平良海馬、西武がポスティング容認 広池浩司球団本部長が明かしたメジャー挑戦の経緯

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埼玉西武ライオンズは10月30日、平良海馬投手(26)がポスティングシステムで米大リーグへ移籍することを認めた。広池浩司球団本部長が埼玉県所沢市の球団施設で取材に応じて明らかにし、本人にも伝えたと説明している。平良は2026年、先発で12勝5敗、防御率1.36を記録してパ・リーグの最優秀防御率投手賞を手にした。中継ぎ、抑え、先発の3つの役割でタイトルを取った右腕が、次の舞台をメジャーに定める。
10月30日、球団本部長が「容認」を伝えた
広池本部長が報道陣の前で容認を明かしたのは10月30日だった。今オフのポスティング移籍を認め、すでに本人に伝えたという。「難しい判断ではありました」と口にしたうえで、タイミングとしては今年だと話した。
容認の理由として本部長が挙げたのは、平良がチームのために積み上げてきた実績だった。新人王から始まり、中継ぎでタイトルを取り、抑えでもタイトルを取り、2026年は先発でもタイトルを手にした。日本でやり残したことは少なくなったと評価し、チームの要望に応えて様々な役割で投げてきた平良に対し、今度は球団が彼の願いをかなえる番だと考えたと説明している。
球団として求める成績の目安もあったという。具体的な数字は示さなかったが、平良はその基準を間違いなくクリアしたと本部長は述べた。2026年の投球については、日本で、NPBでいちばんの投手だと評価し、その力が米国の打者にどこまで通用するのか楽しみだと話している。
平良も球団を通じてコメントを出した。「長い間、メジャーでプレーしたいという思いを持っていたので、ようやくそこに一歩踏み出せたと感じています」。2017年のドラフトで指名されてから西武で9年間プレーし、スタッフやチームメートと「本当に楽しく、素晴らしい時間を過ごすことができました」と感謝をつづった。
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若いころから伝え続けた「とにかく行きたい」
本部長が明かした経緯で印象に残るのは、平良の伝え方だ。平良は若いころから「とにかく行きたい」という思いを球団に伝え続けてきたという。なぜ行きたいのかを細かく語るのではなく、行きたい、やりたいという気持ちを平良らしくまっすぐ伝えてきた、と本部長は話した。
本人の発言もこれと重なる。報道によると、平良は2025年11月26日の契約更改の後の記者会見で、早く行けるなら行きたいが、しっかりライオンズに貢献してポスティングの許可が出るような結果を出したい、という趣旨を語っていた。
それから1年。平良は先発ローテーションの柱としてシーズンを投げ切った。
シーズン終盤からは動きが具体的になった。広池本部長は10月12日、ポスティングでの米球界挑戦を望む平良と話し合う考えを示している。替えのきかない投手なので複雑だとしながらも、本人の思いは理解しており、しっかり折り合いを付けたいと語っていた。
10月20日には平良自身が所沢市で取材に応じた。代理人が球団と交渉していることを明かし、最終的に決めるのは球団だとしたうえで、メジャーでは先発として勝負したい、自信はあると話している。クライマックスシリーズのファーストステージで敗れた後、広池本部長と偶然顔を合わせた際にも、その場で希望を伝えたという。世界最高の選手がそろう場所でプレーしたいという思いと、待遇も含めて挑戦したい考えを口にしていた。
報道によると、広池本部長は10月30日の取材で、自身もライオンズファンだったため、ファンだったらどうかをいつも考えるようにしていると話した。自分がファンなら優勝や日本一を果たしてから、という気持ちがまず浮かぶと認めたうえで、平良がいろいろな役割で残してきた成績を考えると自分がファンだったらそう思うとして、それを踏まえて球団本部長として判断したと説明した。
石垣島から中継ぎ、抑え、先発へ 9年間の歩み
平良は沖縄県石垣市の出身で、沖縄県立八重山商工高等学校から2017年のドラフト4位で西武に入団した。2019年に1軍デビューを果たすと、2020年は54試合に登板して33ホールド、防御率1.87でパ・リーグの最優秀新人賞を受けた。2021年には東京五輪の野球日本代表に選ばれ、金メダルを手にしたチームの一員となった。
ブルペンで結果を出し続けた後、役割は何度も変わる。2023年に先発へ転向して11勝を挙げ、2024年はシーズン途中から再びリリーフへ。2025年は抑えとして31セーブを挙げ、福岡ソフトバンクホークスの杉山一樹と並んで最多セーブ投手賞を受けた。
