坂倉将吾に新井監督「悔いのない決断」 国内FA権の行使に備え、ロッテなどが獲得調査

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今季国内FA権を取得した広島・坂倉将吾捕手(28)に、新井貴浩監督(49)が「悔いのない決断」を求めた。10月19日、マツダスタジアムで、坂倉ら今季FA権を手にした3選手へ直接思いを伝えたことを明かしている。坂倉が権利を行使した場合に備え、ロッテなどが獲得調査を進めていると報じられた。今季140試合に出場し、主に4番を任された28歳の去就は、日本シリーズ後に決まる。
新井監督が10月19日に明かした「悔いのない決断を」
広島はこの日、マツダスタジアムで秋季練習を行った。新井監督は練習後の取材で、今季初めて国内FA権の取得条件を満たした床田寛樹投手、森下暢仁投手、坂倉の3人に、すでに自分の思いを伝えたと明かした。
中身について詳しくは語らなかった。それでも、FA権は選手たちが頑張って手にした権利だと前置きしたうえで、「悔いのない決断」をしてほしいと言葉を贈っている。自分の気持ちそのものは本人たちに伝えたという。報道陣への言い回しは媒体によって少しずつ違うものの、「悔いのない決断」という言葉と、気持ちは伝えたという点はどの報道でも共通している。
坂倉もこの日、マツダスタジアムに姿を見せた。秋季練習を行うチーム本隊とは別に、打撃練習などで汗を流している。球団との話し合いは基本的に代理人同士で進めると説明し、交渉の状況には触れなかった。ただ、新井監督やチームメートからは、来季以降も一緒にプレーしたいという思いを伝えられたと明かした。
球団側も動いている。鈴木清明球団本部長は10月14日に坂倉と話し合いの席を持ち、チームに残ってほしいと伝えたと報じられた。
7月に国内FA権を取得、10月19日にNPBが公示
坂倉が国内FA権の取得条件を満たしたのは今年7月だった。日本野球機構(NPB)は10月19日、2026年度のフリーエージェント有資格選手を公示した。坂倉は床田、森下とともに、広島の「国内FA権の今季取得者」として名を連ねている。セ・パ12球団で国内FA権を今季新たに取得したのは21人。広島からはこの3人だった。
権利を使うかどうかは、本人が決める。NPBの規定では、FA宣言をする選手は日本シリーズが終わった翌日から、土日・祝日を除く7日以内に意思を表明しなければならない。2026年の日本シリーズは10月24日に開幕し、第7戦までもつれた場合は11月1日に終わる予定だ。宣言の受け付けが始まるのは早くても10月下旬で、坂倉が答えを出すまでには、まだ少し時間がある。
広島は今オフ、FA宣言をした選手がそのまま残留することも認める方針を打ち出した。坂倉がFA宣言をすれば他球団の評価を聞くことができ、そのうえで広島に残る道も残る。宣言残留の仕組みと、床田・森下を含む3選手を取り巻く状況は、次の記事で詳しくまとめている。
関連記事:広島、FA宣言残留を認める方針 宣言残留とは何か、床田寛樹・森下暢仁・坂倉将吾の去就
ロッテが獲得調査へ 狙いは一塁・三塁と地元・千葉の縁
獲得に向けた動きが明らかになったのは10月6日だった。報道によると、ロッテは坂倉がFA権を行使した場合に備え、獲得調査を進める。
ロッテは今季、借金14の5位でシーズンを終えた。最終戦の後、高坂俊介球団社長はFA補強について、さまざまな選択肢を考えているとし、「編成部門に動いてもらう」と前向きな姿勢を見せている。
チーム事情も坂倉の起用法と重なる。ロッテは今季、一塁と三塁のレギュラーを固定できなかった。打線には今季38本塁打を放った山口航輝がいるものの、一塁・三塁の打力は課題として残る。捕手登録のまま一塁と三塁をこなせる左の強打者は、補強ポイントにそのまま当てはまる。正捕手の佐藤都志也を支える捕手陣の層を厚くできる点も、評価材料として報じられた。
地元とのつながりもある。坂倉は千葉県印旛郡酒々井町の出身で、中学時代は八千代中央シニアでプレーした。千葉に本拠を置くロッテにとっては、地元出身の主軸打者だ。
坂倉の調査を報じられた球団はロッテだけではない。10月11日には、巨人が床田、森下とともに坂倉の調査を進めていることが分かった。西武も10月12日、坂倉がFA権を行使した場合に備えて調査を進めていることが分かったと報じられた。複数球団による争奪戦になるかどうかは、FA宣言の有無と、その後の各球団の出方しだいとなる。
140試合に出場、キャリアハイの74打点
今季の数字を見ると、各球団が注目する理由が分かる。NPBの公式記録で、坂倉は2026年シーズンに140試合へ出場し、505打数127安打、打率.251、15本塁打、74打点を記録した。
打率は2021年の.315に届かなかった。それでも74打点はプロ10年目でのキャリアハイで、2021年と2022年に記録した68打点を上回る。15本塁打は2022年の16本に次ぐ数字だった。報道によると、121試合で4番に座り、打線の中心を担っている。
守備位置は大きく変わった。開幕直後は捕手としてマスクをかぶったが、春先から一塁と三塁での出場が中心になる。NPBの守備成績では、一塁で83試合、三塁で66試合、捕手では20試合に出場した。
通算成績は904試合で打率.273、76本塁打、371打点。2021年にはリーグ2位の打率.315を残し、2024年のプレミア12では日本代表に選ばれている。
捕手か内野手か 新井監督と重ねてきた起用の決断
坂倉は東京の日大三高から、2016年のドラフト4位で広島に入団した。2020年に一軍に定着し、2022年には全143試合に出場している。
新井監督と坂倉の関係を語るうえで、外せない場面がある。2022年10月、新井監督が就任した直後のことだ。坂倉はこの年、三塁を主戦場にしていた。捕手として出場したのは22試合にとどまり、捕手を続けるか、内野手として生きるかを考えていた。
新指揮官が示した答えは捕手専念だった。2023年の坂倉は、開幕から正捕手としてマスクをかぶる。
それから4年。2026年は再び一塁と三塁が主な持ち場となり、4番打者としてシーズンを走り切った。ポジションが変わるたびに話し合ってきた2人が、今度は野球人生そのものに関わる選択を前に向き合っている。
日本シリーズ後に答え 広島は残留を要請
ここまでの流れをまとめると、坂倉はFA権を行使するかどうかをまだ明らかにしていない。新井監督は気持ちを伝えたうえで判断を本人に委ね、球団は残留を求めている。ロッテや巨人、西武は、宣言があれば獲得に向けて動く構えと報じられている。
広島にとって、坂倉は打線の軸でもある。床田、森下を含めた主力3人の決断が、来季のチームづくりを左右する。
坂倉が答えを出す期限は、日本シリーズの日程で決まる。早ければ10月末から始まるFA宣言の期間に、坂倉がどちらを選ぶかが分かる。
[文/構成 by スポーツライター 高瀬翔吾]









































































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