晝田瑞希、ジェイク・ポール率いるMVPと契約 WBO女子世界スーパーフライ級王者の戦績

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プロボクシングWBO女子世界スーパーフライ級王者の晝田瑞希(30)=三迫=が、ジェイク・ポールらが率いる米国のプロモーション会社「Most Valuable Promotions(MVP)」と契約した。MVPが米国時間11月5日(日本時間6日)に発表。プロ戦績は11戦全勝(2KO)で、世界王座の防衛は7度を数える。MVPでの初戦の相手や日程はまだ決まっていない。
MVPが11月5日に発表、契約の年数は非公表
MVPは米国時間11月5日、ニューヨーク発の発表文で晝田との契約を明らかにした。公式サイトへの掲載は同日午後3時57分(米東部時間)で、日本時間では11月6日午前5時57分にあたる。契約の年数や試合数、金額は公表されていない。
発表文の中で、晝田は「WBOとザ・リングのスーパーフライ級世界王者」と紹介された。米専門誌「ザ・リング」が選ぶ2025年の年間最優秀女子選手で、日本の年間表彰では4年連続で女子の最優秀選手に選ばれてきた経歴も添えられている。
共同創業者のナキサ・ビダリアンとポールは連名の声明で、日本には世界有数のボクサーがそろうとしたうえで、晝田は世界的なスターになるだけのものを持っていると評価した。自衛隊の選手からトップに上り詰めた歩みにも触れ、女子ボクシングで最も大きなスターの一人になれるよう舞台と機会を用意すると約束している。声明の最後では、MVPでの初戦とともに、将来は日本でMVPの興行を開きたいという考えも示した。
晝田本人もMVPを通じてコメントを出した。チャンスをくれたMVPへの感謝と、MVPとともに夢を追いかけられる喜びをつづり、感謝の気持ちを力に変えて努力を続け、笑顔と自分らしさを忘れずにいたいと話す。最後は「スーパースターになりたい」と宣言し、スペイン語で強い女性を表す「CHINGONA」と、「なんとかなるさ」を意味する「No pasa nada」という自身の決まり文句で締めくくった。
MVPはどんな会社か
MVPは2021年、ユーチューバー出身のプロボクサーとして知られるジェイク・ポールとビダリアンが設立した。マイク・タイソン、アンソニー・ジョシュアらとの対戦で名前を広げたポールの会社というイメージが強いが、実際は女子ボクシングに力を入れてきたプロモーターだ。
女子の看板は、女子では最多となる7階級を制したアマンダ・セラノ(プエルトリコ)。最初に契約した選手でもあり、2027年1月9日にはプエルトリコ・サンフアンでWBOとWBAのフェザー級王座を懸けた引退試合が組まれている。所属選手には、アリシア・バウムガードナー、ミカエラ・メイヤー(ともに米国)らも名を連ねる。2026年4月には女子だけの興行シリーズ「MVPW」を始め、米国ではESPN、英国ではSky Sportsで中継している。
晝田の加入について、MVPは発表文で女子ボクシングでの主導的な立場がさらに強まるとした。所属はこれまでどおり三迫ジムで、MVPとはプロモート契約という関係になる。
自衛官ボクサーからプロ4戦目で世界王者に
晝田は1996年4月12日生まれ、岡山市出身のサウスポー。岡山県立岡山工業高等学校でボクシングを始めた。男子の多い学校で女子が入れる部活動は限られ、入部した当時のボクシング部に女子はひとりもいなかったという。
卒業後は自衛隊体育学校へ進み、全日本女子選手権では2018年にフライ級、2019年にフェザー級で優勝した。2016年と2017年はフライ級の決勝まで勝ち上がりながら、2年続けて和田まどかに敗れて準優勝に終わっている。
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だが、目標だった東京五輪には届かなかった。2019年12月の代表選考の試合で、のちに金メダルを手にする入江聖奈に2-3の判定で敗れたのだ。
