池袋暴走事故の遺族・松永拓也さんをSNSで中傷した疑い、20代男を書類送検 長女の誕生日の投稿に何を書いたのか、起訴の判断はこれから

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2019年の池袋暴走事故で妻と長女を亡くした松永拓也さん(40)をSNSで中傷したとして、警視庁巣鴨署は2026年11月6日、名誉毀損の疑いで20代の男性を書類送検した。男性は長女の誕生日にまつわる松永さんの投稿を引用して書き込んだ疑いがあり、容疑を認めていると報じられた。起訴するかどうかは、これから検察が判断する。
長女の誕生日の投稿を引用して書き込んだ疑い
報道によると、男性は2026年1月11日、X(旧ツイッター)で、事故で亡くなった長女・莉子ちゃん(当時3)の誕生日に関する松永さんの投稿を引用し、「亡くなった娘で金稼ごうとしてるお前見て私は泣いた」などと書き込んだ疑いが持たれている。
松永さんは書き込みの2日後の1月13日に巣鴨署へ相談し、同署が捜査を進めて男性の関与が浮かんだ。送検を受けて松永さんは「一人でも多くの方に、自分の発信には責任が伴うことを考えてほしい」と話したと報じられている。男性は任意の事情聴取に「私がやったことに間違いない」と話し、容疑を認めているという。捜査関係者への取材でも、容疑を認めていることが報じられた。男性は徳島県内に住んでいると報じられているが、氏名は明らかにされていない。
亡くなった長女の誕生日に関する投稿に、こうした言葉が書き込まれたとされる。
書類送検とは 起訴か不起訴かは検察が決める
書類送検は逮捕とは違う。警察が容疑者の身柄を拘束しないまま捜査を進め、調べた書類や証拠を検察官へ送る手続きを指し、この段階で罪が決まったわけではない。
送られた事件は検察が改めて調べ、裁判にかける(起訴)か、かけない(不起訴)かを決める。起訴されれば、有罪か無罪かは裁判で審理される流れだ。
名誉毀損罪は刑法230条に定めがあり、公然と(不特定または多数の人が知り得る状態で)事実を示して他人の名誉を傷つけた場合が対象になる。示した事実が本当かどうかは問われない。法定刑は3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金。刑法232条により、被害者の告訴がなければ起訴できない「親告罪」とされている。
似た罪に侮辱罪(刑法231条)がある。法務省の説明では、2つの罪の主な違いは「事実を示したかどうか」で、具体的な事実を示さずに人をおとしめる行為は侮辱罪の対象になる。ネット上の中傷が社会問題となったことを受け、侮辱罪の法定刑は2022年7月7日から引き上げられ、それまでの拘留・科料に加えて懲役・禁錮(現在は拘禁刑)や罰金も科せるようになった。
今回の書き込みが罪に当たるかどうかは、今後、検察や裁判所が判断する。
中傷を受けながらも声を上げ続けた松永さん
事故は2019年4月19日、東京・池袋で起きた。暴走した乗用車にはねられ、妻の真菜さん(当時31)と莉子ちゃんが亡くなった。運転していた男性には禁錮5年の実刑判決が確定している。
松永さんは交通事故の遺族でつくる「関東交通犯罪遺族の会(あいの会)」の副代表理事を務め、講演などで事故をなくす取り組みを訴えてきた。だが、その発信には心ない言葉が向けられ続けた。
今回とは別の事件として、2022年3月には、男性が松永さんのツイッターに、金銭や反響が目当てで活動しているとする趣旨の返信を送った。男性はこの返信による侮辱罪と、同年8月に東京・秋葉原などでの無差別殺傷を示唆した別の投稿による偽計業務妨害罪で起訴され、東京地裁は2023年1月13日、当時23歳の男性に懲役1年・執行猶予5年と拘留29日の有罪判決を言い渡している。判決後、松永さんは民事でも損害賠償を求める考えを示した。
2023年11月には、交通事故の鑑定を手がける一般社団法人の代表理事の男性が、Xの音声配信で松永さんら交通事故の遺族を中傷した。警視庁は2024年7月にこの男性らを書類送検し、男性は同年11月、名誉毀損と侮辱の罪で略式起訴されて罰金30万円の略式命令を受けた。
2024年11月には、横浜市の14歳の女子中学生が、あいの会に送ったメールで松永さんを脅した疑いなどで書類送検された。
| 時期 | 出来事 | 刑事手続き |
|---|---|---|
| 2022年3月 | 男性がツイッターで松永さんに中傷の返信 | 侮辱罪(と別の投稿による偽計業務妨害罪)で起訴、 |
| 2023年11月 | 交通事故鑑定人の男性がXの音声配信で松永さんら遺族を中傷 | 2024年7月に書類送検、 |
| 2024年9月 | あいの会に松永さんを脅すメールが届く | 2024年11月、 |
| 2026年1月11日 | Xで長女の誕生日の投稿を引用して書き込み | 2026年11月6日、 |
事実関係の解明はこれから
男性は容疑を認めていると報じられているが、書類送検はあくまで捜査の途中の手続きだ。起訴されるか、裁判でどう判断されるかは、まだ決まっていない。
松永さんは2024年の脅迫事件の際、加害者の素性をネット上で詮索しないよう呼びかけていた。今回も男性の氏名などは公表されていない。検察の判断を待つ段階が続く。
[文/構成 by ライター 飯田タツヤ]










































































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