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菅原大奨、オリックス育成6位の指名あいさつ 鮮ど市場の鮮魚担当、金沢学院大学出身の25歳

菅原大奨、オリックス育成6位の指名あいさつ 鮮ど市場の鮮魚担当、金沢学院大学出身の25歳

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10月22日のドラフト会議でオリックス・バファローズから育成6位で指名された菅原大奨(25)=鮮ど市場=が11月2日、熊本市東区の鮮ど市場本社で球団の指名あいさつを受けた。普段はスーパーの鮮魚売り場で働く大型外野手で、この日は25歳の誕生日。「絶対に支配下登録を勝ち取って」と、プロでの目標を口にした。

誕生日に受けた指名あいさつ

11月2日、オリックスのスカウト陣が熊本市東区にある鮮ど市場の本社に到着した。指名のあいさつに訪れたスカウトは2人。菅原は「はじめまして」とあいさつし、来社への礼を伝えた。

スカウトからは岸田護監督のサインボールが手渡された。

2001年11月2日生まれの菅原にとって、この日はちょうど25歳の誕生日にあたる。指名あいさつと重なった誕生日を、菅原はこれまでの25年間で一番思い出に残る日になると話した。そのうえで「絶対に支配下登録を勝ち取って」と続け、応援してくれる人たちに結果で恩返しできる選手になりたいと語った。

育成選手は背番号3桁でスタートし、1軍の公式戦には出られない。1軍の舞台に立つには、1球団70人までの支配下選手の枠に入る支配下登録を勝ち取る必要がある。シーズン中に支配下へ切り替えられるのは7月末までで、育成契約のまま3年が過ぎると、いったん自由契約になる決まりもある。菅原が掲げた目標は、育成選手にとって最初の大きな関門だ。

スカウトが評価した「飛ばす能力」

指名の決め手は長打力だった。あいさつに訪れた縞田拓弥スカウトは、現役時代にオリックスで内外野を守り、2018年限りでユニホームを脱いでスカウトに転身した。九州・沖縄地区を担当し、宮城大弥や山下舜平大といったドラフト1位投手の担当も務めた人物だ。

その縞田スカウトは「飛ばす能力に関しては」と前置きしたうえで、群を抜いていると感じていると評価した。異色の経歴に目が向きやすいが、球団が評価したのは長距離打者としての力だった。

ドラフト後に公表された球団のコメントでも、評価の中心は打撃だった。「長打力が最大の魅力の大型外野手」とし、全方向へ本塁打を打てる打撃で、将来はクリーンアップを狙える素材だと紹介している。

身長188センチ、体重95キロ。右投げ左打ちの外野手で、恵まれた体格を生かした長打が持ち味だ。社会人野球の現場で積み重ねた打席が、プロのスカウトの目に留まった。

鮮魚売り場から届いたドラフト指名

ドラフト会議当日、オリックスの育成6位として読み上げられた菅原の所属は「鮮ど市場」だった。野球チームではなく、熊本を拠点にする生鮮スーパーの名前が所属として出たことで、ファンの間で話題になった。

背景には、菅原自身の決断がある。

宮城県出身。宮城県利府高等学校から2020年4月に金沢学院大学(石川県金沢市)へ進み、硬式野球部では左の指名打者として打線を担った。2024年3月に大学を卒業すると熊本へ移り、鮮ど市場に勤めながら、同社が母体の社会人野球チーム「熊本ゴールデンラークス」でプレーを始めた。チームでは4番・右翼を任された。

勤務先の鮮魚コーナーで働きながら、野球を続ける毎日だった。ところが2026年、菅原は本人の意向でゴールデンラークスを退団する。鮮ど市場の仕事に専念するための決断で、プレーしたのは10月までだった。

その退団の直後に、プロからの指名が届いた。本人の意向での退団は、ゴールデンラークスの公式インスタグラムでも伝えられていた。ドラフト会議で読み上げられた所属が野球チームではなく勤務先の名前だったのは、指名の時点で菅原がすでにチームを離れ、鮮ど市場で働いていたからだった。

ドラフト当日、菅原は指名を「もしかしたらと思っていたが、本当に指名されてびっくり」と受け止めた。指名直後から、支配下入りして結果で恩返しをしたいと話しており、11月2日の指名あいさつでも同じ思いを口にした。

金沢学院大学からも届いたエール

母校の金沢学院大学は、卒業生の育成指名を公式サイトで伝えた。菅原は大学の後輩たちに向けて、チャンスをつかみ取って活躍する姿を見せたいと意気込みを語っている。

同大学硬式野球部の角尾貴宏監督は「プロの世界に入ることはゴールではなく、あくまでスタート」と話し、左の長距離砲としての活躍に期待を寄せた。2024年春の卒業から2年半あまり。熊本で働きながら打ち続けた卒業生が、NPBの入り口にたどり着いた。

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オリックスの2026年ドラフト指名選手

10月22日のドラフト会議では、12球団が支配下76人、育成51人の計127人を指名した。オリックスは支配下6人、育成6人の計12人。育成6人はソフトバンクの15人に次ぐ人数で、日本ハムと巨人の5人を上回った。日本野球機構の選択選手一覧によると、オリックスの指名選手は次のとおり。

順位選手守備所属
1位角田楓斗投手富士大学
2位仲井慎投手駒澤大学
3位春山陽登外野手大阪商業大学
4位近藤琉唯斗投手小樽双葉高
5位野村亮輔投手佛教大学
6位千葉汐凱投手Honda
育成1位黒川凌大投手花咲徳栄高
育成2位井尻琉斗捕手仙台大学
育成3位吉田健吾捕手栃木ゴールデンブレーブス
育成4位河田ハウエルエバン盛児内野手上武大学
育成5位若藤季柊内野手同朋大学
育成6位菅原大奨外野手鮮ど市場

支配下の上位は投手が並び、野手は3位の春山陽登だけだった。育成でも投手1人、捕手2人、内野手2人と続き、育成の外野手は最後の6位で指名された菅原ひとりになる。

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支配下登録へ向けた次の一歩

25歳での入団は、高校生や大学生の指名選手より年齢が上になる。ファームの試合で早く結果を残すことが、支配下への近道になる。

菅原が目指すのは、まず支配下登録だ。鮮魚売り場で魚を扱いながらバットを振った熊本での日々から、プロの練習漬けの毎日へ環境は大きく変わる。スカウトが高く評価した打球の飛距離を、プロの投手を相手にどこまで発揮できるか。熊本の鮮魚売り場から生まれた異色の外野手が、オリックスで勝負を始める。

[文/構成 by スポーツ担当ライター 高瀬翔吾]

寄稿者

高瀬翔吾
Webメディアでスポーツ、エンタメ、時事ニュースなど、累計数千本の記事制作に携わってきたスポーツ系ライター。野球分野では、プロ野球の試合結果や選手の記録をはじめ、MLB、高校野球、ドラフト、移籍、契約更改などの記事を継続的に担当。数字や公式記録を基に情報を整理する記事を得意としており、結果を伝えるだけでなく、その記録が持つ意味や、選手・球団を取り巻く背景までわかりやすく解説することを心がけている。主な執筆分野は、プロ野球、MLB、高校野球、侍ジャパン、ドラフト、移籍情報。

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