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森田真紀さん、甲子園の開幕試合で二塁塁審 全国大会で女性が審判員を務めるのは初めて

森田真紀さん、甲子園の開幕試合で二塁塁審 全国大会で女性が審判員を務めるのは初めて

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第108回全国高校野球選手権大会の開幕戦で8月5日、埼玉県の森田真紀さん(49)が二塁塁審を務めた。日本高野連が今大会から女性審判委員5人を起用し、全国大会での女性審判ジャッジは春夏の甲子園を通じて史上初となる。森田さんは埼玉県内の中学校で教壇に立ちながら、20年以上にわたって高校野球の審判を続けてきた。

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開幕戦で二塁塁審、全国大会史上初の女性ジャッジ

開幕戦は8月5日17時30分、南北海道代表・札幌日大と宮城代表・仙台育英の一戦だった。この試合で森田さんは二塁塁審としてグラウンドに立ち、全国高校野球選手権大会で女性審判が判定を下すのは春夏を通じて初めてとなった。

日本高野連は今大会、都道府県高野連からの派遣を除く46人の審判委員のうち5人を女性とした。森田さんのほか、岩男香澄さん(神奈川)、佐藤加奈さん(埼玉)、松本京子さん(佐賀)、和田佳奈さん(栃木)が名を連ねる。派遣審判委員も前年の8人から16人に増員している。

非常勤講師時代に始めた審判、10年のブランクを経て聖地へ

森田さんが審判を始めたのは、大学卒業後、県内の高校に非常勤講師として勤務していた時期だ。野球部の顧問に頼んで、放課後の練習に「お手伝い」として加わったのがきっかけだった。部活動を支える中で自然と審判も務めるようになり、以来20年以上、埼玉県内で唯一の女性審判としてグラウンドに立ち続けてきた。

道のりは平たんではなかった。2児の母である森田さんは、子育てのために10年間、審判活動を休止した時期がある。それでも審判仲間の支えを受けてグラウンドに戻り、今回、聖地・甲子園でのジャッジという大役に選ばれた。

普段は中学校でバレー部の顧問も務めながら、週末は野球のグラウンドに立つ。埼玉県内では長らく唯一の女性審判として活動を続けてきており、今回の起用は、その積み重ねが評価された結果でもある。

5人の女性審判、それぞれの背景

今大会に起用された5人は、いずれも地方大会での経験を積んで全国大会に臨んだ。

岩男香澄さんは、全国高校女子硬式野球選抜大会で優勝した経験を持つ元選手で、卒業後に審判の道へ進み、現在は看護師として働く。佐藤加奈さんは2児の母で、中学校の野球部顧問を任されたことをきっかけに、10年ほど前から審判を務めている。松本京子さん(47)は病院で事務職として働きながら審判活動を続けており、「目標はずっと甲子園だった」と語る。和田佳奈さんは宇都宮工業高校出身で、アジア大会の審判も経験してきた。

5人はいずれも、それぞれの所属県で長年審判を務め、地方大会での実績を積んできた顔ぶれだ。

日本高野連の井本亘事務局長は、女性審判起用の背景について「若い方が審判委員になられることが全国的にうまくいっているところとうまくいっていないところがある」としたうえで、「志される方は男性女性問わず一人でも多くの方にやっていただきたい」と説明している。2024年には全国の女性審判委員7人が全国審判講習会に女性として初めて参加し、2025年には同じ7人が甲子園で行われた高校軟式野球の交流試合で塁審などを務めて経験を積んだ。今大会に起用された5人は、こうした準備を重ねてきたメンバーの中から選ばれている。

他競技でも広がる潮流、審判員不足という背景も

女性審判の起用が広がっているのは高校野球に限らない。サッカーのワールドカップ、オリンピックの柔道、ラグビーのリーグワン1部など、他競技でもジェンダー平等の観点から女性審判の活躍の場が広がっている。

一方で、アマチュア野球団体の多くが抱える構造的な課題も背景にある。ボランティアで活動する審判員の成り手不足と高齢化だ。女性審判は、その新たな担い手として期待されている。

今大会は、ビデオによるリプレイ検証も初めて導入されており、大会運営はいくつもの新しい試みが重なる年となった。日本高野連はリプレイ検証について、より正確な判定を返す狙いに加え、SNSの広がりで深刻化する審判への誹謗中傷への対応という側面も挙げている。女性審判の起用とリプレイ検証は別々の施策だが、いずれも高校野球の運営を支える審判制度を見直す動きという点で軌を一にしている。

全国大会での運用実績、今後の広がりに注目

日本高野連は、まず注目度の高い全国大会で運用し、知見を蓄積していく方針を示している。地方大会では審判用の機材不足や人手不足が課題として残っており、全国大会での実績が今後の広がりを左右する。

聖地でのジャッジという一つの区切りを経て、森田さんたち5人の女性審判が高校野球の現場にどう根を張っていくか。開幕戦での一歩は、その最初の局面となった。

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[文/構成 by スポーツライター 高瀬翔吾]

寄稿者

高瀬翔吾
Webメディアでスポーツ、エンタメ、時事ニュースなど、累計数千本の記事制作に携わってきたスポーツ系ライター。野球分野では、プロ野球の試合結果や選手の記録をはじめ、MLB、高校野球、ドラフト、移籍、契約更改などの記事を継続的に担当。数字や公式記録を基に情報を整理する記事を得意としており、結果を伝えるだけでなく、その記録が持つ意味や、選手・球団を取り巻く背景までわかりやすく解説することを心がけている。主な執筆分野は、プロ野球、MLB、高校野球、侍ジャパン、ドラフト、移籍情報。

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