明徳義塾高等学校、秋季四国大会で2年ぶり13回目の優勝 明治神宮大会の初戦は東京地区代表

時間がない人向けの30秒で理解ゾーン
高校野球の第79回秋季四国地区大会の決勝が11月1日、香川県営野球場(レクザムスタジアム)であり、明徳義塾高等学校(高知)が高知高等学校(高知)を8対1で下して2年ぶり13回目の優勝を決めた。2年生左腕の藤本優善が12奪三振で完投し、初戦から3試合連続の完投勝利。11月19日に開幕する明治神宮野球大会への出場が決まり、初戦は11月20日の第1試合で東京地区代表と対戦する。
高知勢42年ぶりの決勝、序盤の3点で主導権
決勝は高知県勢どうしの顔合わせとなった。高知県の2校が四国大会の決勝に進んだのは、明徳義塾と伊野商業が争った1984年以来42年ぶりだった。両校は10月11日の秋季高知県大会の決勝でも対戦しており、このときは明徳義塾が6対2で勝ち、秋の県大会で3年連続、通算25回目の優勝を決めている。この県大会の決勝は2回に先制されたが、3回に3番・宮崎礼治の右越え適時三塁打で逆転するなど一挙4点を奪い、藤本が170球を投げて完投した。
高知も四国大会で勝ち上がってきた。1回戦で尽誠学園(香川)を7対5、準々決勝で徳島商業(徳島)を8対3で破り、準決勝では阿南光(徳島)に8対0で7回コールド勝ち。明徳義塾はこの決勝の勝利で、高知県の春のチャレンジマッチ2試合を含めて、2024年春から高知に6連勝とした。
試合は明徳義塾が初回から動いた。1回に2点を先制し、2回にも1点を追加。3回に高知に1点を返されたものの、4回と5回に1点ずつ加えてリードを広げ、8回には3点を奪って試合を決めた。高知は先発の古谷悠翔から安藝、澤田、白石と4投手をつぎ込んだが、明徳義塾の打線を止められなかった。
得点の内訳は、1回が3番・三澤隼と5番・後藤大豪の中前適時打、2回が暴投で三塁に進んだ走者を9番・池田陸のスクイズでかえしたもの。高知は3回、4番・吉村太緒の左前適時打で1点を返した。明徳義塾は4回に一死満塁から池田が再びスクイズを決め、5回は6番・成眞佑の適時二塁打で5対1。8回は三澤の2点適時二塁打と、4番・宮崎礼治の適時二塁打で3点を加えた。明徳義塾は11安打で、両チームとも本塁打はなかった。
| チーム | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 高知 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
| 明徳義塾(優勝) | 2 | 1 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 3 | × | 8 |
マウンドを守り抜いたのは藤本だった。9安打を浴びながらも12個の三振を奪い、失点は3回の1点だけ。走者を背負っても要所を締める投球で、最後まで一人で投げ切った。
スタメンには1番・右翼の岡本琥之介、2番・二塁で主将の田内望夢、4番・一塁の宮崎礼治ら2年生が並び、捕手は1年生の成眞佑が務めた。打線は9人中8人が2年生、残る1人も1年生で、先発の藤本を含めて全員が来年度もチームに残る学年だ。
3試合すべて完投、2年生左腕・藤本優善の秋
明徳義塾は高知県1位として出場し、1回戦を免除されて準々決勝から登場した。四国大会は4県から3校ずつ、計12校で争われた。
| 日付 | 回戦 | 相手 | スコア | 勝敗 |
|---|---|---|---|---|
| 10月25日 | 準々決勝 | 済美(愛媛) | 5-4 | 明徳義塾の勝ち |
| 10月31日 | 準決勝 | 海部(徳島) | 2-0 | 明徳義塾の勝ち |
| 11月1日 | 決勝 | 高知(高知) | 8-1 | 明徳義塾の勝ち |
初戦の済美戦は苦しい展開だった。1回に3番・三塁の三澤隼(2年)がソロ本塁打を放って先制したが、その裏に2点を奪われて逆転される。3回に3点を返して4対2とし、済美も3回と6回に1点ずつ返して4対4の同点。9回、8番の松井大河(2年)が右中間へ勝ち越しの適時二塁打を放ち、ようやく振り切った。
