ツール・ド・フランス最終ステージ、山火事で44km短縮 ポガチャルが史上最多タイ5度目の総合優勝

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ツール・ド・フランス最終第21ステージは7月26日、南西フランスの山火事の影響で133キロから89キロへ44キロ短縮された。総合首位のタデイ・ポガチャル(27)はこの日、自身5度目の総合優勝を果たし、史上最多に並んだ。チームメートのデルトロ(メキシコ)は総合3位でパリの表彰台に立った。メキシコ人選手のツール総合表彰台は史上初の快挙で、従来の自国最高順位はラウル・アルカラの8位(複数回)だった。
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パリ最終ステージ、山火事で44キロ短縮
今年で113回目となるツール・ド・フランスは、7月4日にスペイン・バルセロナを出発し、総距離3333キロを走る日程で進んできた。大会最終日となる第21ステージは、本来ならイヴリーヌ県トワリーを出発し、パリのシャンゼリゼ通りまで133キロを走る予定。だが南西フランスを襲う山林火災の影響で、コースは89キロへと大きく削られた。
大会組織委員会(ASO)とパリ警視庁は共同声明で、緊急対応要員を火災現場に振り向ける必要が生じたと説明した。選手団はトワリーでのチーム紹介セレモニーに予定通り参加後、バスでパリ市内へ移動。実際のレースはシャンゼリゼ通り上からのスタートとなった。トワリーからパリ市内にかけての田園地帯、約58キロがまるごと消えた。
短縮された89キロの第21ステージは、マチュー・ファンデルポール(オランダ)が制し、ヤスパー・フィルップセン(ベルギー)が2位でゴールした。この日はポガチャル自身も終盤のモンマルトル最終登坂でファンデルポールの攻撃に唯一ついていき、パリ市内を2人で独走する場面を見せたが、ゴール前で後続に吸収されスプリントでは敗れた。それでも総合首位は守り切り、自身5度目の総合優勝を確定させた。エディ・メルクス、ミゲル・インドゥライン、ジャック・アンクティル、ベルナール・イノーの4人が持つ史上最多記録に並ぶ快挙となった。
仏西部を襲う山火事、避難36万人規模に
コース短縮の背景には、南西部ジロンド県とランド県で燃え広がる山林火災があった。焼失面積は4万2000ヘクタール超。地元では数十万人規模の住民が避難を強いられた(ジロンド県だけで22万人超、隣接するランド県でも3万人超が対象となった)。
被害はフランス国内にとどまらない。フランスとスペイン両国の避難者数は当初25万人超と伝えられたが、その後の集計で36万人超となった。スペイン・バレンシアでは死者も出た。ルコルニュ首相は「これからの数時間が厳しい局面になりかねない」と警告し、気象条件の悪化に注意を促した。
なぜ大会側はここまで大胆な短縮に踏み切ったのか。理由は単純だ。本来ならパリ市内の警備に充てられるはずだった治安部隊や緊急対応要員が、火災現場への対応を優先されたためだ。ボルドー近郊まで火の手が迫るなか、大会にとってコース短縮は避けられない決断となった。
今大会は開幕から3週間、記録的な熱波と山林火災のニュースと隣り合わせで進んできた。最終日になって、その影響がついに大会運営そのものを直撃した。
モンマルトルは死守、表彰式は直前判断
コースは大幅に削られたものの、大会の目玉であるモンマルトルの丘(ビュット・モンマルトル)を上る周回だけは手つかずのまま残された。3回登坂する16.7キロの周回コースで、石畳の急坂はゴール手前10.3キロに位置する。短縮分を補うため、シャンゼリゼ通りの周回が2周追加された。
例年、最終日は表彰式やシャンパンを手にした記念撮影など恒例の演出で締めくくられる。今回はコース自体が直前に組み替えられた経緯もあり、大会側は当日朝の時点で「伝統的な行事をどう組み込むかはレース直前に確定する」との見通しを示していた。凱旋門前を通過する最後の周回だけは、例年通り行う方針に変わりはなかったという。
急な変更を強いられながらも、大会の顔となる名物区間と締めくくりの演出は最後まで守られた。
デルトロを託されたアルプス最終決戦
パリ入りの前日、7月25日のアルプス最難関区間、171キロの第20ステージ。難所アルプ・デュエズを含むこの日、独走していたセップ・クス(アメリカ)が終盤に2度の落車を喫し、リチャル・カラパス(エクアドル)がこれを交わして今大会2勝目を挙げた(クスはこの日3位)。この勝利で山岳賞にあたるポルカドット・ジャージも手にしている。ステージ2位にはレムコ・エヴェネプール(ベルギー)が入った。
総合首位のポガチャルはこの日、勝負を仕掛けなかった。チームメートのデルトロが総合3位を確保できるよう、最後まで援護に徹したのだ。「今日はアイザックのために走れて光栄だった。彼と一緒にゴールできたことは忘れられない」。ポガチャルはレース後の取材にそう語った。
最終的な総合成績は、ポガチャルが総合優勝、エヴェネプールが6分26秒差の2位、デルトロが9分42秒差の3位となった。デルトロは4位のポール・セイシャス(フランス)に2分以上の差をつけ、表彰台圏内は終盤までに事実上固まっていた。デルトロは総合3位に加え、新人賞(ホワイトジャージ)の獲得も確定させた。
史上最多に並んだ王者、37歳の一言
歴代最多タイの5勝目をつかんだポガチャルの一方で、大会終盤で印象を残したのが37歳のベテラン、ネルソン・オリヴェイラ(ポルトガル)だった。今大会が自身24回目のグランツール出場となった同選手は、アルプスの3連戦を終えてパリへ向かう道中、「頭が『もう十分だ』と告げるまでは、走り続けるつもりだ」と語った。
山火事は依然として収束のめどが立たない。ボルドー近郊では消火活動が続き、避難者の帰宅にはなお時間がかかる見通しだ。異例続きの最終日を経て、ポガチャルは通算5勝目のイエロージャージを手に、パリのフィニッシュラインを越えた。
[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]



































































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