鈴木誠也、ゴールドグラブ賞ならず 受賞はキャロル、右翼で失策2の今季成績とFA移籍先の行方

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カブスの鈴木誠也(32)が、メジャー初のゴールドグラブ賞を逃した。日本時間11月2日に発表されたナ・リーグ右翼手部門は、ダイヤモンドバックスのコービン・キャロルが初受賞。鈴木は右翼で失策2、守備率.992と自己最高の守備を見せたが、日本人では2010年のイチロー以来となる受賞には届かなかった。オフはFAとなり、移籍先に関心が移る。
ナ・リーグ右翼手はキャロルが初受賞、鈴木は最終候補3人に残るも届かず
MLBは現地11月1日夜、日本時間2日に、守備の名手に贈る「ローリングス・ゴールドグラブ賞」の受賞者をESPNの番組で発表した。ナ・リーグ右翼手部門の最終候補は、鈴木、キャロル、メッツの新人カーソン・ベンジの3人。栄冠を手にしたのはキャロルで、昨年に続く2年連続の最終候補入りから初の受賞となった。
日本人の受賞は、2001年から2010年まで10年連続で選ばれたイチロー(マリナーズ)だけだ。2026年も受賞者は出ず、日本人の受賞なしは16年連続となった。日本人が最終候補に入るのも、2020年の前田健太(ツインズ、投手)と秋山翔吾(レッズ、左翼手)以来6年ぶりだった。
カブスはブルージェイズと並ぶ最多5人が最終候補に名を連ねていた。三塁のアレックス・ブレグマンが通算2度目、中堅のピート・クロウアームストロングが2年連続2度目の受賞を決めた一方、遊撃のダンズビー・スワンソン、左翼のイアン・ハップ、そして鈴木は選ばれなかった。
広島時代、鈴木は外野手としてゴールデングラブ賞を5度受賞している。日本で名手と呼ばれた右翼手が、メジャー5年目でようやくたどり着いた最終候補の舞台だった。
DRSは鈴木、OAAはキャロル 3人の守備指標と選考の仕組み
なぜ鈴木は受賞を逃したのか。
答えを探る前に、選考方法を押さえておきたい。ゴールドグラブ賞は、各球団の監督と最大6人のコーチが、自チーム以外の同じリーグの選手に投票する。この投票が全体の75%を占め、残る25%は米国野球学会(SABR)がまとめる守備指標「SABR守備指数(SDI)」で決まる。数字だけで決まる賞ではなく、現場の首脳陣の評価が大きな割合を占める仕組みだ。
MLB公式サイトは最終候補の発表にあわせ、3人の守備を次のように紹介していた。
| 選手 | 球団 | 主な守備の数字 |
|---|---|---|
| キャロル | Dバックス | OAA+10(上位5%)、 |
| 鈴木誠也 | カブス | DRS+14(右翼手全体2位)、 |
| ベンジ | メッツ | 肩の価値がメジャー1位、 |
OAA(アウト・アバブ・アベレージ)は、平均的な野手と比べてどれだけ多くのアウトを取ったかを示す指標で、主に守備範囲の広さを映す。キャロルは俊足を生かしてこの数字を3年続けて2桁に乗せ、今季は全右翼手でトップに立った。昨年も同じ部門の最終候補に入っている。
一方の鈴木は、平均的な野手と比べて何点の失点を防いだかを示すDRS(守備防御点)が+14。メジャーの右翼手全体で2位、ナ・リーグに限れば最も高い数字となる。Statcastの守備得点(FRV)も、最終候補発表の時点で+8。それまでの4シーズンはいずれもマイナスで、数字のうえでは評価を大きく塗り替えた1年だった。
新人のベンジは肩で勝負した。Statcastの肩の価値(Arm Value)はメジャー1位で、平均送球速度96.6マイルは5位。補殺を10以上記録した外野手7人のうちの1人でもある。
指標ごとに強みを持つ選手が入れ替わり、どの数字を重く見るかで評価が分かれる争いだった。投票の中身は公表されていないため、どの要素が決め手になったかは分からない。ただ、範囲のキャロル、失点阻止の鈴木、肩のベンジと、3人の持ち味がはっきり違うことは数字から読み取れる。
右翼に定着した2026年、失策2・守備率.992の中身
鈴木の今季は、守備位置そのものが大きく変わった1年だった。2025年は主に指名打者(DH)として起用され、DHで102試合、右翼は32試合にとどまり、守備率は.951。外野の守備機会は限られていた。
転機は、正右翼手だったカイル・タッカーのドジャース移籍だ。空いた右翼の定位置に鈴木が入り、MLB公式の記録では右翼で111試合(先発110試合)、972回2/3を守った。刺殺232、補殺8に対し、失策はわずか2。守備率.992は、メジャー5年間で最も高い数字になる。
| 年 | 右翼守備率 | 失策 |
|---|---|---|
| 2022 | .981 | 4 |
| 2023 | .987 | 3 |
| 2024 | .981 | 3 |
| 2025 | .951 | 3 |
| 2026 | .992 | 2 |
DHが中心だった前年から一転、出場の大半を右翼で過ごしながら、失策を自己最少に抑えた。DHでの出場は30試合だった。
打撃も安定していた。143試合に出場して打率.270、26本塁打、86打点。出塁率.368、OPS.841と、塁に出る力と長打を両立させた。81四球を選び、31二塁打、96得点と、主軸として打線を回し続けた。
| 年 | 本塁打 | 備考 |
|---|---|---|
| 2023 | 20 | 初の20本台 |
| 2024 | 21 | |
| 2025 | 32 | キャリア最多、 |
| 2026 | 26 | 右翼に定着 |
メジャー1年目の2022年は14本塁打。そこから4年連続で20本塁打以上を積み重ね、2026年は守備と打撃の両方で数字を残した。
FAで移籍先はどこへ 報じられている候補と契約の見通し
鈴木が2022年3月にカブスと結んだ5年総額8500万ドルの契約は、2026年で満了した。ワールドシリーズ終了を受けて、現地10月29日(日本時間30日)にFAとなっている。
残留の見通しは明るくない。カブス担当のパトリック・ムーニー記者は、投手不足を抱えるカブスが鈴木の争奪戦に加わる可能性は低いとの見方を示した。
その一方で、カブスがクオリファイング・オファー(QO)を提示する見通しも米メディアの記者が伝えている。QOは球団がFA選手に出す1年契約で、金額は約2315万ドルとされる。選手が拒否して他球団と契約すれば、元の球団はドラフトの補償指名権を得る。複数年契約を狙う鈴木は拒否するとの予測が多い。
移籍先の候補では、ブルージェイズの名前が早くから挙がる。元ナショナルズGMのジム・ボウデン氏は、FA選手の評価でブルージェイズとフィリーズを鈴木に最も合う球団とし、契約規模を5年1億2000万ドルと予測した。ブルージェイズとフィリーズはともに右打ちの強打者を必要としているとみられ、ブルージェイズは今季、チームの得点と本塁打がいずれもメジャー最少だった。
いずれも記者や関係者の予測で、正式なオファーや交渉の進み具合は明らかになっていない。
ゴールドグラブ賞には届かなかったが、右翼で失策2、DRS+14という今季の守備は、外野を任せられる選手として市場に名前を売る材料になる。打って守れる32歳の右翼手が、どの球団のユニホームを選ぶのか。
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[文/構成 by ライター 凪]









































































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