準決勝の海部戦は投手戦になった。4回まで0対0が続き、5回に3番・三澤隼の犠飛で先制すると、2死二塁から6番・指名打者の後藤大豪(2年)の左前適時打で2点目を挙げた。藤本は3回の無死満塁を無失点でしのぎ、6安打10奪三振無四球で完封した。海部の4番・天見海聖(2年)を4打数無安打3三振に抑えたことも大きかった。
最速144キロの左腕は、夏の甲子園にも先発している。8月10日の第108回全国高校野球選手権大会1回戦で、明徳義塾は日南学園(宮崎)に1対2でサヨナラ負けした。その試合で先発した藤本が、秋の四国大会では3試合すべてを一人で投げ抜いた。
馬淵史郎監督の「MLB流」、悔しい昨秋からの立て直し
チームを率いるのは、1990年から明徳義塾の指揮を執る馬淵史郎監督だ。2002年の夏の甲子園で全国制覇を果たした監督は、この秋もベンチに立った。
準決勝の後には、大リーグの戦い方を采配に取り入れていることを明かしている。報道によると、藤本にはプレートの三塁側を踏んで投げるよう助言していた。大リーグの左投手に広がる投げ方を参考にしたもので、冬場には再びプレートの一塁側を踏ませ、対角線に食い込むクロスファイアの軌道を磨かせる考えも示した。明徳義塾は、海部が1週間かけて練習してきたというバント戦術に苦しみながらも、控え選手らのデータ分析を生かして勝ち切った。
県大会の決勝後には、全国でも勝負できる手応えが少しあるとして、四国大会の優勝を狙う考えを口にしていた。その言葉どおり、3試合で四国の頂点にたどり着いた。
この優勝には前の年の悔しさもある。2025年秋の四国大会で、明徳義塾は準決勝で英明(香川)に1対2で敗れ、2026年春のセンバツ出場を逃した。四国大会の優勝は、高松商業(香川)を5対3で破って4年ぶり12回目の頂点に立った2024年以来で、これが2年ぶり13回目となった。
明治神宮大会は11月20日、東京地区代表と初戦
各地区の秋の王者が集まる第57回明治神宮野球大会は、11月19日から24日まで東京・明治神宮野球場で開かれる。10月17日時点の大会の公式組み合わせでは、四国地区代表は大会2日目の11月20日、第1試合(午前8時30分開始予定)で東京地区代表と対戦する。明徳義塾にとっては、この試合が初戦(準々決勝)となる。雨天の場合は順延になり、開会式は前日の11月18日に明治神宮会館で行われる。
対戦相手はまだ決まっていない。秋季東京都大会は11月1日に準決勝があり、二松学舎大学附属高等学校が東海大学菅生高等学校に延長10回タイブレークの末2対1でサヨナラ勝ちし、岩倉高等学校は日本大学第二高等学校を3対1で下した。二松学舎大付は2年ぶり、岩倉は38年ぶりの決勝進出となる。東京地区代表は、11月5日に行われる二松学舎大付と岩倉の決勝の勝者に決まる。
明徳義塾が初戦を勝てば、11月22日の準決勝で、関東地区代表と、東北地区代表対九州地区代表の勝者による一戦の勝者と当たる。決勝は11月24日に行われる。
来春センバツは1月29日の選考を待つ
秋季大会の成績は、2027年春の第99回選抜高校野球大会の出場校を選ぶ主な資料になる。四国地区の一般選考の枠は2で、選考は2027年1月29日に開かれる選考委員会で決まる予定だ。
四国大会の決勝に進んだ2校は、例年この枠の有力候補に挙がる。明徳義塾が選ばれれば、2年ぶり22回目のセンバツとなる。ただし、出場校は選考委員会で正式に決まるため、現時点で出場が確定したわけではない。
明治神宮大会で優勝した学校の地区には、センバツの出場枠が1つ加わる「明治神宮大会枠」もある。明徳義塾が神宮で優勝すれば、四国の枠は3に増える。
関連記事:大阪桐蔭、明石商に敗れセンバツ当確ならず 川本晴大は自己最速155キロも14四死球、春連覇は1月29日の選考待ち
まずは11月20日の東京地区代表戦だ。四国王者の左腕エースが神宮のマウンドで、他地区の王者を相手にどこまで投げられるかが問われる。
[文/構成 by スポーツ担当ライター 高瀬翔吾]









































































コメントはこちら