青学大、出雲駅伝11位で原晋監督「駅伝力がなかった」 初出場の2010年以来のワーストタイ

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
10月12日の第38回出雲全日本大学選抜駅伝競走(出雲駅伝)で、箱根駅伝3連覇中の青山学院大学は2時間9分53秒の11位に終わった。優勝した早稲田大学とは3分57秒差で、出場した関東の10校では最下位。11位は初出場だった2010年と並ぶ、青学大の出雲での最低順位となった。レース後、原晋監督(59)は「駅伝力がなかった」と語り、速さはあっても強さを表現できなかったと敗因を挙げた。
1区2位から11位へ、青学大の6区間
大会は出雲大社正面鳥居前から出雲ドーム前までの6区間45.1kmで争われた。青学大は前日の時点で当日のメンバー変更をしないと明言しており、事前に発表した6人がそのまま走った。
滑り出しは悪くなかった。1区(8.0km)の石川浩輝(2年)は22分48秒の区間2位。区間賞の駒澤大学・鈴木大翔(1年)とは6秒差で、2位でたすきを渡す。
流れが変わったのは、全区間でいちばん短い2区(5.8km)だった。鳥井健太(4年)は先頭集団でレースを進めたが、残り1kmからの競り合いで離され、16分10秒の区間9位。首位と18秒差の8位に後退した。鳥井にとっては1年時の出雲以来、3年ぶりの大学三大駅伝。レース後は「3キロまで余裕がありましたが…。適応力が足りませんでした」と話している。
エース区間の3区(8.5km)は、2年連続で同じ区間を任された飯田翔大(3年)が24分39秒の区間11位。チームは10位に下がり、首位の日本大学とは1分35秒に開く。4区(6.2km)の小河原陽琉(3年)も17分59秒の区間11位で、城西大学にかわされて11位となった。
5区(6.4km)は、今年の箱根駅伝5区で区間新記録を出した黒田朝日(GMOインターネットグループ)の弟、黒田然(3年)が大学三大駅伝デビュー。17分52秒で城西大の走者と並ぶ区間7位タイと、6区間で2番目に良い区間順位だったが、順位は11位のままだった。
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最長の6区(10.2km)は、今季に記録を伸ばしてきた前川竜之将(2年)が任された。こちらも三大駅伝は初出場で、30分25秒の区間9位。10位の城西大とは31秒差で、11位のままフィニッシュした。
| 区間 | 走者 | 区間記録(区間順位) | 通過順位 |
|---|---|---|---|
| 1区 8.0km | 石川浩輝(2年) | 22分48秒(2位) | 2位 |
| 2区 5.8km | 鳥井健太(4年) | 16分10秒(9位) | 8位 |
| 3区 8.5km | 飯田翔大(3年) | 24分39秒(11位) | 10位 |
| 4区 6.2km | 小河原陽琉(3年) | 17分59秒(11位) | 11位 |
| 5区 6.4km | 黒田然(3年) | 17分52秒(7位タイ) | 11位 |
| 6区 10.2km | 前川竜之将(2年) | 30分25秒(9位) | 11位 |
※大会公式記録より。総合記録は2時間9分53秒(11位)。
原監督が語った「駅伝力」とは
レース後の取材で、原監督は笑顔を見せなかった。「駅伝力がなかった」。速さはあっても、それを強さとして表現できなかった。そう敗因を口にすると、その中身をこう続けた。「我慢するところと、攻めるところが駅伝力。それが表現できなかった」。
監督が流れの分かれ目に挙げたのは2区の終盤だ。「1区はいい流れだったが、2区で先頭集団から離されて、負の連鎖が始まった」。関東勢で最下位という結果には「話にならない」と言葉を強めた。
大会前、原監督は今年の出雲を「俺たちの出雲駅伝大作戦」と名付けていた。10月10日に始まった日本テレビ系ドラマ「俺たちの箱根駅伝」にちなんだ作戦名で、監督自身も本人役で出演している。レース後、原監督はその作戦を「0点、いや、10点です。1区の石川浩輝(2年)だけは良かった」と総括した。
速さそのものは数字に出ていた。開会式があった10月11日の取材で、原監督はエントリー上位6人の5000mの平均が13分34秒66に上ることを踏まえ、「過去最高の5000メートルの仕上がり具合が出ている」と手応えを語っている。出場チームの中で3番目の数字だった。ただ、同じ日に「速さという側面は出ているけど、それがどう強さに変わっていくか、明日は見物」とも話していた。
