関東学生連合の2027箱根駅伝個人枠6人が発表 一橋大・有川紘樹は都立武蔵高野球部の元投手

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
関東学生陸上競技連盟は10月20日、2027年1月2、3日の第103回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)に出る関東学生連合チームの対象校と個人枠6人、スタッフを発表した。個人枠には慶應義塾大学の成沢翔英(3年)ら6人が入り、4番手が一橋大学の有川紘樹(4年)だった。有川は東京都立武蔵高等学校の硬式野球部で投手を務め、大学から本格的に陸上長距離を始めた選手だ。
個人枠6人とチーム枠10校の顔ぶれ
関東学生連合チームは、10月17日の箱根駅伝予選会で本戦出場を逃した大学の選手で組む16人のチームだ。発表によると、16人は二つの枠に分かれる。
一つは「チーム枠」。予選会で総合11位から20位に入った10校に1人分ずつ権利を与え、どの選手を出すかは各校が決める。選手の名前は12月10日のチームエントリーで発表される。
もう一つが「個人枠」で、総合21位以下の大学の選手から、各校1人までとして予選会の個人順位が上位の6人を選ぶ。10月20日の発表で名前が出たのは、この6人だ。
| 枠 | 氏名 | 大学・学年 | 予選会個人順位 | 予選会記録 |
|---|---|---|---|---|
| 個人枠 | 成沢翔英 | 慶應義塾大学3年 | 27位 | 1時間2分48秒 |
| 個人枠 | 木村楓斗 | 流通経済大学4年 | 61位 | 1時間3分18秒 |
| 個人枠 | 尾島樹 | 上武大学3年 | 69位 | 1時間3分34秒 |
| 個人枠 | 有川紘樹 | 一橋大学4年 | 79位 | 1時間3分43秒 |
| 個人枠 | 橋本将汰 | 立正大学4年 | 88位 | 1時間3分49秒 |
| 個人枠 | 髙橋歩夢 | 明治学院大学4年 | 109位 | 1時間4分0秒 |
個人枠の6人は、所属する大学の予選会順位が21位の明治学院大学から41位の一橋大学まで幅広い。慶應義塾大学はチームとして30位、立正大学は27位だった。
チーム枠の10校は、予選会の順位順に国士舘大学(11位)、武蔵野学院大学(12位)、立教大学(13位)、明治大学(14位)、東京国際大学(15位)、駿河台大学(16位)、麗澤大学(17位)、筑波大学(18位)、拓殖大学(19位)、日本薬科大学(20位)となった。伝統校の明治大学も14位で本戦出場を逃し、チーム枠に回った。
監督は国士舘大学陸上競技部男子駅伝監督の小川博之が務める。コーチには武蔵野学院大学陸上競技部監督の坂田和と、立教大学男子駅伝チーム監督の髙林祐介が入った。
予選会はハーフマラソンの距離で行われ、45チームが10の本戦出場枠を争った。1位通過は東洋大学で、2位の中央学院大学に2分1秒差をつけた。一橋大学はチームとして41位だったが、有川が個人79位に入ったことで、個人枠の条件を満たした。
関連記事:箱根駅伝2027の出場校、予選会は東洋大が1位通過 21年ぶりの予選会で2位に2分1秒差
チーム順位が低くても個人で選ばれる仕組み
現在の選び方は、前回の第102回大会から変わった。それまでは落選校から各校1人ずつ、予選会の個人順位が上位の16人を選んでいた。関東学生陸上競技連盟は2025年6月、チーム枠10人と個人枠6人を組み合わせる方式に改めると発表している。
狙いについて、同連盟は二つの点を挙げた。チーム枠は、予選会のあとも落選校の中で本戦出場を目指して競い合う場を残すため。個人枠は、チーム順位が下位の大学からも出場できるようにして、顔ぶれに幅を持たせるためだ。
個人枠では、所属する大学の総合順位は条件にならない。完走者が10人に届かず大学の順位がつかなかった場合でも、個人順位の上位に入れば選ばれる。予選会41位の一橋大学から有川が選ばれたのは、この仕組みがあるからだ。
