秋山翔吾、海外FA権を行使せず広島に残留表明 38歳のベテラン「また1年カープで」

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広島東洋カープの秋山翔吾外野手(38)が10月31日、今季再取得した海外フリーエージェント(FA)権を行使せず、来季もチームに残る考えを明かした。マツダスタジアムで練習した後に取材に応じ、「また1年カープで」頑張りたいと話した。セ・リーグで指名打者(DH)制が始まる来季へ、守備でも計算される選手であり続ける考えを示している。
再取得の海外FA権は使わず、マツダスタジアムで残留を明言
秋山が残留の意思を語ったのは10月31日、本拠地のマツダスタジアムだった。この日は自主トレーニングを終えたあとに報道陣の取材に応じ、FA権を行使せずに来季もカープでプレーする考えを明言した。
もう一つの言葉も複数の社がそろって伝えている。「生まれ変わるカープの戦力として、結果を出す」ための準備を怠らずに続けていくという内容で、新井貴浩監督の5年目となる来季へ向けた決意だった。
海外FA権の取得条件を満たしたのは8月7日。プロ16年目のシーズン途中で、2019年オフに続く2度目の取得となった。NPBが10月19日に公示した2026年度のFA有資格選手名簿でも、秋山は広島の「海外FA権保有選手・今季取得者」の欄に名前がある。
残留の表明が出たのは、FA宣言の受け付けが始まってから3日目にあたる。NPBの公示によると、今季の有資格選手は国内FA権36人、海外FA権69人の計105人。このうち今季新たに国内FA権を取得したのは22人、海外FA権は17人だった。
関連記事:FA有資格者105人をNPBが公示 2026年の新規国内FA権は森下暢仁・周東佑京ら22人
西武で216安打、メジャー挑戦を経て2022年に広島へ
秋山は1988年4月16日生まれ。横浜創学館高校から八戸大学(現・八戸学院大学)へ進み、2010年のドラフト3位で埼玉西武ライオンズに入団した。2015年にはシーズン216安打を放ち、NPBのシーズン最多安打記録を塗り替えている。2017年には打率.322で首位打者に輝いた。
最初の転機は2019年オフに訪れる。海外FA権を行使して大リーグ挑戦を決め、2020年1月にシンシナティ・レッズと3年契約を結んだ。だが、メジャーでは2020年が打率.245、2021年は打率.204と結果を残せず、2022年の開幕前にレッズを離れることになった。
その後はサンディエゴ・パドレスとマイナー契約を結び、傘下の3Aエルパソでプレーしたものの、メジャー昇格は果たせなかった。自由契約となった秋山には、古巣の西武に加えてソフトバンク、広島が入団交渉に乗り出す。選んだのはカープで、2022年6月30日にマツダスタジアムで入団会見を開いた。
広島では最初の契約が3年で、その最終年だった2024年に「1番・中堅」に定着。リーグ3位の158安打、打率.289を残し、5年ぶりのゴールデングラブ賞も受賞した。報道によると、2024年オフには推定年俸1億8000万円の単年契約、2025年オフには推定5000万円減の1億3000万円で契約を更改している。2025年はけがの影響もあり、日本では自己最少の38安打に終わっていた。
広島での年度別成績はNPB公式記録で次のとおりだ。
| 年度 | 試合 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 打率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2022年 | 44 | 41 | 5 | 26 | .265 |
| 2023年 | 115 | 119 | 4 | 38 | .274 |
| 2024年 | 138 | 158 | 4 | 30 | .289 |
| 2025年 | 64 | 38 | 1 | 5 | .262 |
| 2026年 | 76 | 51 | 3 | 16 | .276 |
けがの離脱を挟んだ今季、7月と8月に3割超え
2026年の秋山は76試合で打率.276、3本塁打、16打点だった。5月10日の東京ヤクルト戦で左太もも裏を痛め、翌11日に出場選手登録を抹消された。7月7日に1軍へ戻るまで、約2か月間は1軍を離れている。それでも復帰後の7月は月間打率.323、8月も.318を記録し、代打でも結果を出した。8月6日の読売ジャイアンツ戦では、日米を通じて初めて4番打者として先発出場している。
