熊谷敬宥、国内FA権を行使せず残留表明 「もう一度阪神で優勝したい」と理由語る

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阪神の熊谷敬宥内野手(30)が10月31日、兵庫県西宮市の球団事務所で会見し、今季取得した国内FA(フリーエージェント)権を行使せずに残留する意思を表明した。残る決め手は、球団から必要とされたことと、チームでもう一度優勝したいという思いの2つだった。報道によると新たに3年契約を結び、総額は1億2000万円プラス出来高(推定)となる。
会見で語った2つの理由
会見で熊谷はまず、話し合いの中で球団から自分の力がまだ必要だと伝えられ、残留を選んだと説明した。そのうえで「まだ僕が必要だと言っていただき、自分自身ももう一度阪神で優勝したい気持ちが強かった」と、決断の中身を自分の言葉で語っている。
もう一つの理由は、終わったばかりのポストシーズンの悔しさにある。阪神は10月3日に球団初のセ・リーグ連覇を決めながら、クライマックスシリーズ(CS)のファイナルステージで3位のDeNAに4連敗し、日本シリーズへ進めなかった。10月17日に甲子園球場であった第4戦は、9回に逆転を許して5-8で敗れ、1勝も挙げられないまま終わっている。DeNAはファーストステージから負けなしの6連勝で、2年ぶり5度目の日本シリーズ進出を決めた。熊谷は「CSも4連敗という形で悔しい気持ちで終わったので、もう一度タイガースで優勝したい」と続け、来季に懸ける思いを口にした。
個人の今季についても、熊谷は納得していないと明かした。報道によると、エラーが多く、優勝はできたものの、もっとこうしておけば良かったという悔しさが残るシーズンだったと話している。
遊撃のポジション争いについても質問が飛んだ。来季は高寺望夢(24)も遊撃の争いに加わる見込みで、競争はさらに激しくなる。熊谷は、誰が遊撃を守るかは関係なく、自分のレベルアップが課題だという考えを示したと報じられている。
球団は公式サイトで発表、本人のコメントも
阪神は10月31日、球団公式サイトで熊谷がFA権を行使せずに残留することを発表した。熊谷はコメントで「このたび、FA権を行使せず、タイガースでプレーすることを決めました」と報告し、決断の理由として球団関係者、チームメイト、ファンへの感謝と、タイガースの一員としてプレーを続けたいという思いを挙げている。
コメントは「また皆さんと共に最高の景色を見るために、これからも自分の役割を全うし、チームの勝利に貢献できるよう頑張ります」と結ばれていた。球団の発表文には、契約年数や年俸は書かれていない。
残留の方向は、会見に先立つ10月31日未明に報じられていた。熊谷は10月29日の時点で、すでに球団と交渉したことを明かし、球団が自分を必要としていることはよく伝わっていると話していた。球団は3年契約という条件を示し、最終的に合意へ至った。
8月9日に国内FA権を取得、他球団も関心
熊谷が国内FA権を取得したのは今季の8月9日だった。日本野球機構(NPB)が10月19日に公示したFA有資格選手の名簿では、今季新たに国内FA権を得た選手の欄に熊谷の名前があった。
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阪神は10月中旬、熊谷と同じく国内FA権を得た木浪聖也、海外FA権を持つ伏見寅威と岩崎優にも残留を求める方針を示していた。報道によると、熊谷は他球団が獲得しても人的・金銭の補償が要らないCランクとされ、水面下では複数の球団が関心を寄せていた。それでも阪神は複数年の契約を早くから提示し、交渉を重ねてきた。報道によると、嶌村聡球団本部長は10月中旬、4人について当然残ってほしいとの考えを示し、話は進めていると説明していた。
岩崎は熊谷より1日早い10月30日に残留が発表され、報道によると2年契約を結んだ。リーグ連覇を支えた2人が、同じ週のうちに権利を行使しない決断を下したことになる。
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代走・守備固めから遊撃の先発へ、9年目の成績
熊谷は1995年11月10日生まれ。仙台育英学園高等学校から立教大学へ進み、2017年のドラフト3位で阪神に入団した。右投げ右打ちで、俊足と内外野を守れる守備が持ち味。プロ入り後しばらくは、代走や終盤の守備固めでベンチから出る役回りが中心だった。
NPBの個人年度別成績によると、1軍での歩みは次のとおり(2019年は1軍出場なし)。
| 年度 | 試合 | 打席 | 打率 | 盗塁 |
|---|---|---|---|---|
| 2018 | 19 | 18 | .231 | 3 |
| 2020 | 38 | 17 | .313 | 3 |
| 2021 | 73 | 6 | .000 | 7 |
| 2022 | 63 | 52 | .156 | 7 |
| 2023 | 26 | 9 | .333 | 3 |
| 2024 | 32 | 9 | .125 | 1 |
| 2025 | 85 | 170 | .224 | 6 |
| 2026 | 80 | 181 | .211 | 6 |
数字を並べると、2025年に役割が変わったことが分かる。2021年は73試合に出ながら打席はわずか6で、ほとんどが代走か守備からの途中出場だった。藤川球児監督が就任した2025年は遊撃での先発が増え、自己最多の85試合に出場して170打席に立った。この年は中堅の先発も任され、チームのリーグ優勝に加わっている。
9年目の2026年は80試合で打率.211、35安打、13打点、6盗塁。犠打も9を記録した。打席数は181と、2年続けて自己最多を更新した。打率は2割台前半にとどまったが、報道によると得点圏打率は.314を記録している。走者を置いた場面での一打と内外野を埋める守備で、リーグ連覇を下支えした。
3年契約で2029年まで、リーグ3連覇へ
報道によると、3年契約は2029年シーズンまで。阪神は10月26日、藤川監督と2029年までの新たな3年契約を結んだと発表しており、熊谷の契約期間とちょうど重なる。
来季の阪神が目指すのは、球団初のリーグ3連覇と、CSで逃した日本シリーズの舞台だ。熊谷は11月1日から高知県安芸市で始まる若手中心の秋季キャンプには参加せず、兵庫県尼崎市の2軍施設を中心に練習を積む予定と報じられている。
遊撃の定位置を争う顔ぶれは来季さらに増える。代走から始まったキャリアは、30歳で結んだ3年契約で次の段階に入る。もう一度阪神で優勝するという目標に向け、背番号4の挑戦が続く。
[文/構成 by スポーツ担当ライター 高瀬翔吾]










































































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