この点は前回、誤って伝えられたことがある。2025年10月18日の第102回大会予選会のテレビ中継で、解説者が「所属大学の10名が完走して総合順位がつかなければ、関東学生連合チームのメンバーにはなれない」という趣旨の説明をした。関東学生陸上競技連盟は2日後に訂正文を出し、個人枠では大学の総合順位は要件ではないと説明している。
本戦を単独チームか連合チームですでに2回以上走った選手は対象外で、出走は通算2回が上限となる。外国人留学生も対象にならない。
連合チームは本戦にオープン参加で出場する。チームの総合成績と個人の区間成績は、いずれも参考記録の扱いとなる。
選ばれた16人が全員走れるわけではない。往路・復路の10区間を走るのは、このうち10人。誰がどの区間を走るかは、これから決まる。
都立武蔵高のエース投手から一橋大の長距離へ
有川の母校は、東京都武蔵野市境にある東京都立武蔵高等学校だ。現在は附属中学校を併設している。学校の沿革によると、1940年に東京府立第十三高等女学校として開校し、1950年に東京都立武蔵高等学校となって男女共学が始まった。2008年には附属中学校が開校している。
有川は小学生のころから高校まで硬式野球を続けた。高校3年の夏、全国高校野球選手権の西東京大会では1番打者を兼ねる投手としてチームを引っ張った。エースで主将も務めたという。
長距離走は、野球をしていたころから得意だった。陸上部の人数が足りない時期には、野球部員ながら駅伝の走者に駆り出されたこともある。頑張れば上を目指せるかもしれない。そう考えて、大学では陸上を選んだ。
2023年春に一橋大学へ入学した有川は、法学部で学びながら長距離に打ち込んだ。陸上長距離にひかれた理由については、「ランニングじゃなくて陸上長距離という競技性にひかれて気になった」と話している。
東京都国立市にある一橋大学には、スポーツ推薦の制度がない。強豪校のように指導者が練習メニューを決めるわけでもなく、有川は自分の体調やその時の力に合わせて練習を組み立ててきた。東京大学の練習に加わらせてもらったこともある。ほとんどけがをしなかったことを、伸びた理由の一つに挙げる。
結果は数字に表れる。2026年2月の日本学生ハーフマラソン選手権大会では1時間2分58秒をマークした。この大会に向けて、月に700km以上を走り込んだという。5月の関東学生陸上競技対校選手権(関東インカレ)では男子2部に出場し、箱根駅伝の常連校の選手に交じって1500mで決勝に進んで10位、5000mは当時の自己記録となる14分5秒54で24位に入った。
10月17日の予選会は1時間3分43秒。自己記録には45秒届かず、終盤のスタミナ不足を反省点に挙げた。
「一橋大の陸上を知ってもらう」機会に
報道によると、一橋大学から箱根駅伝を走る選手が出れば初めてとなる。予選会のあと、有川は一橋大の陸上を広く知ってもらうきっかけにしたいと話した。
一方で、「一橋大自体が大きな大会に出るような経験値がない」とも語っている。前回の関東学生連合チームに入った秋吉拓真(当時東京大学4年)、本多健亮(当時東京大学大学院修士2年)から予選会の対策などを聞けたことがよかったという。本戦は復路の9区か10区を希望し、「アップダウンより平地の方が得意」とも話している。
有川には、出走できれば最初で最後の箱根駅伝となる。卒業後の進路は未定で、市民ランナーとして走ることも含めて競技の続け方を探っているという。
次の第104回大会では、関東学生連合チームは編成されない。関東学生陸上競技連盟は2025年12月、記念大会を4年に1回に改め、2028年1月の第104回大会を記念大会にすると発表した。記念大会では関東学生連合チームに代わり、全国の大学が参加できる予選会の結果で編成する日本学生選抜チームが走る。
武蔵野市の都立高校で白球を追った元投手は、1月の箱根路を走れるのか。12月10日のチームエントリーで、連合チーム16人の顔ぶれがそろう。
[文/構成 by スポーツライター 南條楓]









































































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