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山下美夢有、メイバンク選手権で大会連覇 2026年は3ツアーで5勝、優勝賞金と生涯獲得賞金

山下美夢有、メイバンク選手権で大会連覇 2026年は3ツアーで5勝、優勝賞金と生涯獲得賞金

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米女子ツアーのメイバンク選手権最終ラウンドが11月1日、マレーシアのクアラルンプール・ゴルフ&カントリークラブで行われ、首位から出た山下美夢有(25)=花王=が68で回り、通算22アンダーで逃げ切った。2打差の2位は劉艶(中国)。大会連覇で米ツアー通算5勝目となり、2026年は米国、欧州、日本の3ツアーで計5勝目。優勝賞金は45万ドルだった。

最終日68、18番のバーディーで締めた連覇

舞台はクアラルンプール・ゴルフ&カントリークラブのウエストコース(6536ヤード、パー72)。予選カットのない4日間72ホールの大会で、賞金総額は300万ドルだった。日程は現地時間で10月29日から11月1日まで。マレーシアは日本より1時間遅いだけなので、日付は日本時間でも変わらない。

2打差の単独首位で最終日を迎えた山下は、最終組で劉艶と同組になった。劉艶は今季の平均飛距離で山下を約20ヤード上回り、3日目に63をマークして2打差の2位タイに浮上していた相手だ。

山下は精度で対抗した。パー5の3番と5番は、ともに残り約90ヤードの第3打をピンに絡めてバーディー。8番では5メートルのスライスラインを沈め、リードを広げる。9番はバンカーにつかまってこの日唯一のボギーをたたいたが、11番で6メートルのバーディーパットを決め、すぐに取り返した。

最後は18番。4メートルのバーディーパットを沈めると、両手を突き上げた。5バーディー、1ボギーの68で、4日間のスコアは65、66、67、68。通算22アンダーの266は、2位の劉艶に2打差をつける逃げ切りとなった。

上位の最終成績は次のとおり(11月1日の最終ラウンド終了時点、LPGA公式)。

順位選手通算スコア
優勝山下美夢有(日本)22アンダー(266)
2位劉艶(中国)20アンダー(268)
3位タイポリーヌ・ルッサン=ブシャール(フランス)19アンダー(269)
3位タイマリサ・トジャイ(タイ、アマチュア)19アンダー(269)
5位ロビン・チョイ(オーストラリア)17アンダー(271)

劉艶も最終日は68と崩れなかったが、差は最後まで縮まらなかった。日本勢では岩井明愛と吉田優利が通算13アンダーの9位タイに入る。原英莉花、岩井千怜、古江彩佳は35位タイ、勝みなみは44位タイ、渋野日向子は59位で4日間を終えた。

8打差の逆転から1年、今度は首位を守り切った

山下の連覇は、勝ち方が前年と正反対だった。

2025年大会は首位と8打差の11位タイから最終日を迎え、65を出してチェ・ヘジン(韓国)、ハンナ・グリーン(オーストラリア)とのプレーオフに持ち込み、1ホール目のバーディーで制した。米ツアー1年目のこの勝利は、8月のAIG女子オープン(全英女子)に続く2勝目で、その年の新人賞にもつながっている。

2026年大会は初日に65で首位と1打差の2位タイ発進。2日目は6バーディー、ボギーなしの66で単独首位に立ち、ここから最後まで首位を譲らなかった。

関連記事:山下美夢有、メイバンク選手権2日目に66で単独首位浮上 昨年覇者が通算13アンダーで2打差

メイバンク選手権は2023年に始まった大会で、2023年はセリーヌ・ブティエ(フランス)、2024年はイン・ルオニン(中国)が勝ち、2025年と2026年は山下が続けて制した。日本勢が米ツアーの同じ大会を連覇するのは、1987年と1988年に京セラ・稲盛クラシックを制した岡本綾子以来38年ぶりだ。

記録はもう一つある。日本勢が米ツアーでシーズン3勝以上を挙げたのは、5勝した2010年の宮里藍以来となる。米ツアー通算5勝は、17勝の岡本綾子、9勝の宮里藍、7勝の畑岡奈紗に次ぐ日本勢4位だ。

2026年の5勝、内訳は米3勝・欧州1勝・日本1勝

2026年の山下は、米国、欧州、日本のそれぞれのツアーで勝った。米ツアーのLPGA公式記録、欧州女子ツアー(LET)、日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の記録と報道で数えると、優勝は次の5大会になる。

日付大会ツアー優勝スコア優勝賞金
6月21日マイヤーLPGAクラシック米女子17アンダー(プレーオフ勝ち)48万7500ドル
8月23日CPKC女子オープン米女子23アンダー(9打差)41万2500ドル
9月13日ソニー日本女子プロゴルフ選手権日本女子9アンダー(プレーオフ勝ち)3600万円
10月11日アラムコ韓国選手権欧州女子22アンダー(3打差)30万ドル
11月1日メイバンク選手権米女子22アンダー(2打差)45万ドル

始まりは6月だった。2026年はまだ優勝のなかった山下は、マイヤーLPGAクラシックの最終日に5打差の7位タイから64を出し、ロティ・ウォード(イングランド)とのプレーオフを制した。

