AI生成レシート、マネーフォワードの松岡俊CAO「企業側が自力で見破ることは難しい」 経費精算の対策3つ

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生成AIで作ったコンビニのレシート画像が、本物と見分けにくいほど精巧だとXで話題になった。マネーフォワードで財務・会計実務を統括する松岡俊CAOは、企業側が自力で偽造を見破ることは難しいと警告する。生成AIの登場で経費精算の不正リスクが高まる中、有効な対策として3つの方法を挙げた。
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架空店名なら”本物そっくり”に再現
米OpenAIは2026年9月8日(現地時間)、画像生成機能「ChatGPT Images 2.5」を発表した。従来より画像の細部や忠実度、編集精度を高め、生成速度も向上させたという。デスクトップ・モバイル・Web版のChatGPTに加え、ChatGPT WorkやCodexでも使えるようになった。
セブン-イレブンのレシートを撮影したように見える画像が、発表からほどなくXで拡散した。一見すると通常のレシート写真だが、実際はChatGPT Images 2.5で生成したものだ。画像の精巧さに驚く声が相次ぎ、経費精算への悪用を懸念する反応も広がった。
生成の実態を確かめる検証も行われた。実在する店舗名までは再現できなかった一方、店名を架空のものに変えると、ロゴやレイアウト、商品名、価格など店舗名以外の要素は本物に近い形で再現できたという。わずかな操作で、ここまでの完成度。
電子帳簿保存法の前提が崩れた
領収書をデジタル保存する際のルールを定めた電子帳簿保存法は、受領から一定期間内にスマートフォンなどで撮影・スキャンし、タイムスタンプを付与することで改ざんを防ぐ仕組みだ。その背景には「短い期間では、領収書を偽造・加工する時間はないだろう」という前提があった。
生成AIの登場で、この前提は崩れつつある。短時間で偽の領収書画像を作成できるようになったからだ。税務調査では、インボイス制度の登録番号を基に売り手側と買い手側の数値を照合する手段がある。だが一般企業には、同様の照合手段がない。
松岡俊CAOが指摘する見破りの限界
マネーフォワードで財務・会計実務を統括する松岡俊CAO(公認会計士)は、「AIで偽造された領収書画像を見せられた場合、企業側が自力で見破ることは難しい」と述べた。生成AI以前から、領収書の加工による架空の立替経費精算は課題として認識されていたという。マネーフォワードは、近年のAIの進化によってそのリスクが増大したと考えているという。
画像の見た目だけで偽造を見抜こうとする発想には限界がある。松岡氏が強調するのは、”領収書そのものに頼らない仕組み”を作る発想への転換だ。
松岡氏は2026年1月、生成AIと経理実務をテーマにした著書『経理×AI入門』を出版している。AI時代の経理担当者に向けた実践的なケース集で、今回の指摘も一連の問題意識の延長だ。
会計の専門家も警戒を示した
ChatGPT Images 2.5で生成したレシートは、会計の専門家にも警戒感を与えた。公認会計士の兎耳山ルカ氏はXで「ChatGPT Images 2.5で生成したレシート もはや写真と識別することは難しく、会計人としてはけっこう怖い」と投稿し、表示回数145万回超・いいね6000件超の反響を呼んだ。バックオフィス担当者の間でも、自社の承認フローで見抜けるかどうかが不安視されている。
その懸念を裏付けるように、海外では実害を示す集計データも出ている。経費管理サービスを手がける米AppZen(アップゼン)の分析では、企業が不正の疑いで検知した領収書のうち、生成AIで作られたものの割合は2025年3月の0%から2026年5月には70.8%まで急上昇した。174社・745人の従業員から、生成AIによる偽レシート1471件、金額にして14万8143ドル相当が見つかったという。日本国内でもいずれ同じ構図が起きうる。
経費精算を守る3つの対策
松岡氏が挙げる具体策は3つある。
1. キャッシュレス決済への一本化
コーポレートカードを配布し、社員の支払いをキャッシュレス決済に一本化する。決済データを経費精算システムに直接取り込む仕組みだ。
2. 個人カード利用時のデータ連動
社員が個人のクレジットカードで支払う場合でも、決済データをシステムに連動させれば、明細から実際に支払いがあったかを確認できる。カードで支払えるにもかかわらず領収書による立替精算を申請する社員には理由を確認し、デジタル決済への切り替えを促す方法もあるという。
3. 原本保管と抜き打ち確認
システムでの確認が難しい支払いについては、領収書の原本保管をルール化し、抜き打ちで確認する運用だ。決済データとの連動などの技術活用と、必要に応じた原本確認というアナログな運用を組み合わせることで、より確実な実効性を担保できるとしている。
技術と運用、その両輪でのリスク管理。
マネーフォワードの経費精算サービス”マネーフォワード クラウド経費”は、コーポレートカードや外部サービスとつなぎ、実際に支払いが発生したことを示すデータを併用する仕組みをすでに備える。領収書だけでは精算できない設計のため、現状の機能でも一定の不正防止が可能だという。AIで生成した領収書を検知する仕組みについては「検討を進めている」段階だ。
生成AIの精度が上がるほど、画像そのものへの依存は危うくなる。経費精算のルールをどう見直すか、多くの企業にとって避けて通れない課題になりそうだ。
[文/構成 by MEDIA DOGS編集部]






























































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