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名原典彦、900万円増の推定1500万円で契約更改 広島の育成出身外野手、年俸推移と背番号57

名原典彦、900万円増の推定1500万円で契約更改 広島の育成出身外野手、年俸推移と背番号57

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広島東洋カープの名原典彦外野手(26)が11月5日、秋季キャンプ地の宮崎県日南市にあるチーム宿舎で契約更改交渉に臨み、900万円増の年俸1500万円(金額は推定)でサインした。育成4年目の2026年5月21日に支配下登録をつかみ、1軍で83試合に出場。来季からは背番号が「92」から「57」に変わる。

年俸は600万円から2.5倍の1500万円に

交渉は一発サインで終わった。名原は「ごねる選択肢はありません」と話し、金額を問われると「1億5000万円です」と冗談を返したという。600万円からの上げ幅は150%で、年俸は2.5倍。大幅な昇給には「素直にうれしいです」と話した。

2026年のシーズンを、本人は「人生が変わった1年」と表現した。育成選手として入団し、一度は戦力外通告を受けた選手にとって、支配下登録から半年足らずで年俸が1000万円台に乗った。周囲に人生を変えてもらったという思いも口にし、「キャラクターも含めいい評価をしてもらったので、来季は1軍の戦力でいることを目標に頑張りたい」と続けた。

同じ11月5日には、名原を含む6選手が日南で契約を更改している。秋季キャンプに参加する選手の交渉がこの日から始まり、10月28日の益田武尚、11月2日の林晃汰に続く更改となった。

選手推定年俸増減
名原典彦(外野手)1500万円900万円増
齊藤汰直(投手)1200万円現状維持
佐藤柳之介(投手)1100万円100万円減
赤木晴哉(投手)1000万円300万円増
久保修(外野手)800万円100万円増
杉田健(投手)700万円100万円増

6人の中で最も高い年俸となり、上げ幅も2番目に大きい赤木の3倍にあたる。表の杉田も7月21日に育成から支配下へ移った選手で、この日は育成出身の2人がそろって昇給を勝ち取った。

支配下登録から83試合、2026年の1軍成績

NPB公式記録によると、名原の2026年の1軍成績は次のとおりだ(シーズン終了時点)。

項目成績
試合・打席83試合・285打席
安打66安打(二塁打8、三塁打4、本塁打3)
打点・得点16打点・32得点
盗塁6盗塁(盗塁刺5)
打率・出塁率・長打率.247・.286・.341

5月21日に支配下登録されると、その日のうちに1軍へ昇格し、翌22日の中日戦でデビューした。滑り出しは鮮やかで、デビューから12試合で7度のマルチ安打を記録し、一時はレギュラーをうかがう位置まで来た。以降はシーズン終了まで1軍に帯同している。

登録の時点で、2軍では27試合で打率.242、0本塁打、3打点、チーム最多の8盗塁という数字だった。打撃より足を買われての昇格だった。登録までの4年間で、2軍では通算204試合に出場して本塁打は0本。その打者が、1軍では3本を放っている。

支配下登録の発表時、名原は「まずは、守備走塁でチームに貢献していきたいです」とコメントしていた。足と守備で入り口をつかみ、打撃でも66安打を積み上げたシーズンだった。

明るい性格もチームで目立った。「気合と根性」を合言葉にした1年だったと伝えられている。

育成1位から戦力外、再契約を経た支配下

名原は2000年6月24日生まれ、広島市出身。瀬戸内高等学校では2018年春の第90回記念選抜高等学校野球大会に出場し、青森大学を経て、2022年の育成ドラフト1位で地元の広島に入団した。2022年11月15日に支度金319万円、年俸300万円(いずれも推定)で仮契約を結んだ。入団時の背番号は「121」。

育成選手は3桁の背番号を着け、2軍の試合には出られるが、支配下選手として登録されるまで1軍の公式戦には出場できない。支配下選手は1球団70人までと決まっており、枠に空きがなければ昇格の機会も来ない。名原はこの立場で3年以上を過ごした。

