資生堂ランニングクラブが2027年3月末で休部、資生堂が発表 クイーンズ駅伝2度優勝の歩みと五島莉乃ら選手の今後

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資生堂は2026年10月14日、女子陸上の実業団チーム「資生堂ランニングクラブ」を2027年3月末で休部すると発表した。理由は、本業とのシナジー効果が高い領域へ取り組みを集中する経営方針。1979年の発足から47年、クイーンズ駅伝で2度優勝した名門で、パリ五輪代表の五島莉乃ら7選手が所属する。会社は選手とスタッフの意向を最優先に、将来をサポートするとしている。
資生堂が休部を決めた理由と時期
発表は10月14日、資生堂の企業サイトのニュースリリースと、クラブの公式サイトの両方で出た。リリースは「2027年3月末日をもって、資生堂ランニングクラブの実業団としての活動を休止し、休部することを決定しました」と始まる。
会社が挙げた理由は、経営の方向性だった。資生堂は現在、グローバルで本業とのシナジー効果が高い領域へ取り組みを集中し、事業の成長性と収益性を高めることを目指している。リリースでは「発足当時とさまざまな環境が変化する中、この方針のもと熟考を重ねた結果、今回の決定に至りました」と説明した。
選手とスタッフについては「本人の意向を最優先に尊重し、一人ひとりの将来に向けて誠心誠意サポートをしていきます」と明記している。活動休止までの期間も「選手、スタッフが安心して最後まで競技に専念できるよう、会社として引き続き支援してまいります」とし、最後はこれまでの応援への感謝で結んだ。
一方で、所属選手それぞれの進路や移籍の有無は、発表の中で示されていない。休部まで、残りは約5か月半となる。
第1回東京国際女子マラソンの年に発足、47年の歩み
クラブの発足は1979年9月。この年の11月に第1回東京国際女子マラソンが開かれ、女子の長距離走が広く注目され始めた時期だった。スローガンは「強く、速く、美しく。」で、化粧品会社のチームらしい言葉を47年間掲げてきた。
発足後、まず存在感を示したのはマラソンだった。1991年の東京国際女子マラソンでは谷川真理が優勝し、クラブの名を広める。
その後、トラックで日本のトップに立ったのが弘山晴美だ。1500mや3000m、5000mで日本記録を塗り替え、1996年のアトランタ、2000年のシドニー、2004年のアテネと五輪に3大会連続で出場した。2006年には名古屋国際女子マラソンで初優勝を飾っている。
2009年には藤永佳子が名古屋国際女子マラソンの初マラソンで優勝し、同年のベルリン世界選手権にも出場した。2016年のリオ五輪では高島由香が女子1万mの日本代表となった。
2024年のパリ五輪には3選手を送り出した。女子1万mで五島莉乃が18位、高島由香が22位、女子マラソンでは一山麻緒が51位だった。高島は2026年3月末で退部し、現在は別の実業団に所属している。一山も同じ3月末で現役を引退した。
クイーンズ駅伝で2度の優勝、2022年は大会新記録
チームの看板は、全日本実業団対抗女子駅伝競走大会、通称クイーンズ駅伝だった。
| 大会 | 開催日 | 順位 | 記録 |
|---|---|---|---|
| 第26回 | 2006年12月17日 | 優勝(初) | 2時間14分00秒 |
| 第42回 | 2022年11月27日 | 優勝(2度目) | 2時間12分28秒(大会新記録) |
初優勝は2006年12月17日の第26回大会。クラブ史に「悲願の初優勝」と記される1勝で、発足から28年目のことだった。
長い空白を経て、流れが戻ったのは2021年だった。この年は予選会のプリンセス駅伝を大会新記録で初めて制し、本大会でも準優勝。2006年以来の表彰台で、5区の五島は区間新記録で区間賞を取った。
2度目の優勝は、その翌年に訪れる。2022年11月27日の第42回大会で、資生堂は宮城県松島町から仙台市までの6区間42.195kmを2時間12分28秒で走り切った。大会新記録での優勝で、2位の積水化学には2分01秒の差をつけている。
この年のメンバーは、1区から順に木村友香、佐藤成葉、一山麻緒、ジュディ・ジェプングティチ、五島莉乃、高島由香。6人中4人が区間賞を取った。5区10kmを31分40秒で走った五島は、大会の最優秀選手賞に選ばれている。ゴール後、木村は「たくさんの思いを結果に形に残せてうれしく思います」と話し、アンカーの高島は「後輩のみんなに助けてもらった」と語った。
その後も上位を保ち、2023年は4位、2024年は8位、2025年は5位と入賞を続ける。2025年11月の第45回大会では、3区の五島が区間新記録で区間賞を手にし、2026年大会のシード権を得た。
五島莉乃ら7選手が在籍、それぞれの今後は
クラブの公式サイトによると、2026年10月15日時点の所属選手は五島莉乃、風間歩佳、石田萌笑、立迫志穂、四元桃奈、正司瑠奈、武藤蒼衣の7人。スタッフはゼネラルマネージャー兼監督の川村浩之が率い、マラソン専任コーチの山下佐知子らが選手を支える。
中心にいるのは五島莉乃(28)だ。石川県金沢市出身で、星稜高校から中央大学を経て資生堂に入った。2022年のオレゴン世界選手権、2023年のブダペスト世界選手権と女子1万mで日本代表に選ばれ、2024年5月の日本選手権1万mでは優勝し、同年のパリ五輪で代表として走った。
その後はマラソンに挑む。2026年3月8日の名古屋ウィメンズマラソンで2時間24分44秒の7位(日本人5位)に入り、ロサンゼルス五輪代表を決めるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)の出場権を手にした。レース後には「MGCではしっかりと勝負できるように頑張りたいです」と話している。MGCは2027年10月に予定されていて、休部の後になる。
正司瑠奈(環太平洋大学出身)と武藤蒼衣(和歌山北高校出身)は、2026年4月に加入したばかりだった。2025年4月の日本選手権1万mでは立迫志穂が8位に入賞し、トラックでも結果を残している。
選手たちがどの道を選ぶのかは、まだ分からない。会社の発表は「本人の意向を最優先に尊重」するとしており、進路が決まるまでの過程も会社が支える方針だ。
資生堂として最後のクイーンズ駅伝は11月22日
休部前に残る大きな舞台が、2026年のクイーンズ駅伝だ。主催の日本実業団陸上競技連合によると、第46回大会は11月22日(日)、宮城県の松島町文化観光交流館前から仙台市陸上競技場までの6区間42.195kmで行われる。今年から号砲は正午に繰り上がった。
資生堂は2025年大会の5位でシード権を持ち、出場は11年連続35回目となる。休部が2027年3月末のため、資生堂のチームとして走るクイーンズ駅伝はこれが最後になる見込みだ。
女子長距離を半世紀近く支えてきた名門は、仙台での駅伝を終えた後も、2027年3月末まで実業団としての活動を続ける。
[文/構成 by スポーツライター 南條楓]














































































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