。後輩に語りかけながら、自身もプロへの決意を新たにしていた。
校舎裏の坂を走る名物練習「SD」
この日、角田は高校時代に特に印象に残っている練習の場所も案内した。東奥義塾の野球部に伝わる名物練習、通称「SD」だ。
SDは「坂ダッシュ」の略で、下半身の強化を目的に、校舎の裏にあるおよそ150メートルの坂道を走る練習だという。多い日には30本走ったこともあったという。
角田は、長い坂をとにかくダッシュで走るトレーニングだと説明し、略してSDと呼ばれていると紹介した。その日のメニューがSDだと告げられたときの気持ちを聞かれると、もう最悪だと答えたという。
それでも、きつい練習で精神的に自分を追い込んだ経験が、1位指名を受けるまでの成長につながったと角田は話した。
地元の企業も指名を喜んだ。弘前市を走る弘南鉄道は10月22日、公式サイトで東奥義塾出身の角田が1位指名を受けたことを伝え、大鰐線の義塾高校前駅の写真を添えている。
東奥義塾から富士大学へ、球速を伸ばした4年間
角田は2004年9月23日生まれ。小学3年で野球を始め、地元の弘前市立第一中学校から東奥義塾高等学校へ進んだ。高校では同学年の中田歩夢とともにチームを引っ張り、中田は2022年の育成ドラフト4位で巨人に入団している。一方の角田は、春夏の甲子園に出場しないまま卒業した。
同級生がプロの世界へ進んだことが、角田の背中を押した。本気でプロを目指すと決め、ドラフト1位を目標に富士大学へ入学したという。大学では体づくりに取り組み、球速は高校時代から約10キロ上がった。
成果は数字に表れる。4年春の北東北大学リーグでは最優秀選手と最優秀防御率のタイトルを手にし、6月の全日本大学野球選手権では1回戦の松山大学戦で7回を投げて14三振を奪った。7月には大学日本代表の一員として、台湾・台中で開かれた国際大会の優勝を経験した。
仮契約は11月10日、入団発表は29日
プロでの目標は変わらない。角田は新人王を狙っていると語り、そこへ向けて良い成績を出せるよう頑張りたいと意気込んだ。地元には応援してくれる人がたくさんいるとして、弘前市のはるか夢球場で試合をする機会があれば、しっかり結果を出したいとも話している。
指名からここまでの流れは早い。10月22日のドラフト会議でオリックスが単独で1位指名し、交渉権を獲得した。10月27日には福良淳一ゼネラルマネジャーらが花巻市の富士大学を訪れ、指名あいさつを行った。福良GMは角田を今年の投手で最も高く評価していると明かし、先発の即戦力として期待を寄せた。角田は「本当に指名していただいたんだと実感した」と話し、1年目から戦力として頑張ろうと決意が固まったと続けた。
オリックスの投手陣は今季、故障者が相次いだ。将来の目標には、かつてオリックスのエースだったドジャースの山本由伸のような投手を挙げ、日本一の投手を目指すと話している。即戦力として期待される右腕の1年目が始まる。
今後の日程も決まっている。11月10日に球団と仮契約を結び、11月29日には新人選手入団発表記者会見に臨む。その場で、オリックスのユニホーム姿を披露する予定となっている。
弘前市立第一中学校から東奥義塾高等学校、富士大学へ。地元で育った右腕が、母校の後輩たちに「土台」の話を残して、プロの世界へ向かう。
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[文/構成 by スポーツ担当ライター 高瀬翔吾]












































































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