売りは脚力だ。入団時には育成での指名に悔しさもあったと明かしつつ、「売りは走ること」と語っていた。2024年は2軍でチーム最多タイの11盗塁を決めている。

だが、3年目の2025年は思うように進まなかった。

2024年オフに体重を約10キロ増やして臨んだが、4月にスライディングで左膝を裂傷し、12針を縫うけがを負う。ウエスタン・リーグの出場は3年間で最も少ない46試合にとどまった。育成契約は最長3年というNPBの規定により、2025年10月25日に来季の契約を結ばないことを伝えられ、球団は育成で再契約する方針を示した。秋のみやざきフェニックス・リーグでは13試合で打率.345、出塁率.500、チームトップの11盗塁と結果を出した。10月16日から19日にかけて現地で4試合を視察した新井貴浩監督は「体も大きくなっているし、スピードもある。精神的にもハングリーさもあるし、おもしろい選手」と評価した。名原は11月23日、育成選手として再契約を結んでいる。

「勝負の1年」と位置づけた4年目の5月、支配下登録の知らせが届いた。両親に報告すると泣いて喜んでくれたと、名原は話している。

年俸推移と背番号の変遷

報道で確認できる推定年俸の推移をまとめた。2024年、2025年と、育成再契約時(2026年シーズン開始時)の年俸は確認できなかったため、表には入れていない。

時期推定年俸契約
2023年(2022年11月の仮契約)300万円育成選手
2026年(5月21日の支配下契約)600万円支配下選手(契約金1000万円)
2027年(2026年11月5日の更改)1500万円支配下選手

入団時の300万円から見ると、年俸は5倍になった。支配下契約で育成時代の「121」から「92」へ移り、来季はさらに「57」を背負う。

背番号期間
1212023年〜2026年5月20日(育成)
922026年5月21日〜2026年シーズン終了
572027年〜

57はこれまで持丸泰輝捕手が着けていた番号で、持丸は来季から「40」に変わる。3桁の育成番号から92、57と、1年足らずの間に2度番号が変わる。

来季はミスをゼロに、打球は低く

オフの課題に挙げたのは、スイングスピードの向上とミスをなくすことだった。マツダスタジアムでの秋季練習中に10キロ上がり、今は平均118キロだという。本塁打を打ちたいと思うと上を向いてしまうため、自分のタイプを意識して低い打球を心がけたいと話した。

1軍の戦力であり続けるために、バント、守備、走塁のミスをゼロにする。名原はそう掲げ、何でもできる選手にならなければレギュラーは見えてこないと語った。2026年の1軍では6盗塁を決めた一方、盗塁刺も5つあり、出塁率は.286だった。俊足を武器に入ってきた選手にとって、塁に出る回数と走塁の精度を上げることが、レギュラー争いへの近道になる。来季については「期待を裏切らないよう、プレッシャーを感じながらやっていきたい」と話している。

広島ではこのオフ、坂倉将吾捕手が国内FA権を行使するなど、主力の去就も動いている。

関連記事:坂倉将吾が国内FA権を行使、カープに「感謝もある」 推定年俸1億4000万円のFAランクと、獲得調査のロッテ・西武、宣言残留の行方

日南の秋季キャンプは11月5日に始まったばかりだ。背番号57で迎える5年目は、支配下選手として開幕を迎える初めてのシーズンになる。

[文/構成 by スポーツ担当ライター 高瀬翔吾]

寄稿者

高瀬翔吾
Webメディアでスポーツ、エンタメ、時事ニュースなど、累計数千本の記事制作に携わってきたスポーツ系ライター。野球分野では、プロ野球の試合結果や選手の記録をはじめ、MLB、高校野球、ドラフト、移籍、契約更改などの記事を継続的に担当。数字や公式記録を基に情報を整理する記事を得意としており、結果を伝えるだけでなく、その記録が持つ意味や、選手・球団を取り巻く背景までわかりやすく解説することを心がけている。主な執筆分野は、プロ野球、MLB、高校野球、侍ジャパン、ドラフト、移籍情報。

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