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大の里、秋場所4日目に高安の突き倒しで初黒星 高安は36歳6カ月で通算7個目の金星

大の里、秋場所4日目に高安の突き倒しで初黒星 高安は36歳6カ月で通算7個目の金星

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大相撲秋場所4日目の9月16日、初日から3連勝の横綱大の里が東前頭2枚目の高安に突き倒されて初黒星を喫した。元大関の高安にとっては通算7個目の金星で、36歳6カ月で手にしたのは昭和以降に新入幕した力士で9番目の年長記録。全勝は大関琴桜ただ一人になった。

強烈な立ち合いで横綱を後退させ、土俵際で一回転

大相撲秋場所は9月13日(日)に東京・両国国技館で初日を迎え、16日(水)に4日目を行った。東横綱の大の里(26)=二所ノ関=は、東前頭2枚目の高安(36)=田子ノ浦=と対戦し、決まり手は突き倒し。大の里は3勝1敗、高安は2勝2敗となった。

一番は立ち合いで決まった。胸から当たった高安の強烈な当たりに横綱は後退し、引いてしまう。右へ回り込んでいなそうとしたものの、自分の体勢を崩し、最後は土俵の外へ飛ぶように落ちていった。

攻めた高安も勢い余って土俵際まで進んでいた。左足1本を俵に乗せ、くるりと一回転して体を残し、相手が先に土俵を割るのを見届けた。館内は大きくどよめき、SNSでも両者の身のこなしに驚く投稿が相次いだ。

大の里は取組後、「ああいう形になってしまった」と語り、翌日からは前に出る意識で臨むと切り替えた。日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は「横綱の当たりが弱い」と指摘した。幕内後半戦の審判長を務めた尾上親方(元小結浜ノ嶋)は「横綱の当たりも良かったけど高安がそれ以上だった」と、高安の立ち合いを評価している。5日目は前頭2枚目の義ノ富士と対戦する。

1年半ぶりの勝利、大の里には6連敗していた

高安は大の里と同じ二所ノ関一門で、大の里の師匠である二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)の弟弟子にあたる。大の里は入門前の体験入門で、出稽古に来ていた高安から「この部屋なら間違いない」と背中を押され、初めての巡業でも細かなことまで教わった。2025年に大の里が横綱へ昇進すると、高安は横綱土俵入りの太刀持ちを任された。

その高安は、横綱になる頃の大の里について「もう勝てないかもしれない。それくらい強い」と口にしていた。実際、この一番まで優勝決定戦を含めて6連敗していた。大の里に勝ったのは約1年半ぶりで、横綱昇進後の大の里からは初めての白星となった。

さかのぼると2025年3月場所、平幕の高安は本割で大関だった大の里を破り、12勝3敗で千秋楽を終えた。ところが、同じ12勝3敗で並んだ大の里との優勝決定戦に敗れ、初優勝を逃している。この場所から続いた連敗を、横綱になった大の里を相手に止めた。

取組後の高安は「気持ちいいですね。これだけの歓声を浴びると。やりがいがあります」と笑顔を見せた。さらに「金星はうれしいこと。前向きになりました。破竹の勢いで上がってきた横綱ですから。強い人に勝つというのは達成感があります」と続けている。

関連記事:大の里、秋場所2日目も白星で2連勝 綱取り目指す霧島や大関復帰の安青錦も勝利

36歳6カ月、13年かけて積み上げた7個の金星

金星は、平幕の力士が横綱に勝ったときに与えられる勲章で、手にするたびに給金(力士褒賞金)が加算される。高安は1990年2月28日生まれで、9月16日時点の年齢は36歳6カ月。昭和以降に新入幕した力士の中で、金星を挙げたときの年齢としては9番目に高い記録となった。41歳の玉鷲が十両に下がった7月の名古屋場所からは幕内最年長で、金星7個は現役では玉鷲の8個に次いで2番目に多い。

初金星は2013年3月場所で、平成生まれの力士として初めての金星だった。それから13年余りの間に、5人の横綱から7個を手にしている。

場所破った横綱通算
2013年3月場所日馬富士1個目
2013年7月場所日馬富士2個目
2014年11月場所日馬富士3個目
2014年11月場所白鵬4個目
2022年9月場所照ノ富士5個目
2025年3月場所豊昇龍6個目
2026年9月場所大の里7個目