2026年は開幕前に左ふくらはぎを痛め、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表を辞退するところから始まった。それでも先発に戻ったシーズンで23試合に投げ、146回を投げて12勝5敗、141奪三振、防御率1.36。プロ初の完投と完封も記録し、最多勝の13勝にはあと1勝届かなかった。チームはリーグ2位でクライマックスシリーズに進み、平良はファーストステージの第1戦で先発している。
NPBの記録では、通算成績は325試合で37勝24敗62セーブ111ホールド、防御率1.78となる。
| 年度 | 主な役割 | 主な成績 | 受賞したタイトル |
|---|---|---|---|
| 2020年 | 中継ぎ | 54試合、 | 最優秀新人賞 |
| 2022年 | 中継ぎ | 61試合、 | 最優秀中継ぎ投手賞 |
| 2023年 | 先発 | 23試合、 | ― |
| 2025年 | 抑え | 54試合、 | 最多セーブ投手賞 |
| 2026年 | 先発 | 23試合、 | 最優秀防御率投手賞 |
先発のシーズンを支えた相棒は、新人捕手の小島大河だった。2人はスポーツニッポン新聞社が制定する2026年の最優秀バッテリー賞に選ばれ、西武が10月20日に発表している。平良は、ルーキーながら1年間本当によく戦ってくれたと小島をたたえていた。
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11月1日から申請へ 交渉期限は45日間
手続きは日米の取り決めに沿って進む。報道によると、ポスティングの申請は11月1日から12月15日までの間に行い、大リーグ機構が申請を受理して公示してから45日間、全30球団と交渉できる。期限までに合意しなければ、平良は西武に戻り、次のオフまで再び申請できない。
移籍が決まった場合に西武が受け取る譲渡金は、契約の保証総額で決まる。2500万ドル以下の部分はその20%、2500万ドルを超え5000万ドルまでの部分は17.5%、5000万ドルを超える部分は15%を合計した額だ。
日程にはもう一つの条件が重なる。大リーグの現行の労使協定は12月1日に期限を迎え、合意がなければ球団が施設を閉ざすロックアウトに入る可能性があると報じられている。ロックアウト中は選手との交渉や契約ができないため、平良の交渉も11月中に決着する可能性が指摘されている。広池本部長も、移籍にはなかなか難しいオフになるとの見方を示していた。
米国での評価も見えてきた。報道によると、米国のメディアがまとめたこのオフのFA選手のランキングで、平良は20位前後に挙げられている。先発とリリーフの両方を経験している点が、各球団にとって使い道の広さにつながる。
2年続けてエース級が海を渡る西武
西武はこれまでもポスティングで選手を送り出してきた。2006年オフの松坂大輔(レッドソックス)、2017年オフの牧田和久(パドレス)、2018年オフの菊池雄星(マリナーズ)がその例だ。2025年オフには今井達也が容認を受け、アストロズと3年契約を結んでいる。平良が移籍すれば、2年続けてエース級の投手がチームを離れる。
同じオフには、髙橋光成の去就も残る。髙橋は2025年オフにポスティングで米球界を目指したが、交渉はまとまらずに西武に残留した。2026年に海外FA権を取り、資格者として公示された後には、選択肢が多いので、いい選択をする準備をしたいと話している。広池本部長は10月12日、髙橋にはチームに残ってほしいとして、条件をしっかり出していく考えを示していた。10月30日時点で、髙橋が権利を行使するかどうかは明らかになっていない。
先発の柱を失うことへの備えも始まっている。本部長は平良について、イニングも投げ、何よりも投球の質が高かったと評価した。穴を埋めるのは簡単ではないとしつつ、若い投手の成長やドラフトで指名した投手に期待し、必要であれば補強も考えると話している。西武は2026年秋のドラフトで、1位の亜細亜大学・川尻啓人をはじめ3人の投手を上位で指名した。
石垣島から西武に入って9年。球団の求める基準を越えた右腕は、11月15日に27歳になる。
[文/構成 by スポーツ担当ライター 高瀬翔吾]











































































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