後藤大樹さんが200mで20秒19の追い風参考記録 U20日本記録と高校記録を上回るタイム

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
洛南高2年の後藤大樹(17)が9月6日、第94回近畿選手権の男子200m決勝で20秒19をマークし優勝した。追い風3.1mが基準の2.0mを超えたため参考記録となるが、U20日本記録の20秒29、高校記録の20秒34をともに上回る数字だった。
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決勝は追い風3.1m、参考記録での優勝
後藤の専門は400mハードルで、8月のU20世界選手権では銀メダルを手にし、9月19日開幕の愛知・名古屋アジア大会にも代表として名を連ねる。専門外の200mでも並外れた走力を示した一戦だった。
第94回近畿選手権は9月6日、和歌山市の紀三井寺公園陸上競技場で2日目を迎えた。男子200m決勝で、洛南高(京都)2年の後藤大樹(17)が20秒19をマークし、1着でフィニッシュした。予選の20秒72(追い風1.5m)から、0.53秒タイムを縮める結果となった。
トラック種目や跳躍種目では、追い風が2.0mを超えると公認記録として扱われない。この日の追い風は3.1mで基準を大きく上回ったため、20秒19は参考記録という扱いになった。それでもU20日本記録とジュニア世代の高校記録をともに上回る数字だった。
2着には日本選手権の男子400mで4位に入った伊東利来也=住友電工=が入ったが、決勝は伊東との競り合いとなり、後藤は150m付近からリードを広げて伊東を振り切った。タイムは20秒38で、後藤との差は0.19秒だった。伊東は今年の日本選手権男子400mで予選を自己ベストで走り抜け、4年ぶりに決勝進出を果たして46秒18で4位に入った実力者だ。その伊東を200mで上回ったことも、後藤の走力の高さを裏付ける材料になった。
本職は400mハードル、高校日本一に
後藤の専門種目は400mハードルだ。6月の日本選手権では48秒09で優勝し、この種目で高校生が日本一に立つのは史上初めてだった。このタイムはU20日本記録、高校記録、U18世界最高記録を兼ね、年齢を問わない日本歴代でも4位に食い込む。優勝と同時に、愛知・名古屋アジア大会代表にも内定した。
8月には米国オレゴン州ユージーンで開かれたU20世界選手権に出場した。決勝はチェコのミハル・ラダに0.64秒差の49秒23で敗れたが、銀メダルを手にした。日本勢がこの種目で表彰台に立つのは2012年大会の松本岳大以来、14年ぶり5人目となった。レース運びも目を引いた。前半はハードル間13歩のリズムで後藤が先行したが、終盤にミハル・ラダが上回るスピードを見せて逆転し、10台目のハードルを越えた後も差を広げられる展開だった。
後藤は200mでも実力を蓄えてきた。7月の京都選手権では向かい風1.0mの中で20秒43をマークし、高校歴代3位につけている。サニブラウン・アブデル・ハキームや桐生祥秀ら歴代上位選手に迫るタイムで、専門外とはいえ地力の高さは折り紙付きだった。
サニブラウンと大前の記録を上回る数字
200mのU20日本記録は、大前祐介が2001年に早稲田大学在学中にマークした20秒29(追い風0.6m)だ。四半世紀近く破られていなかったこの記録を、後藤は参考記録ながら0.1秒上回った。
高校記録はサニブラウン・アブデル・ハキームが2015年、コロンビア・カリで開催された世界ユース選手権でマークした20秒34。当時16歳、城西高2年だったサニブラウンが打ち立てた記録も、後藤には及ばなかった。
風の影響を除いた参考記録としての価値も高い。20秒19は日本歴代9位に相当し、18歳以下の世界歴代でも米国のE.ナイトンが持つ19秒84、豪州のG.ガウトの20秒04、ジャマイカのU.ボルトの20秒13に続く水準だ。8月のU20世界選手権で悔しさを味わった後藤は、レース後に「向かい風の中でのレースだったので、自分にとってベストな展開ではありませんでした」と語り、「次は必ず優勝します」とリベンジを誓った。この200mは、その言葉どおり走力を上げ続けている証しになる一戦だった。
SNSでも高校生離れの走りに反響
20秒19の一報が伝わると、SNS上でも反応が広がった。スポーツメディア「THE ANSWER」(Yahoo!ニュース配信)は、専門外の種目での好走に驚きが広がったと報じている。400mハードルでU20世界選手権の銀メダリストとなったばかりの17歳が、畑違いの200mでも高いスピードを見せたことが注目を集めた。
400mハードルはスタートからの加速力とスピード持久力の両方が問われる種目だ。単純な最大スピードでの走りが評価されたのは、専門外の力試しという以上の意味があった。後藤自身の競技の幅広さを裏付ける結果でもあった。
次の目標は名古屋アジア大会
後藤の次の大舞台は、9月19日に開幕する愛知・名古屋アジア大会だ。6月の日本選手権優勝を機に代表入りを決めており、出場するのは本職の400mハードルになる。U20世界選手権では上位に一歩届かなかっただけに、初めてシニアの代表として臨む舞台での結果に注目が集まる。
200mでの参考記録は、あくまで近畿選手権という一戦での出来事だ。ただ、追い風という条件はあったにせよ、U20日本記録と高校記録を上回る数字を専門外で出せる走力は、400mハードルのレース終盤における粘りにもつながる要素になる。17歳の高校生が公式戦を戦いながら記録を伸ばし続けている現状を踏まえれば、名古屋での走りにも自然と期待がかかる。
愛知・名古屋アジア大会は9月19日から10月4日までの日程で行われる。400mハードルには各国の実力者が集まる見込みで、U20カテゴリーでの実績を引っさげて臨む、後藤にとって初めてのシニア国際大会でのハードルレースになる。高校2年で日本代表の重責を担う中、この夏から積み上げてきた走力をどこまで発揮できるか、9月の走りが一つの目安になりそうだ。
[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]







































































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