「きのこの山イヤホン」再販、明治が一度「NO」と答えたのは初代3,500台の購入者への配慮 Makuakeで48分で1000台、Proの値段と発送時期

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
2024年に10分で完売した「きのこの山ワイヤレスイヤホン」が、第二世代の「Pro」として帰ってくる。企画したカゴメディアが再販を持ちかけた際、明治の最初の答えは「NO」だった。限定3,500台だからこそ買った人への配慮が理由で、両社は「欲しい人が1,000人集まったら商品化する」という方式で折り合った。Makuakeでの受付は11月1日正午に始まり、48分で1,000台に届いた。
明治が再販に「NO」と答えた理由
再販の話を持ち出したのは、初代の企画・開発を担ったカゴメディア(東京都港区)だった。初代は発売からわずか10分で売り切れ、SNSには買い逃した悔しさを伝える投稿が相次いでいた。
ところが、明治の返事は「NO」。プロジェクトページには、明治側のこんな言葉が載っている。
「3,500台限定ということで購入してくださった方々がいる。その方々のことを考えれば、簡単に『再販します』とは言えないです。」
初代は3,500台限定、シリアルナンバー付きで売り出された商品だ。カゴメディア自身もプロジェクトページで、限定だったからこそ購入した人がいる以上、その約束をこちらの都合で簡単に変えるべきではないと記している。
ねとらぼの取材によると、カゴメディアの周りには、その後も「やっぱり欲しい」「もう1台欲しい」という声が届いていた。それでも、限定と思って買った人との約束がある。手放しで再販に踏み切れない事情が、そこにはあった。
「1,000人の欲しい」が条件になった
そこでカゴメディアが出した案が、「1,000人の欲しいが集まったら商品化する」という方式だった。明治はこれを了承し、明治の正式ライセンス商品として「きのこの山ワイヤレスイヤホン Pro」(2027年モデル)の企画が動き出す。
仕組みは、条件に届かなければ商品化そのものをやめる「All or Nothing」方式。1,000台以上の申し込みが集まった場合に限って製品化し、申込数に合わせて受注生産する。あらかじめ数を決めて作るのではなく、欲しい人の数だけをつくるやり方だ。
なお、初代購入者向けの特典や優先枠は、プロジェクトページに記載はない。
Makuakeで48分、24時間で約1,800人
受付が始まったのは2026年11月1日の正午。ねとらぼによると、開始から48分で1,000台に届き、Proの復活が決まった。
勢いはその後も続く。カゴメディアが11月2日に出した活動レポートでは、開始から24時間で約1,800人のサポーターが応援購入したと報告している。商品化の条件だった1,000台は、1時間を待たずに超えた。
値段は29,800円から、発送は2027年3月中旬以降
通常価格は36,300円(税込・送料込)だ。初代と同じ29,800円の枠は開始24時間限定・先着1,000台で、11月2日11時59分で受付期間を終えている。割引の枠は段階ごとに価格と数量が決まっている。
| リターン | 価格(税込) | 数量 | お届け予定 |
|---|---|---|---|
| 初代と同額 | 29,800円 | 先着1,000台 | 3月末まで |
| 超早割 | 31,800円 | 2,000台 | 3月末まで |
| 早割 | 33,000円 | 2,000台 | 4月末まで |
| ファイナル割 | 34,800円 | 3,000台 | 4月末まで |
| 通常価格 | 36,300円 | - | 4月末まで |
お届け予定はいずれも2027年。超早割は11月15日11時59分までの期間限定となっている。
発送は2027年3月中旬以降に順次始まる予定だ。通常価格が初代より6,500円高い点について、カゴメディアはこの2年間で原材料費や製造コストが上がり、前回と同じ価格での販売は難しくなったと説明している。
プロジェクトページには、配送の遅れが予定月から3か月を超えた場合、希望者はキャンセルできると書かれている。初期不良は、到着から14日以内なら返金や交換の対象になる。
きのこの山イヤホンはどこで売ってる? 一般販売は未定
いま申し込める場所は、応援購入サービスのMakuakeだけだ。受付は12月13日まで続く。家電量販店などでの一般販売について、カゴメディアは「未定」としている。
台数の上限もない。プロジェクトページには「応援に、票数制限はありません。複数台の応援購入も大歓迎です」とあり、1人で複数台を申し込める。初代のように3,500台を取り合う形とは、ここが大きく違う。
製造元は、睡眠・ライフスタイル製品の輸入商社として2005年に設立したウェザリー・ジャパン。翻訳機能付きワイヤレスイヤホン「Wooask M6 AI翻訳機」をベースに、きのこの山の見た目と機能を共同で作り込んだ。
Proと初代の違い、翻訳機能はそのまま
見た目は初代と同じだ。ねとらぼによると、本物のきのこの山に使われている2層のチョコレートの色の割合に変更がないかを明治に確かめ、初代の開発当時から変わっていなかったため、イヤホンも同じ外見を引き継いだ。変わるのは中身になる。
カゴメディアの発表では、改良点は主に4つ。
- 音質:スピーカーのチューニングを見直し、低音域と高音域の特性を改善。低音域の歪み(THD)も抑えた
- 操作性:タッチセンサーに金メッキのFPC(薄く曲げられる配線基板)を使い、触ったときの反応を高めた
- 装着感:イヤーピースにメモリーフォーム素材を採用した
- 充電ケース:待機時の電流を0.5mAから0.08mAへ約84%減らし、待機できる日数は約26日から約81日へ延びた
ケースの待機日数は、ほぼ3倍。使わずに置いておいても電池が減りにくくなる。
初代で注目されたAI同時翻訳機能は、そのまま受け継ぐ。74か国の言語と70の方言・アクセントを合わせた144言語に対応し、翻訳精度は98%としている。この数値は、カゴメディアの発表では「自社調べ」、プロジェクトページでは「製造メーカー調べ」と注記されている。
充電ケースは、実際のパッケージを再現した置き型だ。イヤホン本体は誤飲防止に配慮した色づかいにしたうえで、本物の菓子に見えても食べず、子どもの手の届かない場所に保管するよう呼びかけている。
明治公式Xの「雑貨」企画から生まれた初代
さかのぼること2023年7月。明治の公式Xが「#明治のありそうでなかった雑貨」として、クリエイターのミチル氏とのコラボで架空のきのこの山イヤホンを投稿したのが始まりだった。
実在しないはずの商品がSNSで反響を呼び、製品化が決まる。開発には約7か月をかけ、株式会社明治の販売で2024年3月26日の正午にMakuakeで発売した。価格は29,800円、3,500台限定でシリアルナンバーが付き、約10分で全台が売り切れた。
発売前には模倣品も出回った。明治は2024年3月上旬、「まだ販売を開始しておりません」と注意を呼びかけている。きのこの山の形は、明治の立体商標でもある。
ねとらぼの取材では、初代の開発で明治が最後まで重視したのは誤飲防止だったという。耳に当たる内側は茶色や黒も試したうえで白を選び、着けたときにきのこの形が見えるようにした。手に載せたときの存在感を出すため、あえて中に重りを入れ、1円玉で重さの違いを確かめたという。
初代の紹介サイトには「たけのこの里」のページが「Coming soon」として載っていたが、約2年半たったいまも具体的な発表はない。
限定3,500台を買った人との約束を守りながら、もう一度欲しい人の数を確かめる。明治とカゴメディアが選んだのは、その両方を立てる道だった。受付は12月13日に締め切られる。
[文/構成 by ライター あおい りんご]


















































































コメントはこちら