中田璃士さんの4回転トーループが新ルールで無効 同じ種類は3回までの規定と総合5位の経緯

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シニアの国際大会にデビューしたフィギュアスケートの中田璃士(17)が、ショートプログラム首位から一転、フリーの判定に泣いた。今季導入された「同じ種類のジャンプは回転数にかかわらず3回まで」という新ルールに触れ、後半に着氷させた4回転トーループが無効と判定されたためだ。合計243.15点で総合5位に終わった。
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SP首位から5位転落、無効の一撃
舞台は木下グループ杯2026(東京・田中貴金属アイスアリーナ)。男子シングルは9月4日にショートプログラム、5日にフリーが行われた。中田は2025年、2026年の世界ジュニア選手権を連覇し、次代のホープと目されてきた選手だ。シニア国際大会への初出場となる今大会は、その実力をワンランク上の舞台で試す機会でもあった。
中田は9月4日のショートプログラムで自己ベストの96.48点をマークし、首位で発進した。5日のフリーで流れが変わる。演技構成自体に大きな乱れはなかったが、6項目のジャンプ要素のうち1本がまるごと無効と判定され、フリーの得点は146.67点にとどまった。
合計は243.15点。優勝したウラジスラフ・ジキジ(AIN、265.68点)、2位の佐藤駿(255.92点)から大きく離され、5位で競技を終えた。無効になったのは後半に着氷させた4回転トーループだ。着氷自体は乱れておらず、見た目には成功したジャンプだった。それでも得点はゼロ。原因は今季新設された「同じ種類のジャンプの本数制限」にあった。
なぜ無効に ジャンプ構成をたどる
中田のフリーは冒頭の4回転サルコーから始まった。続けて4回転トーループと3回転トーループをつなぐ連続ジャンプを決め、ここまでで既にトーループ系のジャンプを2本消化していた。
次に単独で跳んだ4回転トーループは回転が抜け、2回転トーループの認定にとどまる。これが3本目のトーループにあたる。後半、失点を取り戻そうと中田は再び4回転トーループに挑んだ。着氷に乱れはない。だが、これが4本目のトーループとなり、今季からのルールに抵触した。
同じ種類のジャンプは、回転数の違いを問わず1試合で3回までしか得点が認められない。制限を超えて跳んだジャンプは、着氷の出来にかかわらず技術審判の判定で無効の扱いになり、基礎点も出来栄え点もまとめてゼロと査定される。回転不足で減点される通常のミスとは異なり、得点自体が丸ごと消える点が今回のケースの重さだ。中田は競技後、ルール変更自体は頭に入れていたものの、演技を終えるまで無効になる点に気づかなかったと明かし、「悔しいです」と短く語った。
「7本から6本」新ルールの中身
今回中田を直撃したルールは、国際スケート連盟(ISU)が2024年6月14日の第59回総会で採決した改正の一部だ。賛成31、反対25、棄権1という僅差での可決で、反発も根強かった。適用開始は当初の予定から延期され、今季2026-2027シーズンからとなった。
改正の柱は複数ある。フリースケーティングのジャンプ要素は7本から6本に減り、連続ジャンプも3本から2本までに制限された。そのうえで、今回中田がひっかかった「同じ種類のジャンプは回転数にかかわらず3回まで」という上限が新たに設けられた。つなぎのジャンプとして使われてきた「オイラー」は得点に数えられない要素に位置づけが変わっている。一方でスピンやステップの基礎点は引き上げられ、新要素「コレオグラフィックスピン」も加わった。ジャンプの本数や難度に偏りがちだった採点の比重を、表現力の側に近づける狙いがある。
同じ木下杯、各選手の明暗
木下グループ杯には日本勢が多数出場していた。
女子でも新ルール下の初陣が相次いだ。中井亜美はショートプログラムで自己ベストの80.27点をマークして首位に立ち、旧姓トルソワのアレクサンドラ・イグナトワは74.92点で4位につけた。アイスダンスでは紀平梨花・西山真瑚組がリズムダンスで61.37点、8位と国際大会デビューを果たしている。
関連記事:中井亜美さん、木下グループ杯の女子SPで自己ベスト80.27点の首位
表彰台とは10点差、リベンジへ
男子シングルの最終順位は、1位ジキジ(265.68点)、2位佐藤(255.92点)、3位エフゲニー・セメネンコ(253.30点)、4位ソ・ミンギュ(251.07点)、5位中田(243.15点)、6位ピョートル・グメンニク(236.25点)。中田と3位セメネンコとの差は10.15点にとどまる。無効になったジャンプの得点がそのまま加わっていれば、表彰台がぐっと近づいていた計算になる。
中田にとっては、ほろ苦いシニアデビューとなった。それでもショートプログラムで見せた首位発進の内容は、実力そのものを裏づける結果だ。中田は今回の反省を踏まえ、ルールを改めて頭に入れたうえで次戦に臨みたいとの意気込みを語っている。世界選手権など今後の大舞台に向け、17歳の巻き返しに注目が集まる。
連覇を重ねたジュニア時代、次戦はGPシリーズへ
中田がここまで積み上げてきた実績は、シニアへの期待を裏づけるものでもある。2023年12月、初出場だったジュニアグランプリファイナル(北京)でフリーに逆転し、合計227.77点で優勝。2024年3月の世界ジュニア選手権(台北)では合計229.31点で2位となり、同年12月の全日本選手権では4回転ループを含むノーミスの演技で鍵山優真に次ぐ2位に入った。2025年3月の世界ジュニア選手権(デブレツェン)では合計248.99点で初優勝し、日本男子として2年ぶり7度目のジュニア世界一に輝くと、同年12月の全日本ジュニア選手権では合計255.25点をマークし、鍵山が2019年に樹立した歴代最高得点を更新して優勝した。2026年3月の世界ジュニア選手権(タリン)でも合計268.47点をたたき出し、ショートプログラムと合計の両方でジュニア歴代最高点を更新しながら2連覇を果たしている。
木下グループ杯でシニア国際大会デビューを終えた中田の次戦は、10月30日から11月1日にかけてカナダ・ケロウナで開催されるグランプリシリーズ第2戦「スケートカナダ」に決まっている。続けて11月27日から29日には、東京・京王アリーナTOKYOで行われる第6戦「NHK杯」にも出場する予定だ。今大会で浮き彫りになった新ルールへの対応という課題を、初めてのグランプリシリーズでどう生かすかが注目される。
[文/構成 by スポーツライター 久遠(KUON)]







































































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