シーズン終盤は下半身の張りがあり、代打での起用が中心になった。現在は球団施設などで練習を続けている。
数字で見るとNPB通算1812安打。メジャーでの安打を合わせた日米通算は1883安打となり、2000安打まで残り117本に迫る。2000安打は日本プロ野球名球会の入会条件の一つで、来季はこの節目にどこまで近づけるかも焦点になる。
来季のDH制導入と35歳以上の補償免除
来季はセ・リーグでもDH制が導入される。秋山は報道陣に対し、守れなければ試合に出られなくなるという危機感を語り、ある程度は守備を計算してもらえるだけの体の状態と技術を備えなければならないと話した。打撃だけでなく外野守備でもチームに貢献する準備を進めている。
FA制度そのものも、この残留表明の前日に大きく変わった。NPBは10月30日、日本プロ野球選手会との協議を経て、FA移籍に伴う補償の新しい取り扱いを発表した。2027年オフからは人的補償を撤廃し、ドラフト指名権の譲渡か金銭での補償に切り替える。
新制度では、旧所属球団で日本人選手の年俸が上位1〜3位のAランクならドラフト2巡目、4〜8位のBランクなら3巡目の指名権が補償の対象になる(Bランクの8位は金銭のみ)。指名権の代わりに金銭を選ぶこともでき、目安はAランクが年俸の80〜130%、Bランクが60〜100%。9位以下のCランクは補償がいらない。これまでのCランクは11位以下だった。制度は2029年オフをめどに見直しを話し合う前提で、選手会もこの条件で合意した。
さらに今オフからは、翌年4月1日時点で35歳以上の選手がFA移籍した場合、旧所属球団への補償が人的・金銭ともに不要になった。秋山は2027年4月1日時点で38歳なので、仮に権利を行使して他球団へ移っても、迎え入れた球団は補償を求められない立場にあった。移籍のハードルが下がった直後でも、秋山は残留を選んだ。
床田、森下、坂倉の決断は11月9日が期限
広島には、秋山のほかにも今季FA権を取得した主力が3人いる。3人とも初めての国内FA権だ。いずれもまだ去就を表明していない。
| 選手 | 年齢 | 今季成績(NPB公式) | 取得した権利 |
|---|---|---|---|
| 床田寛樹投手 | 31 | 23試合8勝6敗 | 国内FA権 |
| 森下暢仁投手 | 29 | 23試合7勝11敗 | 国内FA権 |
| 坂倉将吾捕手 | 28 | 140試合15本塁打74打点 | 国内FA権 |
床田は10月31日、マツダスタジアムで、権利の行使を本格的に検討していると明かした。森下は通算60勝を挙げている右腕で、報道によると巨人、DeNA、ソフトバンクが調査を進めている。坂倉にも西武とロッテが関心を示していると報じられた。
FA宣言の手続きは日本シリーズ終了の翌日から始まる。今年はソフトバンクがDeNAを4勝0敗で下して10月28日に日本一を決め、翌29日に受け付けが始まった。主な日程は次のとおりだ。
| 日付 | 内容 |
|---|---|
| 10月29日 | FA宣言の受け付け開始 |
| 11月9日 | 権利を行使する場合の意思表示の期限 |
| 11月10日 | FA宣言選手として公示 |
| 11月11日 | 全球団との契約交渉が可能に |
他球団でも、残留を選ぶ有資格選手が出始めている。阪神では熊谷敬宥内野手が国内FA権を行使せず、チームに残ることが決まった。
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秋山の来季の契約条件は、これからの契約更改交渉で決まる。2000安打まで残り117本で迎える2027年シーズン。4月には39歳になるベテランが、DH制の始まるセ・リーグで外野の定位置争いに再び挑む。
[文/構成 by スポーツ担当ライター 高瀬翔吾]










































































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