前川右京選手、復帰即スタメンで2失策 本人は「捕らないといけないんで申し訳ないです」

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前川右京(23)=阪神=が8月2日のヤクルト戦(神宮)で1軍に緊急昇格し、「6番・左翼」で先発出場した。死球による右肩甲骨骨折からわずか16日での復帰、しかし守備では痛恨のミスが続く。試合後は「捕らないといけないんで申し訳ないです」と繰り返し、悔しさをにじませた。
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16日ぶりの実戦復帰、まさかの2失策
前川は8月2日、敵地・神宮球場でのヤクルト戦に「6番・左翼」で先発出場した。左投左打で、高い打撃技術を持ち味とする外野手だ。1軍復帰後、初めてのスタメン起用となる一戦だった。
初回1死一、二塁の場面。増田の左前適時打を処理した後、三塁への送球が大きく浮き、悪送球となった。ジャンプした三塁手のグラブをかすめ、ボールはファウルグラウンドを転々とする。さらに4回2死二塁では、代打・西村が放った左中間への飛球に追いついたものの、グラブに当てながら後逸した。この2つ目のミスは、守備側のプレーが原因で本来防げたはずの得点を許した際に記録される適時失策として扱われている。
守備でつまずく一方、打席では粘りを見せた。2回には内野安打で出塁した。このほか四球も選んでおり、守備さえ崩れなければ、上々の滑り出しになっていたはずだ。骨折による離脱から日が浅く、実戦復帰1試合目でいきなり守備の重要な場面を任された巡り合わせも、前川にとっては厳しい試練になった。
死球で右肩甲骨骨折、超速の16日復帰
話は7月17日の広島戦(マツダスタジアム)にさかのぼる。前川はこの試合で死球を受け、右肩甲骨を骨折した。骨折の診断を受け、そのまま1軍登録を抹消される事態となった。通常であれば、もう少し長い期間を要してもおかしくないけがだ。
転機は前日の8月1日に訪れる。ファーム・広島戦で「4番・左翼」に入ると、5打数3安打1四球という好内容をマークした。復帰後初となる本塁打も放ち、状態の良さを結果で示している。骨折の原因となった相手と同じ広島戦で結果を残したのも、巡り合わせといえる。
この動きを受け、阪神は骨折からわずか16日というスピードで前川を1軍へ緊急昇格させる。本来は2軍でしばらくフル出場をこなす予定だったといい、即実戦投入は編成上も異例の早さだった。この日は中野拓夢がベンチスタートとなり、前川に「6番・左翼」の座が用意されている。
骨折からの復帰は、通常であれば2軍戦で実戦の勘を取り戻す期間を長めに取ってから1軍に合流する段取りを踏む。今回は直近のファームでの好調ぶりを踏まえ、負傷離脱から2週間あまりというスピードで公式戦のスタメンに立たせる決断だった。それだけチームが前川の状態と勝負強さに期待をかけた表れでもある。
「捕らないと」悔いた適時失策の内幕
最も悔やまれたのは4回の場面だ。前川は試合後、「(4回は)捕らないといけないんで申し訳ないです。とにかく結果を残すしかなかったんで」と同じ言葉を繰り返し、反省を口にした。
この失策が絡んで同点に追いつかれる展開となり、先発の下村海翔(24)は試合途中で降板し、プロ入り初勝利のチャンスを逃した。要所を締めながら試合をつくっていただけに、味方の乱れで白星を逃す格好になった。前川はベンチに戻る際、帽子を取って下村に頭を下げ、直接わびる姿も見せている。
エラーの直後、ベンチで頭を下げる若手野手と、それを黙って受け止める先発投手。実戦復帰1試合目にして、前川は勝敗を左右しかねない重圧を背負う形になった。骨折からの日が浅いだけに、体の動きと感覚のズレが影響した可能性もありそうだ。
下村にとっても、この一戦はキャリアの節目になり得た試合だった。まだつかんでいないプロ初勝利のかかった登板で、味方のミスによって勝ち星のチャンスが消える展開は、若い投手にとって割り切れないものがあっただろう。前川の謝罪は、そうした状況への責任の取り方でもあった。
藤川監督が語った期待、接戦制す阪神
試合は阪神が4-3で競り勝ち、前川自身も白星の輪に加わった。守備の乱れはあったが、チームとしては勝ち星を積み上げている。
試合後、藤川球児監督は前川について「また明後日からチームの中に入って、いい歯車として機能してくれることを願います」と語った。この日の失策よりも、今後の巻き返しに期待を寄せる口ぶりだ。
骨折からわずか16日での実戦復帰は、前川の仕上がりの良さと、チームが即戦力を欲した台所事情の両方を映し出す。守備の綻びをどう立て直すか。復帰2戦目以降、前川がどんな動きを見せるかに視線が集まる。
痛い形での復帰戦となったものの、前川自身は試合を通じて「結果を残すしかなかった」と口にしたように、打席では前向きな姿勢を貫いた。守備のリズムを取り戻せるかどうかが、超速復帰を本当の意味で成功させられるかの分かれ目になりそうだ。
[文/構成 by スポーツライター 高瀬翔吾]







































































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