高校野球7回制、巨人・田中将大投手が「7回制はないと思います」と反対 代替案にドーム球場や分散開催

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高校野球で導入が検討される「7回制」に、巨人の田中将大投手(37)が反対の考えを示した。日本高野連の検討委員会は2028年春の選抜大会をめどに全公式戦での導入が望ましいとする提言をまとめているが、田中は「7回制はないと思います」と明言。酷暑対策の代替案として、ドーム球場の活用や試合の分散開催を提案した。加盟校アンケートでも約7割が反対しており、議論は簡単には決着しそうにない。
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田中将大「7回制はない」と明言
巨人の田中将大投手が、高校野球への7回制導入をめぐって反対の立場を明らかにした。日本高野連の検討委員会は「2028年の採用が望ましい」とする提言をまとめている。その中で田中が日刊スポーツの取材に語ったのが、次の言葉だ。
「7回制はないと思います。もっと他にやるべきことがあるのではないでしょうか」
野球の試合構成そのものにも触れ、9回制を維持すべきだとの考えを重ねて示した。
「野球は9回。そこを動かすのはどうなのでしょうか」
楽天時代の恩師で、2020年に亡くなった野村克也さんの言葉を引きながら「野球は3の倍数でできている」という持論も明かしている。ストライクは3つ、アウトも3つ、そして9回。数字の並びの中に、野球という競技の骨格があるという考え方だ。
酷暑対策から浮上した7回制論争
なぜ今、7回制が議論の的になっているのか。発端は、夏の甲子園を襲う酷暑への対策だ。プレーする選手だけでなく、応援するブラスバンド部員や観客の熱中症リスクも課題に挙がっている。
日本高野連の検討委員会は2025年12月に最終報告書をまとめ、2028年春の選抜大会をめどに全公式戦で7回制を採用するのが望ましいとの提言を出した。これを受け、日本高野連は4〜6月にかけて全国9地区で都道府県高野連向けの説明会を開いた。5月下旬と6月上旬には、大阪桐蔭の西谷浩一監督や掛川西の大石卓哉監督、整形外科医、日本ハムの元監督である栗山英樹氏らを交えた意見交換会も2度開いている。7月31日には大阪市内で理事会を開き、これらの結果を報告した。
だが、日本高野連は「まだ十分な理解が得られたとは言いがたい」との認識を示す。継続した説明と情報発信に丁寧に取り組む方針で、導入の可否や時期に最終的な結論は出ていない。今夏の甲子園も、従来通り9回制のまま行われる。
ドーム球場や分散開催という代替案
田中が代替案として挙げたのが、開催地や開催方式の見直しだ。
「(開催場所を)変えてもいいのでは」
そう切り出し、ドーム球場の活用に言及した。
「ドーム球場でやるのはダメなのでしょうか」
関西圏での開催が続く前提なら、球児たちの目標が甲子園だけでなく「京セラ(ドーム)」にも広がる可能性に触れ、すべての試合を分散させるのではなく準決勝・決勝は甲子園で行うといった組み合わせも一案とした。出場機会そのものを7回制で減らすのではなく、開催の枠組みを変えることで暑さ対策と競技性を両立させる発想だ。
この主張の背景には、田中自身の高校時代の経験がある。駒大苫小牧の3年時、2006年の全国高校野球選手権大会決勝で早稲田実業のエース・斎藤佑樹投手と投げ合った。1-1のまま延長15回でも決着がつかず、37年ぶりの決勝引き分け再試合となった。田中は翌日の再試合にも登板し、2日間の合計で20回、249球を投げ抜いたが、駒大苫小牧は敗れて3連覇を逃している。出場機会の重みも投げ抜く厳しさも知るからこそ、田中は7回制に慎重な考えを崩さない。
現場からも反対相次ぐ 加盟校の7割が反対
田中の主張は、現場の声とも重なる部分が多い。日本高野連が加盟校を対象に行ったアンケートでは、約7割が7回制導入に反対と回答した。反対理由で最も多かったのは、打席数や投球回数が減ることでプレー機会が失われるという懸念だ。
大阪桐蔭の西谷監督は意見交換会で「たかが2イニングではない」と述べ、9回制を前提にした対応策を探るべきだと主張した。掛川西の大石監督も「高校生にとって1イニングは成長の貴重な機会」との考えを示している。石川県内で行われた独自アンケートでも、回答した43校のうち21校が反対を明記し、賛成と答えた学校はゼロ。
一方で、7回制に理解を示す声もある。意見交換会に参加した整形外科医らは、熱中症対策としての効果を指摘した。夏場の酷暑が年々厳しさを増す中、選手の健康を守る仕組みづくりも避けて通れない課題だ。反対と賛成、それぞれの言い分に理由があるからこそ、結論が出ないまま議論が長引いている。
揺れる高校野球のこれから
7回制導入をめぐる綱引きは、当面続く見通しだ。日本高野連は今後も丁寧な説明を重ねる方針で、2028年春の導入時期も含めてなお流動的な状況にある。
9回制を守りながら別の解決策を探るべきだという田中の主張は、反対する現場の指導者たちにとって追い風となりそうだ。高校野球は100年を超える歴史の中で、大会規定や用具のルールなど、時代に応じた見直しを重ねてきた。だが、9回という競技の根幹に触れる変更は、これまでとは重みが違う。
暑さから選手を守る現実的な必要性と、積み重ねてきた9回制の伝統。この両立点をどこに見いだすか、日本高野連は加盟校や田中のような当事者の声を踏まえ、判断を下す。
[文/構成 by スポーツライター 高瀬翔吾]


































































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