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藤ノ川が横綱豊昇龍を撃破、名古屋場所で2日連続金星、21歳の経歴と父・甲山親方を整理

藤ノ川が横綱豊昇龍を撃破、名古屋場所で2日連続金星、21歳の経歴と父・甲山親方を整理

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東前頭筆頭の藤ノ川(21)=伊勢ノ海=が名古屋場所3日目、豊昇龍を突き落とし、前日の大の里戦に続く金星を挙げた。横綱初挑戦から不戦勝を除いて4連勝は戦後初。父は元幕内大碇の甲山親方で、5歳から相撲を始めた。

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■右足一本で残し、豊昇龍を突き落とす

大相撲名古屋場所3日目は2026年7月14日、名古屋市のIGアリーナであり、東前頭筆頭の藤ノ川が結びの一番で横綱豊昇龍を突き落とした。立ち合いでは横綱のかち上げを受け、土俵際まで後退。だが、俵に右足を残しながら右へ動き、前に出た豊昇龍の体勢を崩した。

勝負を分けたのは、押し込まれてからの反応だった。

藤ノ川は取組後、「立ち合いで当たれたから動けた」と説明した。正面からぶつかったことで足が止まらず、最後の突き落としにつながる。浅香山審判部長=元大関魁皇=も「反応がいい。元気があるし、相撲もうまい」と評価しており、小柄な体を補う足腰と動きの速さが表れた一番だった。

前日の13日には横綱大の里も突き落としで下している。春場所でも大の里、豊昇龍を連日破っており、横綱初挑戦から不戦勝を除いて4連勝。1931年の武蔵山以来、戦後初の記録となった。5月場所の豊昇龍戦で得た不戦勝を含めれば、横綱戦は5連勝となる。

大きな記録を知らされると、藤ノ川は「知らなかった。良かったです」と短く答えた。3日目を終えた時点の成績は2勝1敗で、金星は通算4個。初日の大関霧島戦で敗れた後、両横綱から連勝した計算だ。

■5歳で相撲を始め、20歳で新入幕

藤ノ川の本名は齋藤成剛。2005年2月22日生まれで、日本相撲協会の公式プロフィールでは京都府京都市西京区出身、身長177センチ、体重123キロと記載される。得意技は押し。現在の幕内では軽い部類に入るが、前後左右への速い動きで体格差を埋める。

相撲を始めたのは5歳だった。強豪の埼玉栄高校では相撲部主将を務め、高校在学中の2023年1月場所に「若碇」のしこ名で初土俵を踏んだ。2024年11月場所で新十両に上がり、2025年7月場所で新入幕。同時に、伊勢ノ海部屋で受け継がれてきた「藤ノ川」へ改名した。

昇進の歩みは速い。

時期番付・出来事確認できる成績・受賞
2023年1月場所若碇として初土俵同年7月場所で三段目優勝
2024年11月場所新十両初土俵から負け越しなしで昇進
2025年7月場所新入幕、藤ノ川へ改名10勝5敗、敢闘賞
2026年3月場所東前頭2枚目8勝7敗、技能賞、金星2個
2026年7月場所東前頭筆頭3日目終了時点で2勝1敗、金星2個

新入幕場所の敢闘賞に続き、2026年3月場所では技能賞を受賞した。日本相撲協会の記録では、三段目優勝、敢闘賞、技能賞はいずれも1回。名古屋場所3日目までの幕内戦歴は52勝41敗で、4個の金星を持つ。

体重123キロは豊昇龍戦でも不利な条件だった。ところが、横綱の圧力を正面から受けた後も足を運び、俵の上で勝機をつかんだ。本人が「体の動きでカバーしようと思っていた」と語った通り、体重差への答えは動きにある。

■父は元幕内大碇、部屋付きの甲山親方

父の甲山剛親方(54)=伊勢ノ海=は、現役時代に「大碇」を名乗った元幕内力士だ。本名は齋藤剛。同志社大学を卒業後、1995年3月場所に幕下付け出しで初土俵を踏み、1997年5月場所で新十両、1998年11月場所で新入幕を果たした。最高位は東前頭11枚目で、十両優勝は2回。2004年11月場所を最後に引退し、年寄・甲山を襲名した。現在は日本相撲協会の委員を務める。

父子は同じ伊勢ノ海部屋に所属する。甲山親方は部屋付き親方として息子を見守る立場で、藤ノ川が5歳で相撲を始めた頃から指導に携わった。藤ノ川が新十両を決めた際には、相撲を教え、食事を作って支えた父への感謝を口にしている。

豊昇龍戦では、甲山親方が会場のビデオ室で「決まり手係」を担当していた。サンスポの取材に「雰囲気はあった。デジャブだよ」と明かし、春場所に続く連日の金星を振り返った。決まり手を確認する協会の職務と、父親の立場が重なった一日だった。

父が現役時代に届いた最高位は前頭11枚目。藤ノ川はすでに東前頭筆頭まで番付を上げ、父を越えて三役を狙う位置にいる。甲山親方は2025年の親方トークイベントで、長男について「次は三役を目指して頑張ってもらいたい」と話していた。

■琴櫻戦へ、まずは勝ち越しを目指す

藤ノ川は大記録の直後も「勝ち越しを目指して頑張ります」と目標を変えなかった。15日16時2分現在、4日目は大関琴櫻との取組を控える。横綱2人を破っても、場所の白星はまだ2つ。8勝に届くには、残る12日間で6勝が必要だ。

今場所は東前頭筆頭で、勝ち越せば三役昇進を考える材料になる。一方、横綱戦の記録だけで番付は決まらず、15日間の成績が問われる。連日の金星で示した反応と速さを、大関以下との取組でも続けられるか。21歳の次の課題は、特別な一番の白星を場所全体の成績へ結び付けることだ。

[文/構成 by たかなし もか]

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