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林愛望が日本福祉大で祝勝報告会、アジア大会で銅と銀 妹・林彩夢はアジアトライアスロンカップ優勝

林愛望が日本福祉大で祝勝報告会、アジア大会で銅と銀 妹・林彩夢はアジアトライアスロンカップ優勝

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン

トライアスロンの林愛望(はやし・まなみ、21)と妹の林彩夢(はやし・あやめ)が10月13日、2人が在学する日本福祉大学で祝勝報告会を開いた。姉は愛知・名古屋アジア大会で女子個人の銅メダルと混合リレーの銀メダルを手にした。妹は10月3日のアジアトライアスロンカップ(ニュータイペイ)でエリート女子を制した。

日本福祉大学で姉妹そろって祝勝報告会

報告会は10月13日、姉妹が通う日本福祉大学で開かれた。愛知県西尾市出身の2人は、ともに岡崎城西高等学校から同大スポーツ科学部へ進んだ姉妹で、姉の愛望は4年生、妹の彩夢は2年生にあたる。

報告会で愛望は「トライアスロンを始めるきっかけになった地元で開催されたアジア大会で、銅メダルと銀メダルを獲得することができて一安心しています」と報告した。地元開催への思いは、大会前から口にしていたものだ。

彩夢は「今年は骨折するケガがあったが、苦しいことを乗り越えて、優勝する事ができて嬉しく思います」と語り、けがを抱えたシーズンでつかんだ優勝を喜んだ。

大学の理事長や学長は、姉妹そろって世界的な大会でメダルを手にしたことを祝福。「大学にとって希望や光になっている」と感謝の言葉を伝えた。

大学は大会前から愛望を送り出していた。7月22日には美浜キャンパス文化ホールでアジア大会とアジアパラ大会に出場する在学生・卒業生3人の壮行会を開き、学生や教職員ら約200人が愛望らを送り出していた。そのとき愛望は「32年ぶりに日本、そして地元・愛知で競技が開催されるという奇跡的な機会に感謝しています」と述べ、金メダルを目標に掲げていた。

地元・愛知の蒲郡で個人銅、翌日の混合リレーで銀

アジア大会のトライアスロンは愛知県蒲郡市内の特設コースで行われた。女子個人は9月20日、スイム750m、バイク20km、ラン5kmのスプリントディスタンスで争われ、優勝は中国のLin Xinyu(57分37秒)、2位は同じく中国のHuang Anqi(57分58秒)。愛望は58分36秒で3位に入り、銅メダルを手にした。

ランでは中国勢のスピードに引き離されたものの、終盤を踏ん張って表彰台を守った。レース後には「最低でも表彰台に上がりたいと思っていた。最後の最後まで粘ってメダルが取れたことは良かった」と話している。

翌9月21日は混合リレーだった。男女2人ずつが1人あたりスイム300m、バイク6.6km、ラン2kmをつなぐ種目で、日本は平泉真心、定塚利心、林愛望、北條巧の順に出走。1時間26分45秒で中国(1時間25分54秒)に次ぐ2位で、銀メダルとなった。3位は香港・中国の1時間27分25秒だった。

同じ9月21日には、名古屋・栄の久屋大通公園に設けられた公式ファンゾーンでメダリストセレブレーションが開かれ、愛望は男子個人金メダルの北條とともに登壇した。「地元愛知での開催で金メダルを目指していたため悔しい部分もありますが、メダルを獲得できて嬉しいです」。会場でそう語った言葉には、悔しさとうれしさが同居していた。

愛望はアジア大会の女子個人から6日後の9月26日(現地時間)にスペイン・ポンテベドラで行われた世界選手権のエリート女子にも出場し、日本女子最高位の30位でフィニッシュしている。

妹・彩夢はニュータイペイで優勝、5月のベトナムに続く頂点

妹の彩夢が勝ったのは、10月3日にチャイニーズタイペイ・ニュータイペイで行われたアジアトライアスロンカップだ。アジアトライアスロン公認のスプリントディスタンス(スイム750m、バイク21.4km、ラン5km)で、エリート女子の彩夢は1時間2分4秒で優勝した。2位はドイツのSophie Gießmann(1時間2分20秒)、3位はアメリカのMichelle Magnani(1時間2分41秒)で、アジア以外の国の選手も抑えての勝利となった。

彩夢は5月16日にベトナム・タムチュックで行われたアジアトライアスロンカップでも1時間2分19秒で優勝しており、今季のアジアカップで2勝目。5月2日のフィリピン・スービックベイ大会では、姉の愛望が1時間2分29秒で優勝し、彩夢が1時間2分40秒で2位に続く姉妹のワンツーフィニッシュもあった。

報告会で彩夢は、今年骨折したことにも触れた。けがの時期や部位は伝えられていないが、その苦しい時期を越えての優勝を、彩夢は「嬉しく思います」と表現した。

彩夢は1年生だった2025年6月、蒲郡で行われた日本スーパースプリントトライアスロン選手権でも2位に入っている。姉が日本女子の第一線を走る一方で、2学年下の妹も国際大会で結果を出し始めた。

姉はロス五輪、妹はブリスベン五輪へ 10月25日は駅伝にも

報告会では、2人がそれぞれの大きな目標も語った。愛望は2年後のロサンゼルス五輪への出場、彩夢は6年後のブリスベン五輪への出場を掲げている。

愛望は小学5年でトライアスロンを始め、2022年の日本選手権では高校3年、17歳で史上最年少優勝を果たした。トライアスロンジャパン(旧・日本トライアスロン連合)の選手紹介によると、ロサンゼルス五輪へ向けて、特にランの強化に取り組んでいる。アジア大会でも、中国勢に差をつけられたのはランだった。

実績は年々積み上がる。2024年はアジアトライアスロンカップの大阪、蒲郡、宜蘭(チャイニーズタイペイ)、東京・海の森で4連勝し、同年のFISU世界学生トライアスロン選手権(ポーランド・グダニスク)で3位。2025年は10月の日本選手権で2022年以来2度目の優勝を果たし、世界選手権U23では4位に入った。同団体のNTTトライアスロン・ジャパンランキングでは2024年、2025年と2年続けて1位となっている。

ここで、もう一つの舞台が加わる。

2人は日本福祉大学陸上競技部にも所属している。女子駅伝チームは8月30日、岡崎市のマルヤス岡崎龍北スタジアムで行われた全日本大学女子駅伝の東海地区選考会で総合1位となり、初出場を決めた。1校6人の5000mタイムレースの合計タイムで争う選考会で、彩夢は17分44秒16の4位に入り、初の全国切符をつかむ力になった。

本大会は10月25日、弘進ゴム アスリートパーク仙台(仙台市陸上競技場)を発着点とする6区間38.0kmで行われる。大学が発表した出場メンバーには愛望、彩夢の名前がそろって入っており、2人はチームの一員として仙台へ向かう予定だ。チームは年末の富士山女子駅伝の出場権が得られる12位以内を目標にしている。

アジア大会のメダルと、アジアカップの優勝。トライアスロンで結果を残した姉妹は、10月25日、今度は駅伝メンバーとして仙台に挑む。

[文/構成 by スポーツライター 南條楓]

寄稿者

南條楓
学生時代に陸上の中距離を続けていたこともあり、記録で勝負が決まる競技に惹かれてスポーツを書くWebライターに。執筆歴は8年。陸上や水泳、体操、フィギュアスケートなど、記録と採点が結果を左右する競技を中心に、国際大会の速報から選手の歩みをたどる記事まで担当してきた。タイムや得点の意味、予選から決勝までの流れを、初めて観る人にも伝わる言葉で書くことを大切にしている。

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