ここで目標をプロの世界王者に切り替える。2021年3月に自衛隊を離れて三迫ジムに入門し、同年10月15日に後楽園ホールでプロデビュー。山家七恵から初回にダウンを奪い、6回判定で白星を挙げた。
2戦目の相手は、東洋太平洋女子スーパーフライ級王者のぬきてるみだった。2022年4月12日のノンタイトル8回戦で、7回に2度倒されながらも序盤からのリードを守り切り、3-0の判定で勝っている。続く9月1日には柳井妃奈実との日本女子フライ級王座決定戦に臨んだ。柳井が前日計量で体重を超え、当日の計量を条件に行われたこの試合を判定で制し、プロ3戦目で初めてのベルトを手にする。
そして同年12月1日には谷山佳菜子を10回判定で下し、WBO女子世界スーパーフライ級王座を獲得した。プロ4戦目での世界王座獲得は、日本人の最速記録に並ぶものだった。
世界戦8連勝、初防衛は63秒TKO
世界王座を取ってからの戦いぶりは次のとおり。勝者はすべて晝田で、日付は開催地の現地時間。
| 日付 | 相手 | 開催地 | 結果(晝田の勝ち) |
|---|---|---|---|
| 2022年12月1日 | 谷山佳菜子 | 東京・ | 10回判定、 |
| 2023年6月13日 | ケーシー・ | 東京・ | 1回63秒TKO、 |
| 2024年1月12日 | パク・ | 東京・ | 6回TKO、 |
| 2025年1月17日 | マリベル・ | 米カリフォルニア州コマース | 8回負傷判定、 |
| 2025年5月17日 | カーラ・ | 米カリフォルニア州コマース | 10回判定、 |
| 2025年8月15日 | ナオミー・ | 米カリフォルニア州サンタイネス | 10回判定、 |
| 2025年11月22日 | グロリア・ | 米カリフォルニア州ロングビーチ | 10回判定、 |
| 2026年5月23日 | マイ・ | エジプト・ | 10回判定、 |
初防衛戦は、初回に4度のダウンを奪って63秒で試合を終わらせた。国内で行われた世界戦では男女を通じて最も短い決着で、それまでの国内最短だった井上尚弥の70秒より短い。この試合がプロ初のKO勝ちだった。
米国進出に向けて就労ビザを取り、南カリフォルニアで名トレーナーのマニー・ロブレスの指導を受ける。2025年は4試合すべてを米国で戦い、5月のメリノ戦ではザ・リングの認定ベルトも手にした。日本の女子選手がこのベルトを巻くのは初めてだった。
米国デビュー戦となった1月のラミレス戦は、2回にダウンを奪い、8回に偶然のバッティングで相手の左目上の傷が悪化して試合が止められ、3-0の負傷判定で勝った。8月のカルデナス戦では相手が前日計量で体重を超え、晝田が負けた場合だけ王座が空位になる条件で行われたが、10回をフルマークを含む3-0の判定で勝っている。
2026年5月23日には、エジプト・ギザのピラミッド前に設けた特設リングで、オレクサンドル・ウシクとリコ・ヴァーホーベンの一戦をメインとする興行に出場。マイ・ソリマンに3-0の判定で勝ち、7度目の防衛を果たした。
MVPでの初戦と日本開催の可能性
MVPは、晝田の移籍後初戦について、相手や日程、会場、中継先を改めて発表するとしている。11月7日時点で、次の試合は決まっていない。
注目は、ビダリアンとポールが声明で触れた日本での興行だ。具体的な日程や会場はまだ示されていない。MVPは発表文で、晝田の加入を国際展開のまた一つの大きな一歩と位置づけている。晝田自身はギザでの防衛後、ほかの団体の王者との統一戦を一番の望みに挙げていた。米国で4連勝し、エジプトでも勝った王者が、MVPの舞台でどんな相手と向き合うのか。初戦の発表が待たれる。
[文/構成 by スポーツ担当ライター 久遠(KUON)]












































































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