安青錦、約半年ぶりの出稽古で藤ノ川に7勝 左足首を痛めた5月以来、九州場所は8日初日

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大相撲の大関・安青錦(22)=安治川部屋=が11月1日、福岡の時津風部屋の宿舎へ出向き、約半年ぶりとなる出稽古に臨んだ。同じく出稽古に来ていた関脇・藤ノ川と三番稽古で8番取り、7勝1敗。最後の出稽古は左足首を痛めた5月の夏場所前で、それ以来の出稽古だった。九州場所は11月8日、福岡国際センターで初日を迎える。
最初の1番を落とし、そこから7連勝
初日まで1週間となった11月1日、安青錦が胸を合わせた相手は関脇・藤ノ川(21)=伊勢ノ海部屋=だった。出稽古は自分の部屋を出てほかの部屋で稽古することで、普段とは違う相手と相撲を取れる。2人はともに出稽古として時津風部屋の宿舎を訪れ、同じ相手と続けて何番も取る三番稽古で8番を重ねた。
滑り出しは良くなかった。最初の1番は藤ノ川の鋭い出足に押し込まれ、土俵を割る。それでも2番目から流れを引き戻し、残る7番をすべて取った。藤ノ川の白星はこの1番だけだった。
稽古を終えた安青錦は、久しぶりで最初はうまくいかなかったが、2番、3番と取るうちに感覚が戻ってきたと説明した。内容も悪くなく、しっかり前に攻められたと手応えを口にしている。
相手に藤ノ川を選んだのは安青錦の側だった。動きの速い藤ノ川についていければ場所は問題ない、というのが本人の考えだ。2人は2024年11月場所でそろって新十両に昇進した間柄で、藤ノ川は当時「若碇」のしこ名だった。安青錦は「これから5年、10年」一緒にやっていく相手だと話し、いい稽古になるのでありがたいと語った。
藤ノ川は5日連続で大関と稽古
相手の藤ノ川も、九州場所へ向けて出稽古を重ねていた。報道によると、10月28日、29日、31日は大関・琴桜のいる佐渡ケ嶽部屋の宿舎、30日は時津風部屋で大関・霧島と稽古しており、安青錦との三番稽古で5日連続、3人の大関と胸を合わせたことになる。31日には琴桜らを相手に13番取って6勝を挙げ、大関との稽古を求める理由として、強い相手と稽古したいと話していた。
安青錦との8番を終えた藤ノ川は、相手の強さを率直に認めた。1勝7敗の結果でも、自身も良い稽古ができたと話している。秋場所で敢闘賞を受けた21歳の関脇は、大関との稽古を重ねて九州場所への準備を進めている。
出稽古は5月の荒汐部屋以来
約半年ぶり。その数字の裏には、けがに苦しんだ1年がある。
左足の不調が始まったのは3月の春場所だった。1月の初場所は新大関で12勝3敗、決定戦で熱海富士を下して優勝した。新大関の優勝は2006年夏場所の白鵬以来20年ぶりだった。ところが綱とりがかかった春場所で左足を痛め、7勝8敗と初めて負け越す。場所後には左足の骨折で春巡業を休場した。
最後の出稽古は、カド番で迎える夏場所を目前に控えた5月6日だった。東京都中央区の荒汐部屋での申し合い稽古の8番目、若元春の攻めを土俵際でこらえようとした際に左足首を痛め、そのまま稽古を切り上げる。申し合いは、勝った力士が次の相手を指名して取り続ける稽古だ。夏場所は全休し、7月の名古屋場所は関脇に落ちて迎えた。
ところが、ここから立て直す。左足を気にしながら臨んだ名古屋場所で11日目に10勝目を挙げて大関復帰を決め、千秋楽は12勝3敗で並んだ大関・霧島、関脇・熱海富士との三つどもえの優勝決定戦を制した。大関から落ちた力士は、直後の場所で10勝以上を挙げれば大関に戻れる。この特例での復帰は7人目で、11日目での到達は最も早かった。1場所での大関復帰と優勝を同時に果たしたのは、史上初めてだった。
それでも左足は万全ではなかった。8月の夏巡業では患部の様子を見ながら相撲を取る稽古を控え、基礎運動を中心に調整した。8月31日の秋場所番付発表の会見では、大関復帰に特別な思いはないと語り、さらに上を目指す気持ちを示している。秋場所前も関取との稽古を控えたまま本場所に入り、千秋楽は11勝3敗同士で横綱・大の里との相星決戦となったが、突き出されて11勝4敗。大の里の6度目の優勝を許した。出稽古からは、夏場所前を最後に遠ざかっていた。
2026年の本場所の歩みは次のとおりだ。
| 場所 | 地位 | 成績 |
|---|---|---|
| 初場所(1月) | 大関(新大関) | 12勝3敗、 |
| 春場所(3月) | 大関 | 7勝8敗 |
| 夏場所(5月) | 大関(カド番) | 全休、 |
| 名古屋場所(7月) | 関脇 | 12勝3敗、 |
| 秋場所(9月) | 大関 | 11勝4敗、 |
優勝、負け越し、全休、優勝と、1年の中で浮き沈みがはっきりした。九州場所は、その締めくくりの場所となる。
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番付発表後に相撲を再開、師匠と相談して「解禁」
出稽古までの段取りは慎重だった。10月26日に九州場所の番付が発表されると、安青錦は福岡県久留米市の安治川部屋の宿舎で、幕下以下の若い衆を相手に相撲を取る稽古を2日間続けた。10月29日には三段目力士と21番取って全勝し、9月の秋場所千秋楽以来となる相撲を取る稽古で手応えをつかんでいた。その前日の28日には、師匠の指導で鉄アレイを両手に持ったすり足にも取り組んでいる。
患部の回復が順調だったことから、師匠の安治川親方(元関脇・安美錦)と話し合い、出稽古に踏み切った。
安青錦は、けがの調子が良くなり、できなかったことができるようになってきたと話した。関取衆との稽古もその一つだ。初日までにもう1回ほど出稽古をしたい考えで、師匠と相談して決める。
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東大関で九州場所へ、藤ノ川は2場所連続の関脇
日本相撲協会が10月26日に発表した九州場所の番付で、安青錦は東の大関に就いた。秋場所は大関の2番手だったが、序列を一つ上げて筆頭となる。大関は安青錦、琴桜、霧島の3人で、横綱は大の里と豊昇龍。藤ノ川は東の関脇で、2場所連続の関脇となった。秋場所は新関脇で11勝4敗を挙げ、敢闘賞を受けている。
九州場所は11月8日に初日を迎え、22日が千秋楽。会場は福岡国際センターで、入場券はすでに完売している。秋場所を制した大の里には、2場所連続の優勝がかかる。
安青錦にとって福岡は、2025年の九州場所で初優勝を飾った土地でもある。当時は新関脇で、12勝3敗で並んだ横綱・豊昇龍を千秋楽の優勝決定戦で破り、ウクライナ出身の力士として初めて賜杯を抱いた。場所後には大関へ昇進している。1年前に初優勝した土俵へ、今度は東大関として戻る。
8番の出稽古で7つの白星。左足首を痛めて以来、遠ざかっていた出稽古をようやく再開し、安青錦は初日へ向かう。
[文/構成 by スポーツ担当ライター 南條楓]









































































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