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八王子実践、甲子園の開会式で選手宣誓 春夏通じて初出場の西東京代表が担った大役

八王子実践、甲子園の開会式で選手宣誓 春夏通じて初出場の西東京代表が担った大役

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第108回全国高校野球選手権大会の開会式で8月5日、西東京代表・八王子実践の矢澤陵磨主将(3年)が選手宣誓を務めた。8月1日の組み合わせ抽選会で、希望した15校の中から選ばれた。創立100周年の同校にとって、春夏を通じて初めての甲子園出場となる中での大役だった。

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抽選会で選ばれた大役、15校の希望から1校のみ

選手宣誓の担当校は、大会組み合わせ抽選会の場で決まる。出場49校のうち15校が立候補し、その中から八王子実践が選ばれた。倍率にすれば15分の1という狭き門を突破しての大役だ。矢澤主将は選出の一報を受け「うれしい限りです」と喜びを語った。

立候補の理由について、矢澤主将は「選手のみんなからやってくれと言われていたので、初めからやると決めていた」と説明している。チームメートからの後押しが、大役に挑む原動力になった。

西東京大会を制した初優勝、決勝は1点差の接戦

八王子実践が甲子園切符をつかんだのは7月26日、神宮球場で行われた西東京大会決勝だった。相手は創価。試合は終盤までスコアが動かない投手戦となり、7回表にようやく均衡が破れた。山本悠生選手の内野安打を足がかりに、大塚逸輝捕手の犠打で走者を進め、座間愛斗選手の中前打でつないだ後、荒木孝介選手の中犠飛で1点を先制。これがそのまま決勝点となり、1-0で八王子実践が初優勝を果たした。

創立100周年の記念すべき年に、硬式野球部として春夏通じて初めての甲子園出場をつかんだ格好だ。

元ドジャースマイナーの指揮官、150点の采配

2019年から指揮を執る河本ロバート監督(40)は、異色の経歴を持つ指導者だ。189センチ、86キロの体格を誇り、プロ入り後に自己最速157キロを計測した本格派右腕。亜細亜大学時代から国内複数球団の注目を集め、2007年秋のリーグ戦後には国内5球団が調査書を提出し、1位指名を打診する球団もあったが、本人の強い意志で国内球団の指名を見合わせ、ドジャースとのマイナー契約を選んだ。「お金じゃなくて夢を取りたい」との思いからだったという。その後はBCリーグ新潟、台湾のラミゴ、四国アイランドリーグの徳島でもプレーし、指導者に転じた。

西東京大会決勝を制した後、河本監督は「本当に、本当に苦しい展開だった」と振り返りつつ、選手たちの奮闘に「(前回120点を使ったので)150点をあげたい」と最大級の言葉で健闘をたたえた。夢を選んでプロの道を歩んだ指揮官が、教え子たちを創部初の甲子園へ導いた。

甲子園出場が決まった7月28日には、矢澤主将が校長・河本監督とともに八王子市役所を表敬訪問している。その4日後の抽選会で、矢澤主将が選手宣誓の大役を射止めた。

なお、東京都は参加校数の多さから、北海道と並んで複数代表を送り出す都道府県の一つで、東西2代表制を採る。八王子実践は今回、その西東京代表としての甲子園出場だった。同じ都内の東東京代表を含め、49代表校の頂点を争う戦いが、この日の開幕戦から始まっている。

「歴代の皆様に負けないくらい」、本番へ重ねた練習

矢澤主将は、宣誓の中身にもこだわりを見せている。抽選会の時点で「自分の中で何個か決めているキーワードがあるのでそれをうまく使って言えたら」と明かし、「歴代のみなさまに負けないくらい素晴らしい文を」と意気込みを語っていた。

本番前日の8月4日に行われたリハーサルでは、思うようにいかない場面もあったという。矢澤主将は「(宣誓の途中で)止まってしまった部分や言葉が抜けてしまったところがあった」と振り返り、「100回、200回と練習をやって、必ず成功につなげたい」と本番に向けて練習を重ねる姿勢を示した。

創部以来初めての聖地で、チームの顔として声を発する大役。西東京の一校が担った宣誓は、100年の歴史を刻む学校にとって、新たな1ページとなった。

開会式後、八王子実践にとっての本当の戦いが始まる。初出場のチームがどこまで勝ち上がれるか、大会は8月22日の決勝まで続く。矢澤主将にとっても、宣誓という大役を終えた後は、まず1勝という目標が待っている。

関連記事:甲子園、第108回大会が8月5日に開幕 開会式は暑さ対策で2年連続の夕方16時開始、49代表校が行進

[文/構成 by スポーツライター 高瀬翔吾]

寄稿者

高瀬翔吾
Webメディアでスポーツ、エンタメ、時事ニュースなど、累計数千本の記事制作に携わってきたスポーツ系ライター。野球分野では、プロ野球の試合結果や選手の記録をはじめ、MLB、高校野球、ドラフト、移籍、契約更改などの記事を継続的に担当。数字や公式記録を基に情報を整理する記事を得意としており、結果を伝えるだけでなく、その記録が持つ意味や、選手・球団を取り巻く背景までわかりやすく解説することを心がけている。主な執筆分野は、プロ野球、MLB、高校野球、侍ジャパン、ドラフト、移籍情報。

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