2014年11月場所では3日目に日馬富士、6日目に白鵬と2横綱を破り、殊勲賞を受賞した。一方、2022年9月場所の照ノ富士戦は、前回の金星から46場所ぶり。昭和以降で2番目に長いブランクとして報じられた。

2025年3月場所は中日に新横綱の豊昇龍から金星を挙げ、その後も大関の琴桜、大の里を破っている。平幕が横綱・大関を全員倒す活躍で、この場所では技能賞も受けた。

元大関、幕内優勝には届かず続く挑戦

茨城県土浦市出身の高安は、2005年3月場所で初土俵を踏み、2011年7月場所で新入幕を果たした。2013年9月場所で平成生まれ初の三役に昇進し、2017年7月場所で大関に上がっている。最高位は大関で、幕内最高優勝の経験はない。

優勝争いには何度も絡んできた。2022年は3月場所で若隆景に、11月場所で阿炎に、いずれも優勝決定戦で敗れている。2025年3月場所の大の里戦を含め、あと一歩で賜杯を逃した場所の多さでも知られる。

2026年は1月場所を西関脇で8勝7敗、3月場所を7勝8敗で終えた。西小結の5月場所は3日目の取組で土俵下に落ち、4日目から休場。西前頭7枚目に下がった7月場所で11勝4敗と盛り返し、7回目の敢闘賞を受けた。三賞の受賞は通算14回を数える。

秋場所を前にした夏巡業では左の内転筋を痛め、状態が心配されていた。初日に大関琴桜、2日目に大関安青錦に敗れて2連敗。ところが3日目、綱とりに挑む大関霧島を破ると、4日目に横綱も倒し、上位陣を相手に星を五分に戻した。

関連記事:藤ノ川が横綱豊昇龍を撃破、名古屋場所で2日連続金星、21歳の経歴と父・甲山親方を整理

波乱の4日目、全勝は琴桜ただ一人に

大の里は2025年7月場所から横綱を務め、幕内優勝は通算5回。2025年9月場所では13勝2敗で賜杯を抱いた。ただ2026年は3月場所を途中休場し、5月場所は全休。7月場所は9勝6敗に終わり、秋場所では1年ぶりの優勝を目指している。初日は小結大栄翔、2日目は東前頭筆頭の琴勝峰、3日目は西前頭筆頭の琴栄峰を退けていた。

もう一人の横綱、豊昇龍は右ひざのけがで7月に手術を受け、秋場所は初日から休場している。休場は3場所連続。出場している横綱は大の里だけで、その横綱に土がついた。

4日目は上位にも黒星が並んだ。大関安青錦は新小結の伯乃富士に押し出されて初黒星を喫し、3勝1敗。3日目に高安に敗れていた大関霧島は、西前頭筆頭の琴栄峰を寄り切って3勝目を挙げた。大関昇進を目指す関脇熱海富士は藤凌駕を下して3勝1敗とした。新関脇の藤ノ川は前頭筆頭の琴勝峰に押し出されて2勝2敗となっている。

その中で、大関琴桜は前頭3枚目の豪ノ山を上手投げで退けて4連勝。初日から白星を並べるのは琴桜だけになった。1敗で大の里、霧島、安青錦、熱海富士らが追う。

15日間の場所は、まだ4日目を終えたばかり。1差で追う立場になった横綱が、どこまで立て直すのか。上位陣の直接対決は終盤に組まれる。

[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]

寄稿者

久遠(KUON)
WEBライター(主にスポーツ記事)経験7年。スポーツ、格闘技が好きで、ボクシング世界チャンピオンが主宰するジムに4年間在籍。自分でも練習を重ね、”3分”の過酷さと濃さを体で知る。観戦もライフワークで、会場には年4回ほど足を運ぶ。選手目線の実感とファン目線の熱量、その両方を武器に、試合の見どころやリングのリアルをライター経験を活かしてわかりやすく伝えます。

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