MEDIA DOGS

拓大紅陵、千葉大会決勝で9回に4番・片岡拓月の逆転3ラン 24年ぶり6度目の夏の甲子園

拓大紅陵、千葉大会決勝で9回に4番・片岡拓月の逆転3ラン 24年ぶり6度目の夏の甲子園

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン

第108回全国高校野球選手権千葉大会は7月26日、ZOZOマリンスタジアムで決勝を迎えた。拓大紅陵は専大松戸に1点を追う展開が続いたが、9回表に4番・片岡拓月が逆転3ランを放ち3-1で勝利した。2002年以来24年ぶり6度目の夏の甲子園出場を決めている。

↓ 詳細が気になる方は、このまま下へ ↓

9回表、逆転の3ランが決まった瞬間

拓大紅陵と専大松戸による決勝は、終盤まで1点を争う我慢比べとなった。動いたのは9回表だ。無死一・三塁と、この試合最大の好機で打席に入ったのは4番・片岡拓月(3年)=正捕手=。カウント1-0からの2球目、甘く入った球を振り抜くと、打球はぐんぐん伸びて左翼スタンドに吸い込まれた。

三塁走者、一塁走者が相次いでホームを踏み、片岡自身も全力でダイヤモンドを一周する。三者が還った瞬間、電光掲示板の得点は0-1から3-1へと変わった。逆転の3ラン。拓大紅陵はそのまま試合を締めくくり、2002年以来24年ぶり6度目となる夏の甲子園出場を決めた。9回裏の守りでは遊ゴロ併殺に打ち取り、2点差のリードを守り切っている。

仮に凡フライに終わっていれば、専大松戸有利のまま試合が進んでいたはずだ。だが打球は失速することなくスタンドに届き、流れを一気に変えている。

千葉県内の代表校決定戦を制した拓大紅陵は、都道府県ごとに1校だけが手にできる夏の全国切符を勝ち取ったことになる。

先制を許した専大松戸との我慢比べ

試合が動いたのは1回裏だった。専大松戸は高貝規仁の右犠飛で1点を先制し、0-1とリードを奪う。以降、拓大紅陵打線は専大松戸のエース門倉昂大(3年)を打ち崩せず、得点機をなかなか作れないまま試合は終盤へ向かった。8回を終えても0-1のビハインドは動かず、反撃の糸口が見えないまま最終回を迎えている。

1点のビハインドを背負ったまま迎えた9回表。無死一・三塁とこの日最大の好機を作ったものの、マウンドの門倉も簡単には崩れない。追いつくか、それとも0-1のまま終わるか。それでも訪れた一打席が、試合の結末を大きく変えることになった。

高校野球のトーナメントは一発勝負だ。負ければそこで夏が終わる緊張感の中、無死一・三塁という好機をどう生かすかが、勝敗の分かれ目になっていた。

父・片岡将義さんも24年前は4番だった

片岡のこの一打には、特別な意味があった。父の片岡将義さん(41)は2002年、拓大紅陵の4番・三塁手として甲子園の土を踏んでいる。当時のチームは1回戦で智弁学園と対戦し、0-6で敗れた。将義さんはこの試合で2安打を記録している。

24年の時を経て、息子の拓月が同じ4番として甲子園出場を決めた。ポジションは三塁手だった父と異なり正捕手だが、打順は変わらない。拓月という名前には「拓く」の願いが込められているという。父が守った三塁と、息子が守る捕手の座は同じ守備位置ではない。それでも「4番」という一点で、24年の時間を超えて父と子がつながった。父が届かなかった夏の白星への道に、息子は逆転3ランという鮮やかな一打でたどり着いている。

拓月がまだ生まれる前、将義さんはこの甲子園のグラウンドに立っていた。生まれてすらいなかった舞台に、24年後の夏、息子は見事な一打で足を踏み入れた。高校球児として甲子園を目指した父と、その背中を追いかけてきた息子。24年という歳月は、ちょうど一世代分の時間に当たる。

「一振りで決めてやろう」の一言どおりに

「一振りで決めてやろう」。片岡は打席に入る前、そう心に決めていたという。結果はまさにその言葉どおりになった。ボール先行の1-0から甘く入った2球目を振り抜き、狙い澄ましたスイングで左翼スタンドに運んでいる。

正捕手としてチームの投手陣を支えてきた片岡にとって、打者としての一振りが試合を決定づける結果となった。試合終盤までマスクをかぶり守りの要を担ってきた選手が、最後は打者としてチームを救った。無死一・三塁で回ってきた4番打者としての好機を、そのまま逆転打に変えた。

投手のリードや守備の指示に神経を使う正捕手が、そのまま打線の中心も担う。負担は決して小さくないはずだが、その重圧をはね返す一打だった。

24年ぶりの夏、甲子園切符を手に

拓大紅陵が全国の舞台に立つのは2002年以来6度目だ。24年前、智弁学園に0-6で敗れた父の代からは、初めての夏の甲子園出場でもある。次の舞台となる全国大会でも、拓大紅陵は千葉の代表として戦う。

拓月という名前の「拓」の字には、道を切り拓くという願いが込められていた。24年前に父が白星をつかめなかった甲子園へ、その名が示す通り、自らの一打で道を切り拓いている。

将義さんが果たせなかった甲子園での白星をつかめるか。24年前と同じ4番を背負う息子の戦いは、これから始まる。

[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]

寄稿者

久遠(KUON)
WEBライター(主にスポーツ記事)経験7年。スポーツ、格闘技が好きで、ボクシング世界チャンピオンが主宰するジムに4年間在籍。自分でも練習を重ね、”3分”の過酷さと濃さを体で知る。観戦もライフワークで、会場には年4回ほど足を運ぶ。選手目線の実感とファン目線の熱量、その両方を武器に、試合の見どころやリングのリアルをライター経験を活かしてわかりやすく伝えます。

コメントはこちら

*
*
* (公開されません)

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

ライフハック/実用

More

グルメ

More

エンタメ

More

社会/ニュース

女性ギタリスト・猫月めいさん 誕生日ライブ3日前の訃報 死因や年齢は明かされず「昨日まで普通にポストしてたのに」

女性ギタリスト・猫月めいさん 誕生日ライブ3日前の訃報 死因や年齢は明かされず「...

ギタリストの猫月めいさんが亡くなったと、7月26日に家族が公式Xで発表。29日のバースデーライブは中止、同日には所属バンド「終末のダイヤモンド」のデビュー曲配信も控えていた。死因や年齢は明かされず、前夜まで更新されていたSNSにファンからは...
More

旅行/スポット

More
Return Top