長森結愛、女子5000mで15分17秒71の高校新記録 U18日本新、出身は富山・大沢野中

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
仙台育英学園高等学校2年の長森結愛(17)が11月7日、横浜市で開かれた日体大長距離競技会の女子5000mで15分17秒71をマークした。1999年に藤永佳子が出した高校記録15分22秒68を4秒97縮め、27年ぶりの更新。U18日本記録も塗り替えた。中学時代は富山市立大沢野中学校で全国中学校駅伝のMVPに選ばれている。
実業団と大学生の中で日本人トップの4着
舞台は11月7日、横浜市青葉区の日本体育大学健志台キャンパス陸上競技場で行われた第333回日体大長距離競技会兼第26回NITTAIDAI Challenge Games(NCG)だった。日本体育大学が開く記録会で、NCGは記録を狙う有力選手を集めたレースにあたる。女子5000mには実業団や大学の選手がそろい、高校生の出場は長森ひとり。結果は日本人トップの4着で、先頭を行く外国人選手からは離されたものの、後ろの日本選手を引き離し、ほぼ単独でゴールまで押し切った。
タイムは15分17秒71。1キロあたり平均3分03秒台、400mのトラック1周を73秒台で12周半刻み続けた計算になる。それまでの高校記録は、長崎・諫早高校3年だった藤永佳子が1999年に出した15分22秒68で、これを4秒97上回った。27年間破られなかった記録が、2年生の手で書き換えられたことになる。
藤永が15分22秒68を出したのは1999年5月8日。高校卒業後は筑波大学に進み、2000年の日本選手権女子5000mを15分27秒82で制している。日本選手権の覇者となる選手が高校時代に残した数字を、長森は1年以上の学年を残して上回った。
更新後の女子5000m高校歴代上位は次のとおり。
| 順位 | 記録 | 選手(学校・当時の学年) | 年 |
|---|---|---|---|
| 1 | 15分17秒71 | 長森結愛 | 2026年 |
| 2 | 15分22秒68 | 藤永佳子 | 1999年 |
| 3 | 15分23秒56 | 小笠原朱里 | 2017年 |
| 4 | 15分25秒87 | 矢田みくに | 2016年 |
| 5 | 15分27秒79 | 吉田彩心 | 2025年 |
U18(18歳未満)の日本記録も更新した。日本陸上競技連盟の記録表では、従来のU18日本記録は小笠原朱里(山梨学院高校)が2017年6月25日の日本選手権で出した15分23秒56。長森はこれを5秒85縮めた。
レース後、長森は15分20秒を切ることが目標だったと話した。自分のペースで走れたと手応えを口にし、今年のトラックレースはこれが最後になる予定だという。
富山市立大沢野中学校で全国の舞台へ
長森は富山市立大沢野中学校の出身。富山市南部の八木山にある学校で、1983年4月に旧大沢野中学校と旧大久保中学校が統合して大沢野町立大沢野中学校として開校し、2005年の市町村合併で富山市立になった。2026年5月1日時点の生徒数は423人。野球場や陸上競技場、多目的広場に隣接した学校で、全国大会や北信越大会に出場した部活動が複数ある。生徒が交代で朝の玄関に立つ「あいさつ駅伝」も続く学校だ。
駅伝の伝統は古く、1995年には県中学校駅伝競走大会で女子が三連覇を果たしている。長森はその学校で、全国中学校駅伝(全中駅伝)の舞台に3年続けて立った。
1年生だった2022年12月の大会では、最終5区(3キロ)を任されて10分17秒の区間賞。チームを女子4位へ押し上げ、大会の最優秀選手(MVP)に選ばれた。学校がまとめた沿革にも、この年の欄に「令和4年 全国中学校駅伝競走大会 女子4位」と刻まれている。
2年生と3年生ではエース区間の1区を走り、大沢野中学校は2023年、2024年と2年続けて女子2位に入った。3年生の2024年12月の大会では区間2位で、トップと同タイムでたすきを渡している。優勝した京山中学校(岡山)とは47秒差。レース後には「全力を出し切ったので悔いはありません」と語った。
トラックでも結果を残した。2024年8月、福井県営陸上競技場で行われた第51回全日本中学校陸上競技選手権大会(全中)の女子1500m決勝で、4分27秒70の3位に入っている。優勝は4分23秒97の井上佳奈(山形・高楯中学校)で、同じ大沢野中学校の黒川志帆も4分29秒40で6位。大沢野中学校から2人が決勝で入賞した大会でもあった。
1年で積み上げた全国と世界の経験
高校は宮城県の仙台育英学園高等学校へ進んだ。入学直後の2025年5月には宮城県高校総体の女子1500mで優勝し、6月の東北高校大会でも3位に入る。7月の全国高校総体(インターハイ)女子1500mでは1年生で7位に食い込み、11月15日には同じ健志台キャンパスの日体大長距離競技会で3000mを9分04秒77で走り、高校1年生の歴代2位を記録した。高校新記録を出したのは、それから1年足らずの同じ競技場だった。12月21日に京都で行われた全国高校駅伝では、1年生ながら最長の1区(6キロ)を任された。区間賞の川上南海(長野東)から3秒差の19分09秒で区間3位。チームは1時間07分38秒の4位で、優勝した長野東とは1分08秒、表彰台の3位とも9秒差だった。
2年生になった2026年は、さらに舞台が広がる。6月の第110回日本選手権女子1500mでは予選で4分15秒82(高校歴代9位)を出し、決勝で8位に入った。8月に米国オレゴン州で開かれたU20世界選手権では、現地時間8日の女子3000m決勝に出場した。1500mは9番手の4分30秒で通過し、終盤に順位を上げて5位入賞。タイムの8分56秒93は高校歴代6位にあたる。
1500mから5000mまで、距離の幅を持つのが長森の持ち味だ。中距離で磨いたスピードを、5000mでも最後まで保てることを示したレースだった。
次の目標は12月の全国高校駅伝
長森が次に目指すのは、12月の全国高校駅伝だ。昨年の仙台育英は4位で、3位とわずか9秒差で表彰台を逃した。長森はこの結果に悔しい思いをしたと明かしている。今年はチームとして優勝を目指し、個人としては任された区間で区間賞と区間記録を狙うと話した。
将来の目標はまだはっきり決めていないという。それでも、多くの人に応援される選手になりたいと語った。
男子では11月3日に洛南高等学校の後藤大樹が400mで高校記録を21年ぶりに更新しており、高校陸上では長く残っていた記録が続けて書き換えられている。
関連記事:後藤大樹、400mで45秒33の高校新記録 21年ぶり更新の洛南高17歳
全中駅伝で走った富山の中学生が、高校2年で27年ぶりの記録の持ち主になった。次の舞台は12月の京都、都大路だ。
[文/構成 by スポーツ担当ライター 南條楓]











































































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