関連記事:山下美夢有、5打差からの劇的逆転優勝 メジャー女王の復調ぶりにファン歓喜【米女子ツアー】

8月のCPKC女子オープン(カナダ)は4日間首位を守り、2位の吉田優利に9打差をつけた。9月には今季初めて出場した日本ツアーで、母の出身地でもある石川県の片山津ゴルフ倶楽部白山コースで行われたソニー日本女子プロゴルフ選手権に勝つ。吉澤柚月とのプレーオフを1ホール目で制し、国内メジャーは通算4勝目で3冠を達成し、日本ツアー通算14勝目となった。

関連記事:山下美夢有、プレーオフ制し国内メジャー3冠 ソニー日本女子プロゴルフ選手権で吉澤柚月を下す

10月には韓国のニューコリアカントリークラブで行われた欧州女子ツアーのアラムコ韓国選手権で、最終日にボギーなしの63を出して優勝した。欧州ツアーでは2025年のAIG女子オープン以来の2勝目だ。

関連記事:山下美夢有、欧州女子ツアーのアラムコ韓国選手権を制す ボギーなしの63で通算22アンダー、単独首位から逃げ切り

そして11月のメイバンク選手権。米ツアーの3勝に、日本と欧州の1勝ずつを加えた5勝が、2026年の山下の成績になる。大阪府寝屋川市出身で、大阪桐蔭高等学校時代の2019年に全国高等学校ゴルフ選手権を制した山下は、2022年と2023年に日本ツアーの年間女王となり、2025年から主戦場を米ツアーに移していた。

優勝賞金45万ドル、米国での生涯獲得賞金は674万ドル超

優勝賞金45万ドルは、10月30日の欧州中央銀行の参照レート(1ドル=157.25円)で換算すると約7076万円になる。報道では約7100万円と伝えられた。

LPGA公式サイトの記録では、メイバンク選手権を終えた時点で山下の2026年の公式獲得賞金は320万3653ドル。21試合に出場し、3勝を含むトップ10は13回を数える。米ツアーでの生涯の公式獲得賞金は674万9541ドルに達した。同じレートで換算すると、約10億6137万円になる。2025年のデビューから2年足らずで、ここまで積み上げた。

日本ツアーの数字は別に数える。JLPGA公式サイトの生涯獲得賞金ランキング(JLPGAの賞金ランキング対象試合が対象、11月1日更新)では、山下は142試合で7億8801万1718円を稼ぎ、歴代15位につけている。2022年は2億3502万967円、2023年は2億1355万4215円と、2年続けて年間2億円を超えて賞金女王になった。米ツアーの賞金と日本ツアーの賞金は通貨も集計の対象も違い、単純には合算できない。

連覇の喜びと好調の理由

優勝インタビューで山下は、まず英語でとてもうれしいと繰り返した。連覇できるとは思っていなかったと話し、リラックスしてプレーに集中できたと明かした。

日本の報道陣の取材では、最終組の劉艶は飛距離のあるパワフルなショットを打つので、最後まで気が抜けなかったと語っている。18番は優勝を考えず、目の前のパットを決めることだけに集中したという。

宮里藍以来のシーズン3勝、岡本綾子以来の大会連覇になったことを、とてもうれしいと喜んだ。宮里はテレビでよく見ていた選手で、岡本も本当にすごい選手だとし、その2人に続く結果を残せたことは自信になると続けた。

2勝した2025年からの変化には、縦の距離感が良くなりショットが安定したことを挙げる。今季はアンダーパーのラウンド数、ボギーなしのラウンド数、パットの総合力を示す数値などがツアー最高と報じられ、幅が狭く高低差の大きいホールが多い今大会の4日間も、フェアウェイキープ率とパーオン率がともに85%を超えた。好調の理由については、昨年より体調や日程を考えて出る試合に集中できていることと、前週のBMW女子選手権で優勝した吉田優利ら日本勢の活躍からの刺激を挙げた。

レース・トゥ・CMEグローブはコルダと530ポイント差、次戦は茨城

年間ポイントレースのレース・トゥ・CMEグローブで、山下は4位から2位に上がった。LPGA公式サイトの11月2日時点のランキングでは、首位のネリー・コルダ(米国)との差は530.249ポイント。3位にはジーノ・ティティクル(タイ)が続く。

次戦はアジアシリーズの最終戦、TOTOジャパンクラシック。11月5日から8日まで、茨城県の太平洋クラブ美野里コースで行われる。山下のほか、前年覇者の畑岡奈紗ら日本勢の米ツアーメンバー10人が出場を予定している。

2週続けて日本勢が米ツアーを制した流れのまま、今度は日本で2026年6勝目を狙う。

[文/構成 by スポーツ担当ライター 南條楓]

寄稿者

南條楓
学生時代に陸上の中距離を続けていたこともあり、記録で勝負が決まる競技に惹かれてスポーツを書くWebライターに。執筆歴は8年。陸上や水泳、体操、フィギュアスケートなど、記録と採点が結果を左右する競技を中心に、国際大会の速報から選手の歩みをたどる記事まで担当してきた。タイムや得点の意味、予選から決勝までの流れを、初めて観る人にも伝わる言葉で書くことを大切にしている。

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