前日に口にした課題が、そのまま翌日の結果に表れた。
初出場の2010年以来、11位はワーストタイ
大会公式の出場回数・順位表で、青学大の出雲の成績をたどる。初出場は2010年の第22回大会で、このときが11位。翌2011年は10位だった。
2012年の第24回大会で初優勝を飾ると、そこから青学大は出雲の常連の上位校になる。2015年と2016年に連覇し、2018年にも4度目の優勝。2014年は台風、2020年は新型コロナウイルスの影響で大会が中止された。
| 年(回) | 青学大の順位 |
|---|---|
| 2010年(第22回) | 11位 |
| 2011年(第23回) | 10位 |
| 2012年(第24回) | 優勝 |
| 2013年(第25回) | 5位 |
| 2015年(第27回) | 優勝 |
| 2016年(第28回) | 優勝 |
| 2017年(第29回) | 2位 |
| 2018年(第30回) | 優勝 |
| 2019年(第31回) | 5位 |
| 2021年(第33回) | 2位 |
| 2022年(第34回) | 4位 |
| 2023年(第35回) | 4位 |
| 2024年(第36回) | 3位 |
| 2025年(第37回) | 7位 |
| 2026年(第38回) | 11位 |
※出雲駅伝公式「出場回数・順位表」と第38回大会記録より。2014年(第26回)と2020年(第32回)は大会中止。
初優勝した2012年以降、青学大が出雲で2桁順位に沈んだのは今回が初めて。2桁順位そのものは2011年以来15年ぶりで、11位は初出場の2010年と並ぶワーストタイとなった。前年の7位からさらに4つ順位を下げ、8年ぶり5度目の優勝には届かなかった。
早大は大会新で16年ぶりV、上位7チームが大会記録超え
優勝は早稲田大学だった。2時間5分56秒は、駒澤大が第35回大会で出した2時間7分51秒を1分55秒縮める大会新記録。早大の出雲制覇は2010年度以来、16年ぶり3度目となった。2位は前回まで2連覇していた國學院大学で、早大とは58秒差。3位にはアイビーリーグ選抜が入った。
今年からスタート時刻が午前9時10分に早まり、レースは高速決着となった。7位の駒大までの7チームが、従来の大会記録を上回っている。青学大の2時間9分53秒は、その大会記録より2分以上遅いタイムだった。
早大の流れをつくったのは2区だ。1年生の本田桜二郎がトップと16秒差の7位でたすきを受け、6校を抜いて首位に立った。2区を終えた時点で、2位の中央大学から6位の國學院大まで5校が首位と5秒差以内にひしめいていた。
関連記事:本田桜二郎、出雲駅伝2区で6人抜き区間賞 鳥取城北高校出身、早稲田大学1年の19歳の経歴
次は11月1日の全日本、「箱根のシードは取れんぞ」と発破
出雲でのつまずきは、青学大にとって初めてではない。2025年も出雲は7位で始まり、全日本大学駅伝で3位まで持ち直してから、1月の箱根駅伝で3連覇を決めた。箱根では通算9度の優勝を重ねている。
原監督も、チームづくりの方針は変えない考えを示した。「ここ最近のうちのトレーニングの流れが、この出雲には合っていない。目標はその先の全日本や箱根」と語り、「抜本的なところは、今のところ変えるつもりはない」と言い切る。そのうえで、選手たちには危機感を求めた。「このままでは箱根のシードは取れんぞ、と発破をかけてやっていきたい」。箱根駅伝のシード権は上位10校に与えられる。
次の舞台は11月1日の全日本大学駅伝。8区間で争う伊勢路は、出雲より1区間あたりの距離が長い。「夏合宿からの(タイムの)上がりを見ると、全日本は楽しみにしています」と、原監督は2戦目での巻き返しを見ていた。
出雲を走った6人のうち、4年生は鳥井だけ。1区で2位につけた石川、三大駅伝で初めてたすきをつないだ黒田然と前川を含め、残る5人は2年生と3年生だ。速さを強さに変えられるか。青学大の次の答えは、約3週間後の伊勢路で出る。
[文/構成 by スポーツライター 南條楓]















































































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