福田稟、イチローから3安打 神戸弘陵の1番遊撃が東京ドームで挙げた猛打賞

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高校野球女子選抜の福田稟(神戸弘陵3年)が9月13日、東京ドームで行われた「SATO presents 高校野球女子選抜 vs イチロー選抜 KOBE CHIBEN」に「1番・遊撃」で先発し、イチロー氏から4打数3安打を放った。チームは0-7で敗れたが、9回を投げ切って完封したイチロー氏は試合後、福田に「参りました」と頭を下げている。
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初回先頭の中前打から始まった3安打
「1番・投手」で先発したイチロー氏(52)が、この日最初に向き合った打者が福田だった。3球目をセンター前へはじき返すと、すぐに二盗も決め、試合開始直後に無死二塁の好機をつくる。続く伊藤結月(クラーク国際)が空振り三振、3番打者の三ゴロを挟んで4番の髙橋理桜(駒大苫小牧)も空振り三振に倒れ、先制点には届かなかった。
第2打席は右前打。5回までにイチロー氏が許した安打は2本で、そのどちらも福田のバットから生まれている。第3打席で快音はなかったものの、8回1死走者なしで迎えた第4打席で左前へ運び、猛打賞とした。マウンドのイチロー氏は悔しそうな表情を浮かべた。
イチロー氏はこの試合で127球を投げ、5安打無失点、17奪三振。女子選抜の5安打のうち3本を、1番打者ひとりが打った計算だ。残る2本は6回の坂田結來(京都両洋)の右前打と、7回2死からの三塁強襲安打だった。
松井秀喜、松井稼頭央も並んだKOBE CHIBENが7得点
KOBE CHIBENは「2番・遊撃」に松井稼頭央(50)、「4番・三塁」に松井秀喜(52)を置き、元メジャーリーガーが上位打線に並んだ。対する女子選抜の先発は、今夏の全国大会を制した神戸弘陵のエース山戸優菜。初回はイチロー氏を遊ゴロに打ち取るなど、三者凡退で立ち上がった。
均衡が破れたのは2回だった。先頭の松井秀が左中間を破る二塁打で出塁し、味方の適時打で先制のホームを踏む。3回には1死満塁から松井秀の左前適時打などで2点を加え、4回には松井稼の適時内野安打で4-0とした。その後も6回に1点、8回に2点を追加し、KOBE CHIBENが7-0で押し切っている。
イチロー氏は投げては最速136キロを計測し、打っても5打数2安打。松井秀と松井稼はそれぞれ4打数2安打1打点だった。過去2年続けて本塁打を放っていた松井秀の一発は、今年は出なかった。
お立ち台で「スターが生まれた」
試合後のヒーローインタビューには、イチロー氏と福田が並んで立った。イチロー氏は「本当にいい選手。なんかスターが生まれたなっていう感じがしますよね。もう嫌な感じ、ずっと嫌な感じでした。本当にナイスプレーでした」と語り、打席に立ったときに空気が変わる選手がいる、とも表現した。
その言葉を聞いた福田は、涙をこらえきれなかった。「こんなにすごい選手イチローさんから褒めてもらうことは世界で一番嬉しいです」。
やりとりはその後も続く。第1打席の安打を「やってやったと思いました」と明かした福田に、イチロー氏は「やられました」と応じた。初回の盗塁について、福田が「これは走れると思った」ので1球目からスタートを切ったと話すと、イチロー氏は「軽くディスられている感じが気持ちいいですね」と笑っている。
逆にイチロー氏が質問する場面もあった。自分との対戦がどんな感覚だったのか、あんなに打たれたことはないから教えてほしい、と問いかけたのだ。福田の答えは「気持ちです」。イチロー氏は「やっぱり根性は大事なんですよ」と納得した様子だった。
夏の日本一メンバー、憧れは周東佑京
福田は右投げ左打ちの内野手で、神戸弘陵の3年生。神戸弘陵は8月1日に甲子園で行われた全国高校女子硬式野球選手権大会の決勝で学法石川を10-0で下し、2年ぶり5度目の優勝を果たしている。女子選抜の先発を務めた山戸とともに、夏の日本一を知る2人が東京ドームでも1番打者と先発投手として存在感を示した。
自身を「スピード系の選手」と表現する福田が目標に挙げるのは、ソフトバンクの周東佑京だ。試合後には「周東さんのようなスピードスターの選手に憧れているので、周東さんのような選手になりたいです」と語った。初回の二盗は、その持ち味がそのまま出たプレーだった。
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今後も野球を続ける予定だという。「本当に最高の気分。これからもっと活躍して、女子野球を広めていけたら」と満面の笑みで語っている。
6年目の対戦、昨年は1安打だった女子選抜
この対戦は、イチロー氏が現役引退後に結成したアマチュア野球チーム「KOBE CHIBEN」が、女子野球の振興を目的に2021年から続けてきた。今年で6度目となり、会場は2年ぶりに東京ドームへ戻った。イチロー氏は第1回から毎年マウンドに上がり、今年で6年連続の完投となった。
昨年8月31日、バンテリンドーム ナゴヤでの一戦では111球で1安打14奪三振に抑え、8-0で完封した。今年は17奪三振と三振の数こそ増えたが、昨年チーム全体で1本だった安打を、福田は1人で3本積み上げた。
大会前、イチロー氏は公式サイトに寄せたコメントで、女子選抜のレベルが着実に上がっていると記していた。完封を終えると、この試合への出場を目指す女子選手もいることにも触れ、「感慨深い。彼女たちにとって目標になってほしい」と話している。
一方で、体力面の本音も漏らした。試合後のインタビューでは、できるだけ長く続けたいとしながら「おじさんたち、きついもんね」と笑顔を見せた。52歳のイチロー氏から3安打を放った高校3年生の名前は、来年以降の女子選抜にとってもひとつの目標になりそうだ。
[文/構成 by スポーツライター 高瀬翔吾]





































































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